巡回中に防災機器を点検する時の注意点

店内巡回時に防災関係の機器などを見るのも必要であるとお話ししましたが、
今回はその機器を、どのようにして見るのか。
という点をお話ししようと思います。
中には一歩間違うと大騒ぎになる機器もありますのでご注意を。

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防災機器は天井から足元まで至る所にある

私が経験した商業施設に設置してあった防災機器が、世の中にある全ての防災機器を網羅していたわけではないので一部だけの紹介になってしまいますが、巡回時に確認していた防災機器を挙げると

赤外線パッシブセンサー
(人がセンサー内に侵入すると赤ランプで反応:通常は緑のランプが点灯)

消火栓
(火災時に消火器で対応出来ない時に使用:扉を開けて中身確認)

消火器
(火災時、初期消火に使用:安全シールやピンの不備を確認)

炎感知器
(主にトイレ等にある、個室等でライター使用に反応:ランプ点灯確認)

排煙口スイッチ
(火災時、有害な煙を排出する為の起動スイッチ:ランプ点灯確認)

ガラス衝撃センサー
(ガラスを割って侵入したのを知らせるセンサー:ランプ点灯確認)

誘導灯
(よく見る避難口を知らせる白と緑の看板:看板の点灯確認)

AED(自動体外式除細動器)
(一般人でも使用できる医療機器:使用期限の確認、音の異常)

これらを日中の店内巡回の時に、巡回路にある物を全て正常かどうかを確認しながら見回ります。

施設の規模によっては余りの多さに、初めのうちは全てを見ることは不可能かもしれませんが、毎日の事なのでいつの間にか漏れなく全て確認できるようになると思います。

毎日の巡回で防災機器と各設置場所は覚える事は出来ると思いますが、そもそもその機器の正常状態を覚えていなければ見る意味がありません。

各機器の正常状態を知っておく必要がある

防災機器それぞれに正常状態というものがあって、また正常な状態を示す表示が違います。

それはランプの表示であったり、物理的に異常箇所があったりと全てが同じではありません。

緑のランプ(赤は異常状態)
消火器のピンが抜けている
AEDから音が出ている…など

簡単ですが、上記のような分かりやすい状態が大半だと思うので初日に配属されたての隊員の方でも見分けられると思います。

防災機器類が異常状態であった時はどうするのか

聞いた話ですが、過去に商業施設の店内を巡回中の隊員が、施設内に数ある消火器をチェックしていたらその内の1台がピンがないものを見つけました。

とりあえず、防災センターへ無線を入れると

危険だから、後方通路へ下げておけ

と、指示を受けたそうです。

その隊員はある程度は消火器の扱いは知っていたらしいのですが、何を思ったかレバーとゲージを握ってしまったそうです。

何が起こるかというと、ピンがついていないレバーとゲージを握ると

消火剤が出ます!

後方通路に持っていく前に噴射したので、近くに合ったテナントにも被害が出たそうです。女性服が売っているテナントだったそうで、警備会社が何着か弁償したそうです。
消火剤のせいで辺り一面真っ白になって、当時の状況は相当大変であったらしいです。

このように消火器の扱いを知っている隊員でも、日頃とは違う状況だと正常な判断が出来ない良い教訓だと聞かされました。

なにか問題があった時は、

まず防災センターへ一報を入れる!です。

いくら自分に知識があって一人で対応出来そうなことであっても、報告しなければなりません。

万が一ミスをした時に、

「個人が勝手にやった事」

として会社が助けてくれません、また状況によっては現場の判断と本部側の判断が違うかもしれないからです。現場側でそれが良策と思っても、本部側に考えがあるかもしれないからです。

とりあえず一人で頑張って対応するよりも、会社側に責任(判断)を委ねる、と考えて指示を仰ぐようにしましょう。

これが意外とできなくて、ベテランの隊員になるほど自分で解決しようとしてしまいます。

新人の隊員だと勝手がわからずに素直に防災センターへ報告できるのですが・・、難しい所です。

 

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