ある警備員が業務中に、お客様への対応で問題になった事がありました。警備員としてそこまでする必要のない所謂「業務外の対応」をしたのです。その警備員は親切心からした行動なのですが、他の警備員にとっては迷惑な行動でしかなかったのです。
警備員は親切な行動をしたい
ある警備員さんがお客様に対して、業務範囲を超えた対応をした事で少々面倒な事に巻き込まれました。
結果的には丸く収まったのですが、そもそもそんな行動をしなければ何も起きなかったのです。
しかし、警備員の多くの人はお客様に対して、困っていたら助けたい、だとか聞かれたら解決してあげたい、と思う人が多い様で、基本的にみな親切です。
今まで一緒に働いてきた警備員さんの多くも、お客様の対応をする時に
「それはやり過ぎ」
と思うほど親身になって対応する人が多い様に感じます。
しかし、気を付けて欲しいのは警備員は契約でするべき仕事が決まっており、それ以外の事はしてはいけません。
してはいけない、というのは厳しい言い方かもしれませんが、契約に無い行動をしていざ問題が発生した時に、クライアントも警備会社もかばってくれない、という事になるのです。
もし金銭が絡むような問題になった時、自分一人で解決しなければならなくなったとしたら。
そう考えたら、とても勝手な行動をしようとは思いませんよね。
業務外の行動は誰に迷惑?
契約で決められた以外の行動を取ると、責任が自分一人に降りかかる、という事はお分かりになったかと思いますが、それ以外にも他の同僚の警備員さんにも迷惑がかかります。
あるお客様の対応を、契約の範囲外で対応した時、次また同じお客様が来た時どんな対応をするのでしょうか。
「前の警備員さんはしてくれた」
よく聞くフレーズです。
他の人はしてくれたのに、なぜ今回はダメなのか。
これは前回対応した人が、規則を捻じ曲げてお客様に有利な対応をした事で、今回も同じ様な対応を要求して来るパターンです。
契約の範囲内の対応であれば誰が受けても同じサービスを提供できますが、ある警備員が契約外の対応をした事で、他の警備員さんに対しても、前と同じような対応をしろ、と言われているのです。
契約で決められた仕事をちゃんと守っている警備員さんからすると、これほど迷惑な話はありません。
常に、誰に対しても規則を守ってもらう行動をお願いしているのに、誰かが一度間違った対応をした事で、ある日「以前はしてくれた」と規則を破る対応をお願いされるも断ろうとした事でトラブルになる時もあるのです。
真面目に業務をしている人からすると、規則を破ってまでお客様を優遇する警備員の行動は悪でしかありません。
決められた範囲の対応で十分
お客様に良い印象を与えたい、お客様が希望する通りにしてあげたい、と思う気持ちは良く分かりますし、それを聞き入れない事でトラブルに発展する事もあるかもしれません。
しかし、一度規則を破った事でそれ以降も同じ対応を要求される事の方が問題です。
警備員は目の前にお客様がいるので、対応をする時に期待に応えられなかった時の残念な反応や「融通の利かない警備員」と思われるのがイヤだという人もいるかもしれません。
しかし、契約で決められている範囲の行動を守って、相手の期待に応えられなかったとしても、それはその警備員さんの責任ではありません。
更に、その状況でトラブルに発展したとしても、必ずクライアントも警備会社も守ってくれます。
契約の範囲内でお断りしたのであれば堂々としていれば良いのです。
変に気を利かせて、お客様の気分を害さない様にと、規則を破ってしまうのは間違った行動なのです。
その場で怒鳴られるのが嫌だから、だとか自分が良い人に見られたい、などとその時の感情で規則を破ってしまう警備員さんも中には居ます。
出来ない事は正直に出来ません、という勇気も警備員には必要なのです。