警備員は多くの場合、人命を守るという業務が少なからずあります。交通誘導警備員は車両から歩行者を守ったり、災害発生時に避難誘導や火災が発生すれば消火活動など、毎日発生しないとしても緊急時には対応できるよう心掛けています。そんな中、施設警備員は人命を守る業務もあるのですが、今一つ毎日の中で人命を守っているという実感があまりないのです。
警備員は人命を守る仕事
警備員は人命を守るという事に期待されている仕事の一つでもあります。
歩行者を車両から守ったり、災害時にスムーズに避難誘導したり、テロ行為などから被害者が出ない様に気を配ったりと、形はそれぞれ違いますが、警備員の現場の周りでは、毎日警備員が何らかの形で人命を守っているのです。
この中でも、交通誘導警備員さんは、現場で毎日人命を守っているという印象が強いです。
基本的に車両を誘導しつつ、付近を通行する歩行者の安全を確保している様は、まさに分かり易い形で人命を守っていると言えるでしょう。
そして施設警備員も、普段から館内を巡回し、施設を利用するお客様が不慮の事故などに遭遇しない様、気を配っています。
また災害発生時には、逃げ遅れる事で命の危険にさらされない様、避難誘導に従事したりもします。
この様に警備員は、何らかの形で人命を守る仕事をしています。
しかし、施設警備の現場によっては、その人命を守るという実感があまりない現場もあるのです。
施設警備員は人命を守っていない?
多くの施設警備の現場が、業務上利用者の人命を守る様な仕事に携わっている事と思います。
しかし、私が今まで配属してきた現場の中には、業務の中にあまり人命を守っている、という実感の少ない所もあります。
施設警備員としての業務は問題なく服務できていますが、毎日の業務の中に
「人命を守っている」
という実感が行動として現れていないのです。
毎日出入管理の受付場で座哨しているだけでは、人の命を守るという達成感がありません。
その現場では、業務の大半が座哨での出入管理です。
しかも、来訪する人が少ないので何もせずに座っているだけ、という毎日が続きます。
そんな現場でも一応、夜間の巡回はありますが30分もかからない程度の巡回で、その巡回の内容も火気点検もほぼなければ、各部屋へ入って戸締りを確認する、という業務もほぼ無いと言えます。
ある警備員さん曰く、ただの見回りという名の散歩である、と。
「ラクな仕事がしたい」
と思っている人にとってはこれほど羨ましい職場は無いかもしれません。
そんな現場の仕事しかした事のない警備員さんにとって、警備員は人命を守る仕事といわれてもピンと来ないかもしれませんね。
全ての施設警備の現場がそうとは限りません。
中には、大型商業施設でも経験しましたが、毎日多くの人が来店しその多くの人の命を守っている、という責任を感じて業務に携わる様な現場もたくさんあります。
しかし施設警備の現場によっては、人の命を預かる仕事とは程遠い業務しかしていない現場も実際にあるのです。
緊急時に迅速に対応できるか
そんな「人命を守る仕事」という事に希薄な現場でも、決して気を抜いて良いという訳ではありません。
いくらラクな現場とはいえ、災害は施設の規模にかかわらずやってきます。
地震や火事など、あらゆる災害はキツイ現場でもラクな現場でも発生した時、警備員が人命を守る対応をする事になるのです。
ラクな現場だからと言って警備員の仕事をしなくても良い、わけではありません。
ラクな現場だからこそ、いざという時こそ役に立てる様にしたいですね。
普段、大した事をしていないのだから、緊急時こそ
「ああ、警備員さんが居て良かった」
と思って貰える様な働きぶりでなければなりません。
その為には、ヒマな現場でも日頃から緊急時の対応に迅速に動ける様、心がけておく必要があります。
警備会社側は、ラクな現場だからと誰でも務まるからと、警備員としての知識の浅い人を手配する会社もあるでしょう。
しかし、ラクな現場でも災害はやってきます。
ラクな現場だからと火災が起きない理由はどこにもありません。
そんな時に、緊急対応の知識も無い警備員さんが、いざ行動しろと言われても動けるはずもありません。
そうならない様に知識のない警備員さんこそ日頃から、緊急時の対応が取れるようイメージトレーニングしておく必要があります。
まあ、しかしこういった警備員さんに限ってラクな現場の恩恵にドップリとハマってだらけ放題になっているのが現状です。
今までは何事も無くて済んでいましたが、いつかやって来る緊急事態でボロが出るのは間違いないです。