高齢警備員と若い世代の警備員は違います

最近、高齢者の警備員と4,50歳代の比較的若い方の警備員の方たちと話をして来て改めて分かった事があります。それは彼らは同じ職場で同じ勤務をしているが、仕事に対する考え方が全く違う、という事です。よく言われる世代間の価値観の違いではなく、自分の生活に対しての仕事のあり方について、の考え方です。

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年金受給者の警備員の気持ちは分からない

私は現在40歳代です。

ここの現場では若い年代の方になります。

ここの現場の平均年齢は60歳を超えています。

そのうち、年金を貰いながら仕事をしている人は半分以上です。

年金を受け取りながらする仕事は、どんな状態なのでしょうか。

私はまだその年齢に達していないので、年金を貰いながら仕事をする気持ちがわかりません。

その為、それを知ろうとするには本人達に聞くしかないのです。

 

以前その人たちに仕事に対する価値観を、遠回しにそれとなく聞いた事がありました。

その人曰く

 

・年金は一定額以上の収入があると、受給額が下がる

・警備員としての仕事は年金の受取額が減らない程度にしたい

・第二の人生として警備員の仕事はのんびりやっていきたい

 

これは、ここの現場にいる年金を受け取っている人全員の意見ではありません。

しかし、彼らが毎月仕事に入っている日数を見ると、全員似たような思いで仕事をしている様に感じます。

そして自分を含めた、若い世代の隊員に聞いた話は、年金を受給している人たちとは真逆な意見だったのです。

年のせいなのか仕事に対する積極性のなさ

一番驚いたのが、仕事をのんびりやっていきたい・・という意見です。

私はまだ年金を貰っていない世代の人間として仕事をしています。

仕事とは一生懸命自分の責務を果たし、結果を出すものだと思っていました。

しかし、年金を貰っている隊員さん達の気持ちは「のんびり」なのです。

いままで、仕事に対する積極性や責任感、ルールなどに関して、高齢者の警備員さんたちに対して何かもやもやする思いがあったのですが、分かった気がしました。

 

彼らには仕事に対する熱意がないのです。

 

不真面目とは違います。

ちゃんと決められた事は時間通りにやりますし、仕事に穴を空ける様な事は無く、その点ではむしろ若い世代の隊員よりしっかりしています。

にもかかわらず、何が気になっていたのかというと「やる気」だったのです。

職場の業務をもっと良くしようという、行動や発言はありません。

また、今までとは違う業務などに対応(変化)するのを嫌ったり、年齢のせいもあるのか、特に新しい事に順応するのが苦手です。

そういったことから、第二の人生としてゆっくり仕事をし、お小遣い程度の稼ぎがあればよい・・という思いから積極性のない仕事ぶりになってしまう様です。

世の中の高齢者は皆そんな感じなのかもしれません。

70歳近くになっても、20歳代の頃の様なポジティブな人もいるかもしれませんが、そんな人はごく少数なのでしょう。

 

こんな思いで仕事をしていたら、やる気のある若い世代の警備員とひと悶着あるのでは・・と思うでしょうがその通り、実際に過去にひと悶着あったのです。

これらのせいで軋轢も生まれる職場内

以前、私がまだこの現場に来た当初は、若い世代の警備員と、65歳を超えた高齢警備員との間に険悪な雰囲気がありました。

今思えば、原因は先に述べたような仕事に対する価値観の違いを、お互いが理解できず、双方の話を聞くと両者が「あいつはダメだ」という気持であったのです。

当時は私はどちらにも付かずにいて、お互いの本音を聞く事が出来たのでそれぞれが思っている事を聞けました。

ああ、こうして世代間の問題が生まれるんだな・・と小さな社会を見た気がしました。

 

今でも、警備員同士での年齢の差はあります。

そして、当時ほどではありませんが今でも世代間の愚痴を今度は隊長の立場として聞く事があります。

仕事のやる気の面で聞く愚痴に関しては、若干高齢者に分が悪い気がしています。

しかし、彼らはもう年を取り過ぎていて、若い警備員と同じような事が出来ないのです。

 

それが仕事をおろそかにしても良い、という言い訳にはなりませんが、お互いがもう少し理解しあえる状態になれば年齢が違ってもよい職場になると思うのですが。

全ての年配警備員がやる気がないわけではありませんし、全ての若い世代の警備員が愚痴っているわけでもありませんが・・。

 

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