施設警備員は24時間の勤務が多く、職場の施設が閉館し誰も居なくなっても警備員だけは残留する場合が多いです。そんな閉館時間を迎えた時、それまで快適に効いていた空調は切られ、次の日の朝まで夏は暑くて冬は寒い、という過酷な環境下での仕事が始まるのです。
閉館後は誰も居なくなる
24時間閉館の無い現場は別にして、大抵の施設では閉館時間というものがあります。
その時間になるとそれまで勤務していた従業員や関係者、現場によっては設備担当の業者ですら退館してしまいます。
閉館する時間はその現場によってまちまちですが、翌日の朝までその施設内には警備員しか残らない所が殆どです。
私が今まで経験してきた施設の現場では、全て時間になれば関係者は帰宅してしまい、広い施設に警備員数名しか残りません。
まれに残留している従業員がいたりしますが、そこの施設を管理する責任は全て残留した警備員に託されるのです。
夜中の時間帯の管理を警備員に任されたと言って、それほど大きな責任があるわけではありません。
何か問題が発生したら、マニュアルに沿ってクライアントへ連絡するようになってますし、状況によっては警察や消防へ通報すればよいのです。
警備員に責任があるから夜は大変、というよりももっと大きな問題、それは
夜中の施設内は空調が切れている
これに尽きます。
誰もいないなら空調を切るのは当然
夜閉館した施設で空調を切るのは、どこの施設でも当たり前な事です。
24時間営業の施設は別にして、ショッピングセンターの様なお客様がいない時間帯では空調を入れる理由がありません。
商業施設などの従業員専用の後方通路でさえ、営業時間中であっても空調は入っていない程ですからね。
従業員が働いている時間でさえ、関係者の通路には空調を入れないのですから、閉館後の従業員は皆帰ったが、警備員だけ残っている状態で空調なんていれるはずがありません。
夜中の時間は誰もいないのですから、無人の施設内に空調を入れ続ける必要は無いのです。そうです
警備員は無人扱いされています。
まあ、これは仕方のない事と云えばそうなのですがね。
大きな施設内にたった一人だけの警備員の為に、空調をガンガン入れる必要は無いでしょう。
いくら冬の寒い時期に汗だくになろうが関係ありません。
夏の暑い時期でも当然の様に空調は切れるのです。
暑くて寒い中仕事をしている警備員
警備員の募集をみて
「建物内の仕事なので夏は涼しくて冬は暖かいです」
と記載されている事の多い施設警備員ですが、確かに営業時間中は夏は涼しくて冬は暖かいです。
お客様の居る店内を巡回している時は、お客様のおかげで快適な空間を歩く事が出来ます。
しかし、ひとたび後方通路へ行けば空調の効いていない廊下や、地下の廊下のような空調の効いていない場所で長時間立哨し、とどめは真夜中の時間に空調の効いていない店内をこれも長時間汗だくになりながらひたすら歩き続ける・・。
まあ、募集に載っている文面が嘘とは言いませんが、勤務中の大半は屋根のついていない外の勤務と変わらない、と云っても過言ではありません。
外で勤務している警備員さんからすると「ガチの外の勤務と一緒にするな」とお叱りを受けそうですが、室内が基本の施設警備も案外キツイ現場だったりするのです。
ですが、全ての施設警備がキツイというわけでもなく私が経験している様なぬるい現場もあるのです。
所謂当たり現場ですが、あたりの程度も様々です。
そんな当たり外れのある施設警備ですが、空調の切れている過酷な環境下で日々巡回をしている警備員さんは、いつか当たりの現場も経験して欲しいと思います。
こんなに楽な現場があるのか、と驚くような現場もあるからです。
大変な現場を経験しているからこそ、楽な現場のありがたみが分かる。
これは私が実際に経験した感想です。
キツイ現場を経験していない警備員は、楽な現場のありがたみが分からず、楽な現場の業務に文句を言ったりしています。
「こんな楽な現場でよく不満が言えるな」
とキツイ現場を経験した事のある隊員さんとこの発言にたいして呆れています。
大変な思いをしていればいつかその苦労をしていて良かったと思える日が来るでしょう。