先日、ある警備会社がバーチャル警備員を発売しました。ニュースで見た程度なので詳しくは知りませんし、そこの警備会社の者でもありません。2019年から話題にはなっていましたが、とうとう発売したかと内容を拝見しました。
人手不足の救世主となるか
警備業界は万年人手不足で、いつかこの様な人にとって代わるものが出てくるとは思っていました。
数年前から話には聞いていましたが、最近いよいよ発売だというニュースが出ました。
当時はまだコロナ騒ぎの前で、恐らく人手不足を解消する為に開発されていたモノでしょうが、最近出たニュースでは人対人ではなく体温を計測し対応出来るものとして紹介されていました。
もともとは人手不足を解消する為に開発されたであろうこのバーチャル警備員。
使い方は変わっても社会に登場し、使い勝手や結果が出てくれば警備業界にあっという間に広がるのでしょうか。
私が今いる現場では、出入管理の業務が大半ですがこの様な人以外の機械でも十分対応出来そうです。
そうなれば警備員の高齢化や、人手不足は解消できていくのでしょうか。
現場によっては使えない
出入管理と一言で言っても色々な現場があります。
商業ビルの関係者しか通らない出入管理や、不特定多数の人が出入りする出入管理、厳重なチェックをして通る事の出来る出入管理など様々です。
このバーチャル警備員という機械が全ての出入管理に対応できるとは考えられません。
悪い言い方をすれば
「板に画面が付いただけ」
なものです。
通路の先が関係者のみの入室しか出来ないような場所で、いくらこのバーチャル警備員に止められてもそれを避けて素通りできてしまいそうです。
カメラの向こうに人がいたとしても、確認は出来ても即その場で対応できません。
一刻を争う様な侵入者が居た場合、画面の向こうでは目の前の侵入者は止められません。
今の段階ではこのバーチャル警備員を出入管理で使おうとすると、かなり限られた現場でしか利用できなさそうです。
今後のさらなる進化に期待
しかし、警備業界にこの機械化が来たのは現職警備員としては非常に喜ばしい事です。
私は今までここで、高齢警備員の事についてたくさん紹介してきました。
良い事も悪い事も話題にしてきましたが、話す機会が多いという事はそれだけ高齢警備員の人数が多いという事でもあるのです。
高齢警備員が色々な現場で活躍するのは良い事ですが、あまりにもの高齢化は警備員としての職の意味をなさなくなってしまいます。
お客様の財産や命を守るのが仕事なのに、肝心な時に体を張れなくては意味がありません。
歳を取れば体が衰えるのは当然ですが、警備員が80歳過ぎの人ばかりになっても委託した側は「本当に任せて大丈夫なの?」と不安になるかもしれません。
そんな時、若い警備員も負けない機械の警備員がいればどうでしょうか。
配達された初日に配属となっても、マニュアルのデータをインストールすれば、ベテラン警備員と同じ仕事が出来る。
不審者を走って追いかける事も出来、真夜中に仮眠無しで何度でも巡回が出来る。
長年人手不足で高齢者を受け入れるしかなかった警備業界は、若い警備員すら必要としなくなり、不祥事も起こさず初期投資だけで給料要らず。
そんな日がいつの日か来るのかもしれません。
人にとって代わる機械化、仕事が無くなる人も大勢出そうですが大いに期待したいところですね。