今まで施設警備員として色々な夜間巡回、細密巡回をしてきましたがどこの現場も夜中に一人というある意味開放感の様な気分を感じます。巡回なのでやるべき事はあるのですが、昼間には味わえない景色を見られてとても新鮮な気持ちになりますね。
広い館内に自分一人を怖いと取るか
館内には誰も居なくなり、照明も消えてひっそりと静まり返った中を独り占めしているような気分になるのは警備員でなければ体験できません。
色々な施設を見てきましたが、中には遅い時間まで仕事をしている従業員もおり、完全に一人になる事が無い所もありましたが、全体を通して真っ暗で静かになった館内は怖がりな人でなくても気持ちが揺れる時があります。
警備員の誰もがお化けを怖がらない人ばかりではありません。
誰もいない真っ暗な館内で仕事をするのが分かっているのに、そんな怖がりな人がいるのかと思うかもしれませんが、実際に一緒に働いた隊員さんに何人も怖がりの人は居ました。
警備員は夜間の巡回をする時に懐中電灯を携帯していきます。
夜間は館内の照明が殆ど消えてしまうので、真っ暗な中を手探りで歩くのはとても危険です。
見回りの仕事をしている警備員が、ケガなどをしている場合ではないのでその為の懐中電灯なのです。
この懐中電灯1本が暗い館内をさらに怖くするような気がしないわけですが、怖がりの隊員さんは少しでも明るくなるようにと、とても照度の高い懐中電灯を購入していました。
私の様な怖がりでない人からすると
「たかが真っ暗な建物なだけなのに」
と思いますが、想像力の豊かな人には「柳も幽霊」に見えてしまうのでしょうね。
時間に追われていて意外と不自由
真っ暗な館内を自由を感じてのんびり夜間巡回できるわけではありません。
ここでも良くお話ししてきましたが、警備員は時間ごとで仕事が変わります。
しかも、警備隊として仕事をしている所は、相勤者と交代しながら決められた時間に決められた仕事があるのです。
夜間の巡回も同様、広い館内で自由を感じるのは結構ですが、巡回に充てられている時間も決まっているのです。
現場によって巡回をする時間はバラバラですが、決められた時間があるというのは気持ち的に「時間に追われる」という状態で仕事をするので、それこそ怖がっている場合ではないといえるかもしれません。
以前も商業施設の細密巡回をしていた時は、3時間も細密巡回の時間が割り当てられていました。
3時間と聞くと何でも出来そうな感じがしますが、実際はやるべき事が多く見回るだけ以外にもシャッターを下ろしたり、出入り口を閉鎖したりと慣れない間は3時間でも足りないと思うかもしれませんね。
見るべきものはしっかり見る事
夜間の巡回でやるべき事が多く大変なのはどこも同じですが、さらに共通して言える事は、見るべきものはしっかり見る事です。
夜間は従業員も帰宅し、警備員しかいません。
その警備員が夜間の巡回をするのですが、従業員が帰る時に消し忘れた照明や、閉め忘れたガスの元栓などの処理をしなければ、大きな事故につながる事もあり得るのです。
決められた時間内で時間に追われながらこの責任のある見回りをするのです。
一緒に勤務した隊員さんの中には、この責任感というものをあまり重くとらえていない人も居ました。
巡回は正直変化の無い状態が多いです。
毎日同じルートを以上の無い館内を見回っていると
「どうせ今夜も何事も無いだろう」
と、いい加減な見回りをしてしまう者も出てきます。
気持ちは分からないでもないのですが、そういう時に限ってガスの元栓が開いてたりするので手を抜いて巡回するのはやってはいけませんね。
警備員がその施設を支えている、という責任と自覚をもって夜間の巡回に臨んで欲しいものです。