施設警備員として出入管理をしていてどこの現場でも同じ事を思うのですが、受付時に来訪者がとても面倒くさそうに記入しているのを見かけます。その中に稀に警備員に対して「なぜこんなもの書かせる」と悪態をつく人がいますが、実は受付簿はクライアントが用意したものを代わりに警備員が受付しているに過ぎない、という事を分かっていないのかなと思ってしまうのです。
出入管理の受付簿はクライアントが用意したもの
出入管理の場所では警備員しかおらず、警備員が来客者に受付簿を書かせているので、出入管理の受付簿というのは警備員が独自に用意して記入させている、と思っている人がいる様な気がしてなりません。
というのも施設警備員とし今まで受付をしてきて、来客された時に受付簿に記入する際、とても読めない様な文字を書く方や、受付簿に記入する行為に関して散々文句を言う方も見えます。
警備員側としては、出来れば読める様な文字で記入していただかないと、万が一何かあった時に入館者の名前を確認する必要があります。
その時に、アラビア文字の様な筆跡で書かれても誰も名前を読む事が出来ません。
現場によっては、受付簿の上欄に「丁寧な文字で記入をお願いします」と書かれていた所もありました。
そんな注意書きが記載されていても、お構いなしに社名や自分の名前を書き殴っていくのです。
見かねたとある警備員さんは、そういった方に丁寧に書いていただくよう声を掛けたりするのですが、大抵は無視してそのまま書いていくか、こちらを睨んで舌打ちしながら先程よりも若干丁寧な文字で書いたりします。
もうこの流れはどこの現場の来訪者でも同じですね。
そんな時に毎回思うのは、ああこの人はこの受付簿を警備員が来訪者に対して勝手にやらせている、のだと思っているのだろうなという事です。
あなたの筆跡や態度はクライアントが見ていますよ
多くの来訪者はその施設に来訪して、施設の管理者いわゆるクライアントの事務所へ行くのが目的だと思います。
そして事務所へ行った時は失礼のない態度で礼儀正しい挨拶をし、自分の会社とその社員の代表でもある自分自身を常識のある人間だという姿勢を見せるのでしょう。
それはどこの企業でもその従業員でも当然の行為だと思いますし、それでよいと思います。
しかし
既に警備員の前であなたの正体は露呈しているのに気付いていないのです。
そもそも受付簿はクライアントが来訪者に対して書かせているモノであり、警備員はただその仕事を代わりに請け負っているだけなのです。
要するに汚い文字で書いたあなたの筆跡は、訪問したクライアントに対して書いたものであり、また受付簿に対して悪態をついたのは。そのクライアントに対して文句を言っているのと同じですね。
受付簿の記載に関してあった出来事を警備員は、クライアントへ必ず報告しますしその際に警備員に対してついた悪態も含めて伝わっています。
そう、いくらクライアントを目の前では良い顔をしても、気付いていない所で自分で自分を貶めてしまっていたのでした。
出入管理で警備員が対応しているので、来訪者の中には受付簿は警備員が対応しているので、施設側とは関係ないと勘違いしている人もいるようです。
しかし、冷静に考えたら警備会社と委託側の関係性からどうみても、警備員が勝手に行っているものでは無い、と分かりそうなものなのですがね。
いつ誰が入館したか記録する重要なもの
出入管理の受付場で受付簿に名前を記載していただく時に、書き殴ってとても読めそうにない文字で書くのは、別の意味でも困ります。
出入管理では、受付簿に記入する事で「いつ誰が訪問したのか」という情報が書かれています。
その時に名前が読めないと、クライアント側が何かの理由で過去の情報が欲しい時にその方が誰なのか把握できません。
また、入館時に災害が発生した時にその受付簿を見れば誰がまだ館内に取り残されているのか把握する資料にもなります。
そんな時に読めない汚い文字で書いていたら、本人の身元確認さえできないでしょう。
書いているその瞬間は、問題にならないかもしれませんが、後になって迷惑を掛ける事にも繋がるのです。
そもそも、施設側が丁寧に書くよう促しているのに従わず、舌打ちをして文句を言うような態度を取るという事は「入館する資格が無い」と判断されても仕方が無いと思いませんか。
所詮警備員のしている事だ
と横柄な態度を取っているのだと思います。
しかし、警備員側はそこで言い合いなどしてケンカをする事もなく、ただ淡々とお願いし、あった出来事を上へ報告するのです。