施設警備の現場は色々な職場があり、楽な所からキツイ所まで同じ施設警備課と思う程です。そんな大きな違いのある現場で高齢の警備員さんは様々な現場で働いており、年齢的にも厳しそうなところで働いている人もいます。現在警備員の平均年齢が高い現状、高齢の人に無理をさせて退場されてしまう様な事が増えると、警備業界はますます人手不足が進んでしまうかもしれません。
警備業界は超高齢化が進んでいる
警備業界は元々高齢の警備員さんが多い職種です。
会社員として定年を迎えたあと、第2の人生として警備員の仕事を始める人が多い為、そして定年後は警備員の仕事以外、特殊な技術が無くても始められるために人気な仕事です。
設備や清掃などと比較される事も多いですが、設備は特殊な資格が必要であったり清掃は「掃除をする」という行為が肉体労働をするというイメージが強い様で避けられている印象があります。
その点、警備員という仕事は仕事を始めるのに特殊な技術を必要とせず、また清掃業務よりも体を動かすというイメージが薄い様で、散歩をするかの様に歩いていたりその場でじっと立っていたりもしくは警備室で座りっぱなしで楽なイメージを持たれている様です。
そんな楽そうでもある警備の仕事は高齢の人にも人気があり、逆に給料面や警備員は底辺という悪いイメージなどから若い人からは敬遠されがちです。
その為、入ってくる警備員さんは年齢が高めの人が多くなり、警備員=高齢者の仕事という見られ方をしてしまう事があるのです。
キツイ現場では長続きしない
警備員に高齢の人が多くなると、あらゆる現場で高齢警備員さんを見かける様になります。
私も今までいろいろな現場で働いてきて、その現場では必ず高齢の警備員さんが勤務していました。
商業施設の様な忙しい現場では、70歳近くの警備員さんが第一線で働いていたり、また別の現場では警備隊の約半数が65歳以上の高齢警備員さんと云う所もありましたし、聞いた話ではある施設警備の現場では全員、年金を貰っている年齢の人しかいない、と云う所もあるそうです。
それほど多くの高齢警備員さんがいる中、商業施設の様なキツイ現場には、70歳も近い様な高齢警備員さんを新人としては配属していませんでした。
もともと60歳くらいの人を配属させて、長年その現場で働き続けて70歳近くなる様な方はいましたが、超高齢の方をいきなりキツイ所へ配属してしまうと長続きせず辞めてしまうので、会社側が意識して年齢に見合った現場へ行かせているようにも感じました。
警備会社側は面接に来る人が高齢者の人が多いという事を承知しており、それでも全員を年齢に合った現場を紹介できるわけではありませんが、そうでもしないとただでさえ人手が足りないのに、新任教育を終えて現場へ送り出し1週間で辞められては困りますからね。
ただし、真面目にやる気のある人に限る
そんな年齢に合った現場を斡旋するようにしていても、高齢の警備員さんの中にはあまり真面目でない方もいます。
そう、ここでもよく出て来るポンコツ高齢警備員です。
彼らは超高齢警備員になる前から警備員として勤務していましたが、その頃から警備員としての知識や経験を身に付ける事を怠り、ただ年数を重ねただけの警備員の成り損ないです。
昔は警備員として資格を取ろうとし挑戦するも落ちてしまった様で、それが恥ずかしかったのかそれ以降再度挑戦しようともせず、そのまま警備員らしい知識も身に付かず年功序列を盾に偉そうにしているのです。
警備会社もそんなポンコツ高齢警備員の事は分かっているものの、異動させようとすると退職してしまう事が分かっており、下手に動かす事が出来ない様でした。
下手に異動して突然辞められてしまっては、カバー出来る人もいないので現場側が大変な目に合うだけなので何もできないのです。
その現場ではそれなりに楽な現場でもあったのですが、年齢の割にはややきつい業務もありました。
しかし、その現場に慣れてしまっていたポンコツ高齢警備員はそれ以上楽な現場へ行かせるよりも、本人が異動したくないと言っているのでそのままにしていた、という事です。
まあ、会社ももっとまじめに働いている高齢警備員さんに楽な現場を紹介できるので、結果的にはこの状態で良かったと言えるでしょう。
警備員になってクライアントからの評価も高い真面目な高齢警備員さんは、会社側としてもこの先も働いて欲しいと思っているはずです。
そんな人に対しては、少しでも年齢に見合った現場を紹介しようと思っているはずなので、遠慮する事無く受け入れて欲しいと思います。