施設警備員でも資格検定を受けた事のある人なら必ず知っている事です。夜間巡回時に部屋の扉を開ける際、中の気配を確認しゆっくり開ける、という事を。しかし現場で働く資格取得者の中には、気配を確認するまでもなく普通に開け閉めしていると聞きます。毎日同じ巡回を繰り返すうちに「今夜もいつもと何も変わらないだろう」という油断から間違った行動をしてしまうのです。
検定試験では失格になる行為
施設警備の現場で、資格を持った先輩警備員からの指導や、現任研修時に講師から
「夜間の巡回時に部屋の扉を開ける時、中に人の気配が無いか確認してから開ける様に」
という指導を受ける機会は少ないのではないでしょうか。
私も実際に施設警備の検定講習を受けるまでは、何となく「静かに開けた方が良いよな」と個人的に思っていた事が、はっきりと講習時に教えられて理解しました。
巡回時に各部屋を周る時の注意点、というものは現場で一から教えられる事はありません。
よほどその現場で資格を取得した隊員さんが、講習時の内容を現場での業務に落とし込んで指導しようとしない限り、現場全員に広まる事はありません。
しかし、講習を受講した時にこの「夜間巡回時の部屋の入り方」は試験問題として出題されるので、講習時に必ず覚える必要があります。
にもかかわらず、現場へ戻るといつの間にか日々の夜間巡回では、部屋へ入る時の確認が疎かになる隊員さんがいるのはなぜでしょうか。
毎日同じ事の繰り返しから生まれた油断
施設警備員は、一度配属されたら数年単位で同じ施設での勤務になります。
長い隊員さんだとそれこそ、10年以上同じ現場で仕事をしています。
下手をするとそこの隊長よりも長かったりします。
それほど長い間、同じ場所で仕事をしていると、悪い意味で現場に慣れてしまいます。
この様に同じ職場での勤務が長いと、施設内の事に詳しくなりすぎてしまい
「この先の部屋はずっと使っていない部屋だから見なくても大丈夫」
だとか
「この部屋はいつも異常が無いから気配を確認する必要は無し」
などと勝手に判断して、警備員としてやるべき確認をせずに巡回をしてしまうのです。
毎日同じ事の繰り返しをすればするほど、仕事がいい加減になってしまう悪い例です。
これは多くの施設警備の現場で当てはまる事なのではないでしょうか。
部屋が100室ある現場でも丁寧に扱いたい
毎日の巡回でも、初心を忘れない様な業務をしたいのですが、日々時間に追われる様に仕事をしていると、つい手を抜く所を探してしまいます。
しかし、部屋の扉を開ける時に中の確認もせずに開けた際、不審者がいたらどうなるでしょうか。
いつもは居ない不審者でも、いつかその扉を開けた瞬間に居ないとも限りません。
不審者と対峙した時、襲われて最悪ケガを負う可能性もあります。
部屋に入る前に、確認さえしておけば・・。
事が起きてからでは手遅れです。
警備員は滅多に不審者と遭遇する事は無いと思われますが、遭遇した時に事故に巻き込まれる確率は高くなります。
そうならない様に、面倒でも部屋に入る前は人の気配が無いか、という確認をするべきだと思います。
施設によっては部屋の数が膨大な物件もあると思いますが、そんな現場であっても一つずつ丁寧に確認していきたいですね。