施設警備員として色々な現場で勤務しましたが、施設警備員として成長できる現場とそうでない現場があります。それぞれの現場へ本人が希望して就く事は難しいかもしれませんが、警備員として成長できるかは実は本人次第でもあるのです。
ただの腰かけ程度の警備員で良いなら
警備員になろうとする時、理由はそれぞれでしょう。
警備員の選択しかない人や、自分から進んで選んだ人、先を見越して一時的に選んだ人など・・
私も先を見越して入った業界でしたが、いまだにその先に進めておらずどっぷり浸かっている状態です。
気づいたら隊長にまでなり、それなりにこの業種の事も深く知るようになりました。
まあ、私の事は置いておいて、警備業界に入った理由の一つに「警備業で落ち着こう」と思っていない人にとっては、それほど極めようという意識は無いのかもしれません。
とりあえず、辞めるまでの間は何事もなくソツなく済ませられればいいや・・
という考えです。
この気持ちは私も入った当初は持っていたので、そういう人を強く否定しようという気持ちはありません。
しかし、そういう気持ちは今の私の様にどっぷり警備業に浸かっている者や、ある程度本気で取り組んでいる者から見ると、やる気のなさは伝わってきます。
向上心や積極性など、他の人と比べると明らかに一歩引いた雰囲気があるので分かるのかもしれません。
しかもそういう人は大抵、数年以内に色々な理由(問題)で辞めていくので案外当たっていると思います。
そんな一時的に警備員になった人にとって、過酷な現場で仕事をしたいと思う人は少ないのではないでしょうか。
「どうせすぐ辞めるのだから、楽な職場がいい」
ここでいう「楽な職場」というのは、警備員として知識を詰め込む事が少なく、ただ座ったり立っているだけ、またはただ歩いているだけ・・な警備員としての特殊な知識を必要としないような現場の事です。
こういう職場は意外とあり、腰かけ程度の仕事がしたい人にはうってつけです。
警備員として資格が必要になる様な知識は必要でなく、初日からでもすぐに覚えて誰にでも出来るような職場です。
求人で確認したり、面接時にそういう職場かどうか確認する事は出来るので、長く在籍しようと思わないのであれば、面接時に正直に話して楽な現場へ入れて貰う事も出来るかもしれません。
その代わり、会社側は「どうせ辞める人」という判断をされるので、楽な現場へ行けるかもしれませんが、それほど重用されなくても文句は言えませんがね。
施設警備員として成長したいなら
少なくとも3年、もしくは5年以上は在籍しようと思うのなら、施設警備員としてそれなりの知識は身につけたいところです。
警備業界には警備業務検定、という国家資格があり、警備業界以外では役には立たないかもしれませんが、3年以上警備業をやろうと思っているのなら是非取得しておきたい資格です。
今は警備員が腰かけ状態でいたとしても、将来また警備員にならないといけなくなった日に資格があれば、こちらが警備の仕事を選ぶ事が出来るかもしれません。
万年人手不足なこの業界は、掘り出し物な仕事があっても資格がないとやれない様なものもあり、また面接時に資格があればより働きやすい現場へ入れてくれる場合もあります。
警備会社は資格を持っている人材は会社としても箔が付くので、資格持ちの入社は大歓迎です。
しかも資格がある、という事は初心者で警備業界に来た人よりも知識と経験があるという事で即戦力になります。
簡単な研修ですぐに現場で働けるので、教育に時間がかかりません。
いつか警備員になるかもしれない、というのは予測できませんが、せっかく警備員になったのなら資格は取得しておきたいですね。
そして資格を取得するのには、現場での経験が勉強するのに適しています。
資格の取得には特殊な知識を学ぶ必要があるのですが、本を読んで学ぶだけではなんとなく理解しにくいものです。
しかし、施設警備の現場によっては、毎日実施する実際の業務がそのまま教本で学ぶ事と同じな事ばかりなので、仕事をしているだけで資格で勉強する事が身についているのです。
仕事に関する事なので、分からなければ先輩警備員に聞けますし、なぜそうなのか、という疑問も自分が体験する事で理解できます。
そんな職場で働ければ、資格もスムーズに取れる事でしょう。
実際私も初めて配属された現場が、そう云った所だったので資格の勉強も理解しやすかったです。
因みに、私が初めて就いた資格の取りやすい現場というのはずばり、
大型商業施設でした。
ただし、同じ商業施設と言っても、小さな商業施設では経験できる知識が少ないので、できれば大型の方が良いと思います。
大型商業施設だと、教本に載っている大抵の内容を、現場の日々の仕事で学べた気がします。
しかし、正直仕事量は半端ないです。
ですが資格取得という目的があり、数年は警備業界に腰を下ろす、という意思があるのならあの現場は決して無駄にはなりません。
ここは腰かけ程度の仕事しか覚えられない
今私の居る現場は
腰かけ程度の意志の人には持って来いな現場です。
要するに「警備員としての経験値が溜まらない現場」だという事です。
数年も警備の仕事はやってられないよ、という人には覚える事も少なく、大した知識も必要ないので、未経験な人でもすぐに仕事に就けます。
その代わり、資格が欲しくて警備員の知識を得たいという様な人にはこういった現場は苦労する事となります。
資格勉強として経験する事が何もないので、勉強は完全に教本から得るしかありません。
それなりに先輩警備員から指導してもらえばよいですが、相手も仕事中でさらにそんな顔を合わせて教えて貰える時間的余裕もないでしょう。
本人の努力次第でどんな現場でも勉強は出来ますが、毎日の勤務がそのまま勉強になる現場が理想ですよね。
今後資格を取得したい、という様な人が配属されてきたら、さぞ何も得る事が無いこの現場をみて驚愕するのかもしれません。