シャッターラインや防火扉など危険がたくさん

商業施設の店内巡回をしていると、シャッターラインや防火扉などを確認する必要があります。
ここは通常時は何の問題も無い場所ですが、いざ災害時になると火災時の延焼や有毒な煙を防ぐ為にシャッターが降りて来たり、防火扉が閉まる(作動する)場所でもあるのです。
ではこの場所では巡回時、何を確認すればよいのでしょうか。

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配属先の防火シャッターや防火扉の場所を把握する

そもそもシャッターと一言でいっても、店舗などで使用しているシャッターと防火シャッターがありますが、ここでは防火シャッターについてお話しします。

通常、店舗などで使用しているシャッターはそれほど厚みの無いものになりますが、防火シャッターになりますと防火性能を重視して厚みのあるものになります。

なので、とても重厚なシャッターになります。挟まれでもしたら大変ですね。

また、防火シャッターというものにはシャッターに付随して横に防火扉があると思います。ほとんどの扉が火災時に自動で閉まるタイプかと思いますが、もしかしたら現場によっては違う可能性もあるので、配属先の隊長か、設備の人に確認された方が良いでしょう。

ではまず、防火シャッターの場所ですが、これは防火区画に沿ってどこにシャッターを配置するか法律で決められているので、配属先の建物によってシャッターの位置は様々です。

なので、まずはご自分の勤務する施設の防火区画を確認して防火シャッターの位置を調べるしかありません。

これもやはり設備担当の方に聞いた方が早いと思います。しかし、そこの警備員全員が建物の防火区画を把握してはいないのが現状ではないでしょうか。

もう一つ、防火シャッターの位置が理解しやすい現場があります。

それは、同じ施設内なのに閉店時間が違う時シャッターを閉鎖する施設があるのですが、その時に防火区画である防火シャッターを閉めて営業区画を仕切るのに利用している施設です。

私の以前いた現場がそれでしたが、朝の開店から22時までは全館同じように営業しているのですが、22時過ぎからは営業時間が違うエリアがありまして、その仕切りとして防火シャッターを降ろし、お客様が閉店したエリア側に間違って侵入しないようにしていました。

防火シャッターを仕切りとして何か所か利用している現場ですと、どこに防火シャッターがあるのか覚えやすいですね。

しかし、仕切りとして利用していない現場の場合は設備担当の人に場所を確認して、巡回の時などにしっかりと場所を確認しておきましょう。

あと、防火シャッターの横についている防火扉ですが、そこ以外にも単独で防火扉がある場所があります。

それは、避難階段などの入り口になります

通常、商業施設などを利用するお客様用にエレベーターやエスカレーターなどがありますが、その近くに階段もあるはずです。

これは、災害時に電気系統が遮断されエレベーターやエスカレーターが停止した時に高層階から下へ避難する時の為にあります。

さらに、その階段の入り口辺りには火災時に炎や煙が上下階に移動しないようにする為に防火扉が必ず設置されています。

なので、この防火扉は比較的簡単に見つけることが出来るでしょう。

配属された施設を巡回する時に階段のある所を通ればすぐに確認することが出るはずです。

しかし、この防火扉は確認するだけで決して触れないようにしましょう。

引っ張ったり、押したりするのはもってのほか

もし、その場であなたが誤って扉が閉まる(作動)ような事をしてしまいますと間違いなく、無線が飛んできて大目玉を食らうことになりますので・・。

 

作動する仕組みを理解する

防火シャッターも防火扉も基本的に、火災や災害時には自動で作動するようになっています。

もちろん、現場側で強制的にシャッターを降ろしたり扉を作動させて閉めることもできます。しかし、自動でも手動でも降ろしたり作動させたりすると防災センター側では、監視盤がブザーが大きな音を立ててシャッターや扉が作動している事を伝えています。

これが防災センター側でシャッターや防火扉を作動させるのを分かっていてブザーが鳴る分には問題ないですが、作動させるべく時間帯でもないのにブザーが鳴ると

火災が発生したのかもしれない!

と、大慌てになります。そこへあなたが

「扉を押したら作動しちゃいました~」

なんて無線で伝えたら絶対に怒られます。

商業施設などでは防火扉の誤報が多いです。私の以前いた商業施設でも週末に
なると1件以上はあった、といっても過言ではありません。

それは大半は子供の興味心からの誤報です。

子供に関する防災設備の誤報はこれ以外にも数多くありましたが、防火扉が一番多かったと思います。

「この扉の先には何があるんだろう(ワクワク感)」

子供の心理としてはこんなところでしょうか。

防災センター何では防災設備や電気関係の設備(エスカレーターやエレベーター、自動ドア)付近にはカメラが設置してあり、異常時に確認が取れるようになっています。

防火扉付近もちゃんとカメラが配置してあり、誤報時にはバッチリ人物特定ができます。

そこに誤報作動した時に警備員が移っていたらとても恥ずかしいですね。

防火シャッターや防火扉の復旧について

自分で誤報させてしまうのはともかく、作動してしまったシャッターや防火扉の復旧ですが、シャッターは簡単です。

近くにシャッター用の手動操作パネル(鍵扉付き)があると思うので、開けてボタンを押すだけです。

慣れないうちは他の警備員と一緒に復旧させると思いますが、一人でも復旧させる事は出来るのでその時は周りの安全を確認したうえで復旧させましょう。

そして防火扉ですが、これは防火扉の種類によって復旧のさせ方が違いますので先輩警備員に教えてもらうようしてください。

一般的な防火扉はただ、壁に押して戻すだけで復旧できます。

本来、ラッチという金具で電気的に扉を捕まえている状態なのですが手動で開けることが出来るので、押したり引いたりするだけでも簡単に作動するのです。

なので、復旧させる時も壁にゆっくりと押して戻せば、元通りになります。

このあたりの復旧させる工程は恐らく防災センターと無線でやり取りしながらになると思います。

現場で復旧させた時に、防災センター内の監視盤でも復旧信号の確認をする必要があるので。

 

あと、お客様目線で見れば、作動させてもすぐに元に戻せば警備員が来る前に何事もなかったことに出来る!

と考えがちですが、先ほどもお話ししたように作動させた時点で防災センターでは大きなブザーが鳴って場所も特定できているので誰が作動させたか、まで把握済みです。

 

 

巡回時にシャッターや扉を見る注意点

さて、施設内を巡回している時にこの防火シャッターや防火扉も、ただ通り過ぎるのではなく日頃から目を配るように心がけましょう。

基本的にシャッターは下に物が置いていないか、です。

シャッターの降りてくる場所、シャッターラインに物が置いてあると、火災時にシャッターが完全に降りる事が出来ず、火災をそのエリアで食い止められなかったり、有害な煙が避難したエリアまで入ってきてしまうかもしれません。

また、防火扉に関しても同様、扉が閉まるべき場所に物があると作動せずに火災が拡大してしまうかもしれません。

なので、どちらもその付近には物を置いていけない決まりになっています。

更に物が置いてなくても、シャッターが少し降りかけている、防火扉が少し閉まりかけているなど、もしかしたら災害時でもないのに突然故障して作動するかもしれません。

日頃から巡回時に見るようにしていれば、異常があった時にすぐに報告できますよね。

何か問題が起こった時に、

いつもは見ていなかったので異常には気づきませんでした

ですと、警備員としてちょっと情けないですね。

これに限った事ではありませんが、日頃から巡回している場所は何も見逃さないという気持ちで巡回できると、異常にも気づき問題を未然に防げる機会が増えると思います。

 

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