施設警備員としてほぼ発生する業務に鍵の貸出しがあります。これは施設内の従業員が使用する部屋の鍵を、朝従業員が出勤して来た時に出入管理業務をしている警備員が対応する事になる場合が殆どですが、この時に気をつけないと従業員を怒らせてしまう事があったりし、中には実際に役職の上の方の方からお叱りを受けた事もあったのです。
警備員の鍵の貸出し業務
施設警備員の業務の一つに、鍵の貸出しというものがあります。
これは施設内にある部屋で、従業員が帰宅時に施錠が必要だと判断した部屋に、毎回常駐の警備員にその部屋の鍵を預ける事で、警備員がその鍵を管理する仕事です。
この鍵は警備会社と委託者側がどの部屋の鍵を何本預ける、という契約を交わしたうえで初めて警備員が鍵を預かる事になっています。
その為、従業員がフラッと警備室へきて
「今日だけこの部屋の鍵を預かって下さい」
と預けに来ても、現場で働いている警備員はクライアントの命令だからと、その場で簡単に預かってはいけません。
これは意外とその現場で働いているすべての警備員さんが把握していない場合もあったりします。
一応、現任教育などで鍵の管理について、講師の方が指導しているハズですが、いざ現場で働いていると、クライアントの指示だからと勘違いしてそちらを優先してしまい、契約を交わしていない鍵を臨時で預かってしまったりする警備員がいたりします。
そんな鍵の貸出し業務ですが、出入管理業務中に鍵の貸出しで失敗してしまった事が以前の現場で数回ありました。
従業員を怒らせた理由
朝の出入管理業務は、従業員の方が大勢出勤するので、受付場は日によっては警備員一人の手に負えない時もありました。
その様な時は複数の警備員が協力して対応に入ってくれるのですが、それでも失敗する事もあります。
朝雄の出勤時に、事務所の部屋の鍵をその部署の方に渡す必要があります。
その部屋に入る一番初めに出勤して来た従業員の方へ鍵を渡さないと、部屋に入る事が出来ません。
この時に、一番初めに出勤して来た従業員の方に「まだだれも出勤していませんので鍵をお願いします」と声を掛けないと、鍵を持たずに上のフロアへ行ってしまった従業員の方は、また警備室まで戻って来なければいけません。
この時に、従業員の方が思うのは
「自分が一番初めに出勤したと分かっているなら声を掛けろよ・・」
と思うのは間違いないでしょう。
まずこの状況で警備員が気をつけないといけないのは、出勤して来た該当する部屋の従業員の方で誰が一番初めに出勤して来たか、という事。
これを逃すと、先ほどの様に一旦部屋まで言った従業員が警備室まで戻って来なければならなくなる事。
また、この様な部屋の鍵は現場によって何本もあるので、各部屋で一番初めに出勤して来た従業員に声を掛けなければならない。
さらに、従業員に声を掛ける必要があるので、各部屋の従業員の顔を覚える必要がある事。
これらは施設の規模にもよるので、わたす部屋の鍵が1本であったり複数であったりと様々です。
以前の現場では、一番初めに出勤して来た従業員の方へ声を掛け忘れた警備員がいて、戻って来た際に結構な剣幕で怒られていました。
まあ、あの時はその従業員の方が厳しい方だったという事もありましたが、声を掛け忘れた警備員にも問題がありました。
朝は他の従業員も大勢通過するので、その流れに紛れて鍵を渡すべき従業員を見逃してしまう、という事があるので注意が必要です。
出入管理業務は観察力が求められる
鍵を渡すべき従業員を見逃してしまう、という事は現場によって大きな違いがあります。
その施設に朝の時間にどのくらいの関係者が通過するのか、というのは現場によって大きく異なります。
施設によって出入管理業務での鍵の貸出しは異なるので、現場の異動の少ない警備員さんが他所の現場へ異動すると、この失敗をやってしまいがちです。
以前の現場では、鍵を課すべき従業員の顔を苦労して覚える必要が無かったり、鍵を貸す側の従業員が、警備員が声を掛けなくても向こうから警備室へ来てくれたりと、現場の従業員さんによっても違いがありますね。
その為、大型商業施設の従業員の方が厳しいだとか、小さな施設の従業員がやさしい、だとかいう規則性はありません。
施設警備員は出入管理業務中に、鍵を貸す業務のある朝の時間は、鍵の貸出しの為の声掛けの失敗をしない様にする為にも、従業員の顔を覚える事と、声を掛け忘れない様に気を使う必要があります。