世の中ではドローンやAI化されたビジネスなどが依然と比べて増えてきました。警備業界でも少しづつではありますが、その波が押し寄せてきているの感じます。しかし、現場で働いていて実感するのは「警備業界にはまだAI化は来ない」とはっきりと感じています。ドローンは近い将来活躍の場をよく目にする事になると思いますが、全国すべての施設内でAI化させるのは当分先の話でしょう。
ドローンで商売が成り立っている業界がまだない
今、自分の身の回りでドローンが商用活用されているのをどれだけ目にする事があるでしょうか。
宅配関係など「ドローンで」という話題を目にした事がありますが、日本の電線事情を考えるととても空を飛ばせて各家庭に荷物を届けるのは、とても危なっかしくて無理でしょう。
だからと云って車両をAI化させて自動運転させるにも、未だに多くの路上では人間がハンドルを握って車を運転しています。
ドローンそのものの技術は向上しているのかもしれませんが、私たちの周りの環境が昔のままなので、なかなか浸透していないのが現状です。
世の中がそんな状態なので、警備業界でも同じようにドローンを使用しての警備業務はまだまだごく限られた場面でしか活躍していないのです。
1~2年前に施設内を小型のドローンが巡回をするニュースを見ましたが、あれは開かれた施設内でしかドローンを飛ばせません。
多くの施設警備員が勤務する現場では、扉をいくつも越えなければ先の部屋へ進めなかったり、隣の建物へ移動しながら巡回する現場もあるでしょう。
扉を開閉したりと複雑な機能を付けなければ、移動すらできないドローンでは、施設警備の現場でドローンでの管理にガラッと切り替わる事は不可能でしょう。
しかも、その設備投資するのはクライアント側です。
今のご時世、設備投資へお金を掛けようとしない企業ばかりな状態でどうやってこのドローンのシステムを導入できるのでしょうか。
AIロボットでは不審者を防ぎきれない
同じ様に、施設警備の受付をAIロボットにさせているニュースもありましたね。
受付場にAIロボットが置いてあり、その奥には人間が対応している、という全くAIロボットとは程遠いものだと思いました。
そもそも出入管理での対応は、非常に多くのパターンが存在します。
AIロボットでもそれなりに対応が出来る様になって来ているのかもしれませんが、何かあった時にはやはり人間の力が必要です。
しかし、そんな事をするのであれば「AIロボット」の意味がありません。
「それなら初めから人間を配置しているのと同じ」
だからです。
施設の現場の数だけ対応の仕方があります。
そんな色々なパターンがあるのに、今のAIの技術では対応するのは不可能でしょう。
現場によっては少しずつAI化させる事はあるかもしれませんが、警備業界全体にAI化の波が来る事は当分の間はないでしょう。
警備業界に波が来るのは世間でまず浸透してから
ではいつになったら警備業界にも、多くの現場でドローンなどを使用して施設内を巡回させたり、出入管理の受付場が警備員を配置せずに、AIロボットを使用して出入管理業務を受け持つようになるのでしょうか。
それは恐らく
「世の中の多くの暮らしの中に、ドローンやAIロボットが商用として活躍しだしたその後・・」
だと思います。
トラックなどの配送や、個人宅までの郵便物の配達など、私たちの生活に安全かつ正確に運用されるようになってやっと警備業界にもドローンやAIロボットなどが活躍しだすのではないかと思います。
警備業界は安全と安心のサービスを提供している業種です。
その業界が、不安定なサービスを提供して委託側が納得するわけがありません。
「ドローンがまともに機能しなくて不審者を見逃した」
「出入管理のAIロボットが不審者が侵入しても何も出来なかった」
となってはいけないのです。
確かにいつかはドローンが店内を巡回したり、出入管理の受付をAIロボットが行う日が来るかもしれません。
しかし、そんな日はまだ当分先だと思います。
私の個人的な勝手な推測ですが
「まだ10年は警備員と云う人間の力が必要だと思っています」
将来的には、今よりも警備員の数が半分でも運用できる日が来るかもしれませんが、まあすぐにはやってこないでしょう。
これを「あと10年しかない」と捉えるか「まだ10年もある」と捉えるかは自分の年齢と比較して考えてみると良いでしょう。
それでもこの10年という数字も、勝手に言っているだけで確実なものではありませんからね。