警備員はクライアントに信頼されているから委託しているのです。信用できない人に自分の職場の管理を任せようとは思いません。しかし、悲しいかな警備隊の中にはクライアントからあまり信用されていない人も居たりします。そうなると他のマジメな警備員さんたちも信用が落ちる事もあるのです。
毎日疑いの目で見られる恐怖
ある警備員が現場で問題を起こし、クライアントの信用を落としました。
今でもその警備員は現場で働いていますが、他の警備員さんたちは非常に働きづらくなります。
その本人も毎日クライアントから信用されない目で見られますし、他の隊員さんもみな同じ目で見られてしまいます。
クライアントから見たら、警備員なんて皆同じ見えるわけですから、誰か一人が何かミスをすると
「どうせ皆同じような事をしているんでしょ」
と疑いの目で見られてしまいます。
たった一人の間違った行動のせいで、全体がそうみられるのはとても心外ですし、他の警備員さんたちからすれば「なんて事をしてくれたんだ」と怒る人も居ます。
そして以外にその張本人はそこまで気にしていなかったりして、なおみんなの怒りを買う事になるのです。
一人のやらかしで全体に迷惑がかかる
警備隊というのは、一蓮托生です。
要するに、誰かが大きなミスをしでかすと現場での勤務が無くなるかもしれない、という事もあり得るのです。
刑事事件になる様な大きな事でなくても、明らかにクライアントの信用を失う様な事をし、クライアント側の判断によっては、契約更新がまだまだ先であったにもかかわらず
「〇〇警備会社さん、来月までで契約を終了します」
なんて言われる事もあります。
契約を解除するなんて余程の事が無い限りありませんが、警備業務の中でそういったよほどの問題は、意外と身近な業務の中で存在するのです。
自分の勤務していた現場でありませんでしたが、巡回キーの紛失や事務所内の金庫のお金に手を出したなどで、警備会社が契約解除された話は聞いた事があります。
一人の間違った行動で、その一人がクビになるだけでなく、そこで勤務していた警備員全員が働く場所が無くなるのです。
警備会社内の異動で働く場所があれば良いですが、10人も居るような現場で仕事がなくなった場合、そう簡単に受け入れられる所は無いでしょう。
ましてや通勤に今までの何倍も遠い現場だった時、そう簡単に次の職場へなんて言えませんよね。
信頼を挽回するのは無関係な警備員
それでも、問題を起こした警備員一人が現場から外される事もあります。
実はこのパターン、私の周りでもそういった警備員さんを見てきました。
現場で問題を起こし、クライアントがその警備員を外すよう警備会社へ連絡するのです。
このパターンは警備員になってから今まで、何人も見てきました。
警備員さんのミスは結構あります。
しかし、そのミスがクライアントにとって見逃せない場合、もしくはよく失敗する警備員が再度失敗した場合「もうあの人はダメだ」とクライアントが判断して警備会社へ連絡します。
警備会社側はクライアントのそういった連絡に対して拒否は出来ません。
仕事上、クライアントに迷惑を掛けているので悪いのはこちら側なのですから。
しかし、やらかした警備員がその現場からいなくなって良かった良かった、とはなりません。
警備会社としては信用を失っている状態なので、それを挽回しなければならないのです。
そしてその役目は、その現場に残っている関係の無い警備員さんたちなのです。
まあ、残った人たちにとってはこれほど迷惑な事は無いですよね。
自分たちは何もしていないのに、出て行った警備員が落とした信頼を取り戻さないといけないのですから。
それでも元々何も問題を起こしていない警備員さんたちなので、初めからある程度の信頼もありますし、それ以降も今と変わらない仕事をしていればすぐに回復は出来ます。
過去に、問題を起こした警備員が出禁になり、それを挽回する必要になった事もありましたが、残った警備員さんたちはクライアントからの評価も良かったので、直ぐに挽回できました。
クライアントに迷惑を掛ける、クライアントを怒らせるような事をする。
普段からまじめに仕事をしていればそんな事は起こりません。