今までキツイ現場とヒマな現場を経験してきましたが、明らかに業務の忙しさによって警備員の質が違いました。キツイ現場経験をしてきた警備員さんは仕事に対して厳しい見方をする傾向が強めですが、ヒマな現場経験をしてきた警備員さんは仕事に対して甘い傾向があります。
キツイ現場経験をした警備員
キツイ現場の代表の一つでもある、大型商業施設。
ネットなどでも「大型商業施設は止めておけ」という情報もよく見かけますね。
キツイかどうかという点においては、経験者でもある私も賛成します。
しかし、ただキツイというだけではなく、キツイなりに学べる事も多く、その人が警備員という仕事にどれだけ向き合っているかによっては解答は異なるでしょう。
そんなキツイ現場でもある大型商業施設で勤務した警備員さんを、何人か知っていますが、その殆どの警備員さんがもれなく
「仕事に対してミスがあまりない」「お客様の対応が丁寧」
という印象を持っています。
お客様にタメ口で話したり、偉そうな態度を取る、という事が少なく基本的に「クレームを貰わない様に気を配っている」という姿勢が見られます。
多くのキツイ現場では、お客様からクレームを貰う頻度も多く、また実際にクレームを貰い日々改善している、という業務の繰り返しです。
その為、自然と予めクレームを貰わない様な気を使った仕事振りになり、それが他の警備業務にも表れています。
そういう意味では、キツイ現場で働いていた警備員が、もともと優秀な人物だったというのではなく「キツイ現場で鍛錬された」というのが妥当かもしれません。
ヒマな現場経験をした警備員
キツイ現場で働いてきた警備員さんとは逆に、ヒマな現場で働いてきた警備員さんはどうかというと、日々特にする事もなく来客も少ないので経験値を積んでいない警備員さんが多いです。
来客の対応が少ないので、ある程度いい加減な対応でもクレームを貰う機会そのものが少ないのです。
そんな警備員ばかりになるので、来訪者の方も
「ここの施設の警備員の仕事振りはこんな程度」
と良いのか悪いのかクレーム自体、入らなくなるのです。
クレームが無い為に成長も無いので、仕事はいい加減になりミスの発生も多く、それが日常となってしまいます。
以前いた現場では、そんなヒマな現場経験しかない警備員が大勢いて、先ほど説明したいわゆるポンコツ警備員が、何の疑問も持たずに普通に仕事をしていました。
彼らは初めから堕落した人物ではなかったであろうし、また人間的にも何の問題もない人たちでしたが「ラクな現場で骨抜きにされた」というのが妥当かもしれません。
両者が同じ現場で働くと問題が起こる
そんな両極端な警備員さんたちですが、以前その両者が同じ現場で働く事となりました。
仕事に対してストイックな警備員と、仕事に対していい加減な警備員。
この両者が仕事面で衝突し、大きな溝が出来るのにそれほど時間はかかりませんでした。
いい加減な仕事をしてもクレームは入らないのに、真面目に仕事をしようとする警備員。
真面目に仕事をするのは当たり前な事ですが、適当な仕事をしていてもクレームをもらわないという、いい加減に仕事をしても真面目に仕事をしても給料は同じです。
真面目に仕事をしている一人の警備員が、一人の不真面目な警備員に厳しい言葉を掛けたために対立が起きてしまいました。
相手を思いやらない彼の言い方も悪かったのですが、まあ間違ってはいません。
そこからその二人は最後までぎくしゃくした関係になったのです。
この様に、ヒマな現場で両極端の警備員が同じ職場で働くと、どちらが正しいにしても問題が発生する可能性はあります。
よほど現場の意識改革と称して、業務改善といううたい文句でやり方を変えない限り、今まで通りにはいかないでしょう。
ヒマな現場でも厳粛に真面目にやろうとする警備員と今まで通りいい加減な対応をする警備員。
両者に波風を立たせずに同じ水準の仕事をさせようとするのに、私は当時対応を誤ってしまったのかもしれません。