施設警備員は自火報盤やそれに付随するローカルシステムの監視盤の操作を身に着ける事があります。これは現場によって覚えない所もありますが、操作の経験があるか無いかで、同じ施設警備員でも雲泥の差が出ます。
資格持ちでも監視盤の操作経験がない
ウチの現場には、施設警備員の警備業務検定の資格を持っているのにもかかわらず監視盤の操作を経験した事のない人がいます。
そもそも警備業務検定の試験を受けた時に、仮想の監視盤の操作がありますが、そこで初めて監視盤というものを触ったようです。
警備業検定を受ける前に施設の現場で勤務していれば、本物の自火報などの監視盤があるので、訓練や指導で操作方法を学ぶ機会はあります。
しかし、現場によっては警備員が監視盤の操作をせずに日常の業務が進んでいる所もあり、実際私が前にいた現場では警備室に自火報盤はありませんでした。
その為、その現場が初めての施設警備としての仕事だと、自火報盤などの監視盤は知らないまま警備員として過ごすのです。
そして、いざ警備業務検定を受ける時になって監視盤操作というものを学びます。
まあ、自火報盤の操作もそれほど難しいものではないので、検定受講時にボタン操作や館内放送用マイクの使い方さえ間違わずに出来れば合格できます。
その結果、本物の自火報盤を触らずして資格所持者が誕生するのです。
そして、不幸にも自火報盤のある現場で、なおかつ警備員が操作しなければならない状況になって
「どうやって操作するのですか?」
という事態になるのです。
これを理解していない警備員からすると
「え、資格も持っているのに今まで何をしてきたんだ!」
と驚かれてしまうのです。
そもそも警備業務検定の取得条件がないので、入社して間もない様な人でも受けられます。
そしてその後、監視盤操作もろくにない現場で1年時間が過ぎれば、今度は1級の受講が出来ます。
これはある意味、本人にとっても大変ですが、現場で一緒に働く警備員にとっても困りますね。
夜中は設備担当の人がいない
どこの施設でも同じとは限りませんが、大抵設備担当の人は夕方になると帰宅してしまいます。
中には24時間常駐の現場もありますがそれは稀な事だと思います。
設備担当の人が帰宅してしまうという事は、それ以降の夜中の間は警備員が監視盤操作できないといけません。
余程警備員まで帰宅してしまう様な事は無いと思いますので、残った人間が、要するに警備員が非常時に対応する事になります。
そんな時に、本物の監視盤を一度も触った事のない警備員が夜間の勤務に入り、万が一発報でもしたらどうなるのでしょうか。
相勤者で監視盤操作できる人がいればよいですが、施設の1級の資格を持っているような人間が監視盤操作できないと、その相勤者は恐らく彼よりも経験不足な可能性が高いので。誰一人操作できません。
翌朝、クライアントに大目玉を食らいそうですね。
夜中に設備さんが居ない現場では、警備員が監視盤操作できる、というのは大前提な事だと思います。
配属先次第なので本人の責任ではないが
1級の資格まで持っていて監視盤操作が出来ない、というのはなにも本人の責任だけではありません。
会社が資格を取らせ、会社がその現場へ配属をしているのです。
どれだけ個人がどこまでの仕事が出来るか把握しているか、会社は知っておかなければなりません。
少なくともうちの現場では資格まで持っていて、その各人がどんな作業までできるか会社は把握していないと断言できます。
私自身、現場で一緒に仕事に入って何か壁にぶち当たった時、初めて
「ああ、彼は〇〇の業務出来ないんだ・・」
と理解しました。
一見、警備業務検定の資格を所持していると、何でもできるかのような印象を受けますが、実際は意外とできない事が多いです。
どれだけその警備員が様々な現場で、吸収し学んでいるかで差が出るのです。
資格よりも現場でのたくさんの経験を積んでいる警備員の方が、頼りになる事もあるのです。