施設警備員の高齢化問題

施設警備員に限った事ではありませんが、警備業界は平均年齢が高い業種ですよね。もともと若手がなりたがらない職種である事と雇用形態がアルバイトみたいなもの、そして仕事の内容もそれほど高度なもを求めていないので高齢者でも気軽に始められます。しかしクライアント側が求める人材は体力があって緊急時に機敏に動けて、犯罪者に対してまともに対峙出来る人です。

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施設警備の現場の実情

先日警備室のメンバーを見て以前にも感じた事ですが、高齢者の警備員が多い事です。

警備業界でも60歳以上の高齢者の占める割合が45%という半分近くは年金受給者という事になります。

警備員と言っても施設警備以外にもたくさんあるので、どこの部門が多いのかという事はまた別の機会にするとして

とにかくお年寄りばかりの業種・・ということです。

高齢者が多い職業は清掃業界なども多いと思いますが、警備業界は仕事を始める前の制約がある分入り口は狭いかも言しれませんね。

しかし周りを見ていて、警備業の方が仕事の内容から体の負担が少なそうな気がするので最終的にはどちらに人気があるのか分かりません。

その警備員ですが、先日上番と下番の入れ替わりで警備室内が隊員でごった返していた時、見ていてふと気づいた事が

ここは老人ホームかと・・

警備業界の資料だと60歳以上の警備員の割合は45%ですが、ウチの現場は6割を占めています。

日によっては全員年金受給者が警備室にいる事も有ります。

施設警備員とはその物件の防火防犯の為に仕事を受けています。

年齢だけで人の評価が決まるわけで無いのは承知していますが、歳を重ねるにつれて体力の衰え、判断力の低下など本人の意思とは関係なく若かった時と比べて劣る面が増えてきます。

警備員に求める条件

若い時は体力もあり、瞬時に求められるような判断も直ぐに出来た事が60歳を越えてくると以前より劣ってきます。

これは誰にでもやって来る事なので仕方のない事で非難するつもりもありません。

年をとって衰えが来るというのは、若い時代に一生懸命頑張って来たあかし・・とむしろ胸を張って良い事だと私は思います。

そんな尊敬するべき高齢者ですが、警備業界でも役に立って行けるか・・といわれれば疑問に思う所もあります。

警備業は防火防犯を依頼者から仕事を請け負う業界です。

その防火防犯において、クライアントがどんな人材を欲していてどんな事情で警備員という人材を求め条件を付けているのでしょうか。

・高齢化問題も考慮して働ける場所を提供するため高齢者でも問題ない

・緊急事態において特化した知識で機敏に反応して対応する事が出来る者

もしこの二つの条件があったら、クライアント側はどちらの人材を求めようとすると思うでしょうか。

まあ、この二つを兼ね備えた高齢者であるなら全く問題ないと思いますが、少なくとも警備員を雇う理由に社会的問題になっている高齢者の働き口を斡旋するようなつもりで警備員を雇う企業はまずないでしょう。

警備員を雇う理由は自分の施設を守って欲しいからであって、高齢者の生活を守る為ではないですからね。

しかも歳を取るにつれて、耳が遠くなったり緊急時に早く走る事が出来なかったり、とっさの判断を迫られた時に素早く対処することが難しい・・という問題などから避けて通る事が出来ません。

そうなると企業側は警備員を雇う時、資格を持った年齢の若い警備員に自分の施設を守って欲しいと思うのではないでしょうか。

しかし現実は警備業者が募集を掛けても来る人材は定年を迎えた60歳を過ぎた人が大半で、また彼らを採用しなければ隊員を配置できず自分の会社が潰れてしまいます。

この悪循環?ともいえる仕組みが何十年と繰り返されていて、今や警備員と言えばお爺ちゃんの働く場所、という代名詞にもなりつつあります。

希望通りの人材が集まる条件

高齢者が悪いわけではありません。

年金だけでは生きて行けず、定年後では警備業界しか雇って貰えず、また体力的にも警備業でなら務まるので仕方なく選択しているかもしれません。

しかしそれだけの理由では高齢者ばかり集まる理由にはなりませんよね。

若い世代の人間がやりたがらない理由それは

賃金が明らかに低いからです。

若い世代は賃金の良い職種を選んで職を移る事が出来ます。

企業も若い世代なら、という事で高い賃金を出して少しでも人員確保に精を出していますが、警備業界はそこまで賃金が上がっていないと思います。

高齢者は選ぶほど働き口がなく、そこしかないので集まる事はありますが若い世代は無理に警備業でなくても賃金の高い企業へ行けばよいので警備業にはなかなか集まりません。

警備業界もクライアント側の希望するような若い世代の働き手が欲しいなら、若い世代が納得するような賃金を提示すれば選ぶほどの人材に恵まれると思います。

会社の利益ばかり追求して、結果人材に苦労させられるよりも若者も納得できる給料を払って「警備なら儲かる」という認識を与えれば募集も苦労する事ないのに・・と思うのですがね。

業界の賃金を見ていると今の1.5倍から2倍ほど出さないと、警備業以外の業界に若い人材はこのまま取られ続けるのではないでしょうか・・。

 

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