施設警備員は夜間巡回をする時、大抵一人で見回ります。館内は誰一人いないので、何をしていても誰も見ていないという錯覚に陥るのです。しかし館内には至る所に防犯カメラがあり、自分が映っているとは気づかない愚かな警備員は、事もあろうか盗みを働き仕事をクビになるのです。
細密巡回は基本一人だが
施設警備のほとんどの夜間巡回は、一人で見回っています。
今まで勤務してきた施設で、複数人で細密巡回をする現場はありません。
少ない人員、一人で十分遂行できる業務の為、基本一人で見回ります。
従業員や来店客も誰一人いない広い館内を、警備員1人で巡回する様子は、人によってはこれほど快適な空間は無いでしょう。
数時間前まで、来店客であふれかえっていた店内は、今では自分一人だけの真っ暗な状態です。
実際に夜間の細密巡回をしていると、館内は確かに暗いですが周りには誰もおらず、人がいるはずの空間に誰もいないのが新鮮で、とても開放的な気分になります。
周りに誰もいないので、周りに気を使いながら歩く、という事をする必要なが無いのです。
だからと言って仕事を怠けてはいけませんがね。
そして、誰も見ていないという雰囲気に流されて愚かな事をする警備員も中には出てくるようです。
巡回中に1人だと思い盗みをしてクビ
警備員の不祥事の話で聞いた事があるのですが、ある商業施設の施設警備員が、夜中の細密巡回中にテナントの商品に手を付けて懲戒解雇になった、という話を聞きました。
こう言った話しは、たまにテレビのニュースなどで挙げられる事がありますね。
夜中の誰も人がいない時間帯の巡回では、何をしても見つからないという誤解が生まれて、この様な行為をしてしまう様ですが、これは大きな間違いです。
館内には24時間防犯カメラが作動しており、真っ暗な館内を歩く警備員の姿もばっちり映っています。
そして、さらに各テナントでも営業中に商品を守る為にカメラを設置している所もあるでしょう。
日中の巡回では警備員は、各テナント内に入る事は滅多にないのでどこにカメラがあるか把握していない事が多いです。
ましてや、そのテナントにカメラが存在するかどうかすらも分からないのです。
そんな事も考えない愚かな警備員は、自分の欲望のままに行動し、誰も見ていないと思って商品に手を出すのです。
結果、翌日商品が無い事に気づいたお店側は、防犯カメラを確認すると夜間に巡回で入ってきた警備員が、商品を盗んでいく所が映っていたようです。
施設を守るべき警備員が盗みをする、という信頼も何もあったものではないですね。
当然、その警備員は速攻で解雇されたようです。
これもしかすると、警備会社も契約解除になってもおかしくない事案です。
万が一、そうなった犯罪を犯したその警備員は、警備会社から損害賠償を請求されてもおかしくない出来事です。
いくら誰もいないからと言っても、防犯カメラがある事には気付かなかったのでしょうか。
私が勤務していた現場では、この情報を知る以前より日頃から
「いくら誰もいない夜間であっても防犯カメラがあるから気を抜くな」
と仕事をさぼるなよ、という意味合いで指導されていました。
カメラがあるという事は、悪さは出来ない、と暗に言っている事と同じですね。
誰も見ていないからこそ真面目に
警備員はお客様の財産や命を守るのが仕事です。
その仕事を任された警備員が犯罪を犯しては、いったい誰を信用すればよいのか、という事です。
犯罪をしたのは個人ですが、被害に遭われた側にしてみれば、その警備会社自体に信用を置けなくなってしまっても何ら不思議ではありません。
そんな事態にならない様、警備会社によっては愚かな行為をさせない為の指導をしています。
誰も見ていなかいらと言って仕事に手を抜くな。
事の大小の程度の差こそはありますが、どこの警備会社でもこういった仕事に手を抜く者は居ます。
私の隊でも小さな事ですが、クライアントに知れたら問題になる様な、仕事の手抜きをしている者が居ました。
それとなく指導はしましたが、本人の心には響かなかったようです。
誰も見ていないからこそ真面目に仕事をする、小さな事でもこれが出来ない人は警備員の仕事でいつか信用を失う事をやらかすかもしれません。