以前小さな警備室で勤務している時、自分が仮眠中で横になっている隣の部屋から物音が聞こえてきました。壁の作りも薄く小さな警備室で、隣の話し声が聞こえるほどだったのですが、その隣の部屋は出入管理の部屋で聞こえてきたのはイビキだったのです。
ウサギ小屋のような警備室
以前勤務していた警備室は、オンボロ小屋で小さな警備室でした。
築4~50年は経っていそうなその警備室は隣の壁も薄く、仮眠をしていても隣の部屋の話し声が聞こえて、余りよろしくない環境でした。
部屋にエアコンは設置されて入るものの、故障や水漏れをしていても修繕される事は無く、夏は暑く冬は寒い警備室でした。
トイレもシャワー室も辛うじて完備していますが、衛生面という言葉からは程遠い設備でした。
それでも商業施設で勤務していた時から考えると、警備員だけの独立した空間や、汗を洗い流す設備があるというのは、それだけでも現場環境は改善しているといえます。
しかし、数か月も勤務していると警備室の壁が薄いという事が、仮眠する上でとても都合が悪く、隣で隊員同士のする会話が丸聞こえで目が覚めてしまう日もあったのです。
仮眠する者と受付業務をする者
24時間の勤務をしていると、仮眠をする時間が割り当てられています。
24時間の間じゅう警備員が起きて施設を管理していなければならないので、交代で仮眠を取って誰か一人が起き続けているようにしているのです。
この仕組みは、どこの24時間体制の警備現場でも同じだと思います。
全員が24時間起きている訳ではなく、仮眠時間を設けて体に無理なく交代で施設を管理するのです。
この交代で仮眠を取る時、誰か1人もしくは2人が起きている時間があります。
一人で起きている時は余程独り言を言う人でもない限り静かなものです。
しかし、警備室内に2人いる時は意外と会話をする事が多くなります。
仲の悪い警備員同士なら静かに過ごせるでしょうが、当時の現場はそこそこうるさかったのを覚えています。
多少仲が悪くても、業務に関する会話はするので眠りの浅い人にとっては気が付いてしまうくらい壁は薄かったです。
更に極めつけは扉の建付けが悪く、閉める時に気を使わないと「ドンッ」と大きな音が出てしまうのです。
あれは眠りの浅い人でなくても気になっている様でした。
古くウサギ小屋のような小さな警備室は、音に関するプライバシーは無いに等しいものでした。
起きているはずの警備員がイビキ
ある日、仮眠室で寝ているとふとある音で目が覚めました。
私は比較的眠りの浅い方で、ウサギ小屋のような警備室では、様々な音でちょくちょく起こされていました。
その日も、仮眠に入って1~2時間くらい経った頃に不思議な物音で目が覚めたのです。
定期的なゴーっという音で気が付いて目が覚めたのですが、その音は隣の部屋から音がします。
その隣の部屋というのは、出入管理の受付をしている部屋で、警備員が夜通し起きて受付をしている場所なのです。
その受付を24時間する為に、交代で我々が詰めているのですが、その隣の部屋では起きている警備員が居るはずなのです。
その起きているはずの警備員がいる部屋からゴーっという音が断続的にするのですが、よくよく聞いていると
それはイビキの音だったのです。
要するに、起きていなければいけない警備員が居眠りをして高いびきをかいているのです。
つい、うたた寝をしてしまうのならまだ許せたとしても、隣の部屋に聞こえるまで大きなイビキをかいてぐっすり寝込んでしまうのはいけません。
もともと、出入管理の受付場で居眠りをしがちな隊員でしたが、ここまですごいイビキを掻くとは思いませんでした。
直ぐに隣の部屋まで行って起こした記憶があります。
彼とは同じ日に勤務に入る事もありましたが、仮眠室まで聞こえてくるようなイビキをかいたのは数回ほどだったと思います。
あれではもし夜中に訪問者が来ても、豪快に寝ている所を披露する事になるでしょう。
辛うじて夜中に訪問者が来る事は殆どありませんが、残留している関係者が受付をする事なく通り過ぎる事があるので、内部の人には見つかった事があるかもしれません。
しかし、夜中に警備員が居眠りをしていた、というクレームが入った事は無かったので、奇跡的にまだ見つかっていないか、優しい人が見逃してくれたのかもしれません。
仮眠室に寝ている人が起こされてしまうほどのイビキを掻くのは迷惑な話ですが、それ以上に業務中に居眠りをしていた事でクレームが入るのは迷惑では済みません。
毎回業務中に眠くなってしまうのならば、そうならない様に生活を調整する必要があります。
居眠りのクレームはどこの現場でも在りうる事ですが、大抵そいう人は睡眠の調整をせずに仕事に臨んでいる場合が多いです。
業務中に寝そうになるのであれば、待機時間に少し寝るという手も有効です。