施設警備員が夜間巡回をした時、火気点検や戸締りなどの不備を見つけ、その処置をした時、翌日にクライアントへ不備があった事の報告をするのは当然の事です。しかし、現場によってはこの報告を義務付けられていない所もあり、警備員の夜間の動きをクライアントが把握していない所もあるのです。
施設警備員の夜間巡回
施設警備員は夜間に巡回をする現場が多いです。
夜間巡回若しくは細密巡回と呼ばれ、誰も居なくなった施設内を一人で見回り、戸締りや火の後始末が不備なく出来ているか確認する業務です。
今までどこの施設警備の現場でも、この夜間巡回というものがあり、現場によっては一晩で5回近くも同じルートを交代で見回る所もあります。
そんな夜間巡回ですが、警備員が施設内を一回りもすると、1か所くらいは不備を見つける事になります。
戸締りがしていない窓や、厨房内のいくつかあるガスの元栓のうちの一つなど、不備の無い日もありますが、規模の大きな施設になるほどどこかしら不備があるものです。
そんな時、不備を見つけた警備員はその不備を処置し記録しておきます。
窓が開いていれば戸締りをし、ガスの元栓が開いていれば閉めます。
この作業は巡回が終わった時に書類としてまとめ、翌朝にクライアントへ警備報告書とともに提出するのです。
不備の処置をしたらクライアントへ
クライアントへ不備のあった箇所の報告をするのは、警備員が巡回時にその個所を警備員が操作したという報告と、そのエリアの担当者への警告でもあります。
戸締りをしっかりしなかった事で、警備員が発見する前にもしかしたら侵入者が施設内に入り込み犯罪行為を行うかもしれません。
それを防ぐ為にも、今後戸締りに意識を向けてもらうという意味もあります。
また、警備員が巡回時にその室内の物(ここでいう窓の施錠)に触れたという報告も含まれています。
巡回時は基本的に無暗にものに触れない事になっているのに、誰も居ない夜間に警備員が物品に触れた事でクレームが入る事もあります。
場合によっては触れた事で、何か物を壊してしまったなんて事もあり得ます。
その為に、不備の処置をした事をクライアントへ報告する事で
「業務として物に触りましたよ」という予防線を張った事になるのです。
まあ、それでも不備があった事でクライアント側が、戸締りや火気の後始末に気を付けてもらう事が一番の理由でもあるのですがね。
警備員の業務報告の必要なし
そんなクライアントへの報告ですが、現場によっては夜間に警備員が行った処置の報告を一切しない所もあるのです。
その現場では、警備員が夜間に巡回をし先程と同じ様に、戸締りや火気点検を行うのですが、発生頻度も不備もほとんどないのですが、稀に発生する事があります。
しかし、その不備の処置を警備員がしても翌日の報告の時に、不備の報告が義務付けられていないのです。
別に報告してはいけない、とはなっていないのでクライアントへ伝えても良いのですが、報告しても
「ああそうですか、ありがとうございます」
と特に重大な事であったとは思っていない反応です。
警備員が処置をするのは当然で、報告を受けても「それをするのは当たり前な事」とでも思っている様な印象です。
確かに、夜間巡回で警備員が見回る時に、不備のあった箇所を処置するのは当たり前かもしれませんが、クライアント側が気を付けるよう意識を持ってもらわないと、また同じ事を繰り返してしまうかもしれません。
従業員が帰宅する時に戸締りしなくても夜間に警備員が戸締りしてくれるからそのままでもいいや
という理解ではいけないのです。
あくまで警備員の夜間巡回は、従業員がうっかり忘れてしまった不備をフォローする仕事です。
その現場を経験して、如何に警備員が不備の報告をする事で、クライアント側に危機感を持ってもらう必要があるのだ、という事を思い知らされました。