その警備員はなぜクビになったのか理解していない

警備員はサービス業である、という事をここでは当たり前のように話していますが、私の周りの隊員さん達もそれを理解して勤務している人も多いです。警備員がその事を承知して勤務しているという事は、相手に感謝されるか、もしくはクビになるかという大きな違いでもあるのです。

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真面目に仕事をしてるつもりでもクビ

ある警備員が問題を起こしてクビになりました。

厳密には違う現場へ行かされたので、会社としては現在も所属しており所謂

 

現場を異動した

 

というものです。

これは警備業を経験されている方はよくご存じだと思いますが、どこにでもあるごく普通の事です。

ある現場で問題を起こしてしまった警備員が、それ以上その現場で働く事が出来ないのです。

まあ、宣告をするのはクライアント側ですが、警備会社の社員をクビにする権限は無いので、異動という処置で警備会社側がクライアント側にお伺いを立てるのです。

 

この異動をするという事は、今後この警備員はその現場で働く事が出来ません。この異動という仕組みについてはまたの機会にお話しするとして、なぜ今回この騒動になったのかという事です。

 

そもそもクライアント側がそう決断した事に付いて、当事者の警備員は自分は正しい事をしたのになぜ、という状態だそうです。

しかし、周りの隊員さん達は誰もみな

 

「異動になって当然、逆にそれに気づかない方が驚き」

 

というものでした。

本人は警備員として正しい行動をしたつもりだったようですが、実はそこには大きな勘違いが。

 

彼には警備業が接客業だという事に気づいていない様なのです。

接客業の経験の無い警備員は不幸

警備業は接客業である。

もしくはサービス業である、というのは警備員の仕事をしている人にとっては分かる話だと思います。

この時点で、なぜ警備業が接客業なのか分からない人は、隊長か営業所の偉い人に聞けば答えてくれると思いますのでご確認を。

 

その警備員ですが、自分のしている仕事が接客業であるという事をよく理解していなかったようで、普段からの態度がまるで、新人研修の時に見たビデオに出てくる

 

「偉そうな態度を取っている悪い見本の警備員」

 

の様な残念な警備員だったのです。

出入管理の仕事をするにも、受付から入館証を出す一連の所作に丁寧な言動や言葉遣いが無いのです。

まあ、初めから悪い態度で対応しようという気持ちは無いと思いますので、恐らく接客業らしい態度や言動、というものが身に付いていないのでしょう。

 

本人に聞いていないので分かりませんが、きっと今までの人生経験で接客業の仕事をした事が無いのでしょう。

よく新人の警備員で定年退職後の高齢警備員が、受付の対応で自分より若いお客様や、女性などに横柄な態度を取るのと同じで、こういった人達は、対等ではあるがこちらがより丁寧な物腰で接する技術が身に付いていないのだと思います。

 

この警備員もそういった表現が出来ず、相手を怒らせてしまったにもかかわらず

 

「自分の対応は間違っていない」

 

という発言をしていたのでしょう。

自分に足りない部分があり、それが出来なかった為にこういった結果に至った事に気づいていないのです。

自分の発言や態度がどの様に受け取られるのか

確かにやった事は間違っていなかったかもしれません。

確かに彼は警備員として正しい対応したかもしれませんが、クライアントからその時の言葉遣いや態度を聞く限り、とても警備員がサービス業としてお客様に満足のいく言葉遣いであったか、もしくは低姿勢な態度であったかというと、彼の取った行動は全くなっていませんでした。

 

相手の気持ちを考えた言葉遣いはとれず、その後の態度も偉そうな応対

もしその場に私がいたら、その警備員を叱り付けていた事でしょう。

 

それほど警備員としてあるまじき態度であったのです。

それでよくもまあ「自分の行動は間違っていない」なんて言えたものだと思いました。

それだけ、自分の取った行動が間違っていると気づいていないのです

 

今までよく問題が起こらなかったものだと思いました。

いや、もしかしたら今までそういった態度が積もりに積もってとうとう爆発しただけかもしれません。

以前からクライアントの方には、我々警備員の事で何か気付いて事があったらどんな事でもすぐにお知らせください。と伝えてあります。

 

仕事上、各隊員の業務を毎日観察しているものではありません。

もし、一人の警備員がやらかしてもそのやらかしを目の当たりにするのはクライアント側です。

日頃から小さな事でもそういった報告をいただければ、大問題に発展する前に警備会社側で指導する事が出来ます。

そういった意味でもクライアント側には「お知らせください」と話しているのですが、どうやら今回は間に合わなかったようです。

 

まあ、こうなってしまってはもうその警備員は出て行くしかありません。

今後どうなるかは顔を合わす事が無いので知りようもありません。

彼がその後心を入れ替えて、接客業を学びなおし警備員の仕事に反映でき、またあの時は自分が間違っていたと気づき反省してくれれば、と思います。

 

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