警備業は仕事を始める前と終わった後に、営業所もしくは上司に報告が必要です。
これを上番(勤務に就く前)、下番(仕事を終えた時)と呼んでいます。
さらに、勤務の途中に中間報告という報告もありますが、ここでは上番と下番についてお話しします。
上番、下番という勤務報告
もとは軍隊の当番に就く・離れる・・から来た言葉だともいわれています。
警備業というのは軍隊や警察のような権限はありませんが、規律ある行動をとるという点でお手本にしている部分の中の一つだと思います。
警備業がこの仕組みを取り入れている利点として
・警備員が現場に直接仕事に向かう
・隊員一人でも欠ける事が出来ない
という状況がある為、警備会社側が隊員一人一人の勤怠管理をするのに都合が良いのです。
この上番と下番も会社によって様々で
・現場に就いたら報告する
・仕事が始まる時間として報告する
と私が経験してきた警備会社では違いがありました。
結果的にはどちらもその時間から給料が発生していたので問題はないですが、極まれに上番報告しても給料が発生していない警備会社が社会的問題になって裁判にまで発展しているニュースが出たことがあります。
会社ごとで報告の仕方が違うので注意が必要です。
施設警備員の上下番の報告の仕方
一人で勤務につく現場などでは本人しか報告が出来ませんが、商業施設などの警備員が大勢配属されている現場などではまとめて報告するところもあります。
現場が一人でなければ、まだ誰が出勤して来ていない・・というのもすぐに分かるので管制(営業所)よりも早く対応できます。
しかし、警備会社によっては大所帯の現場でも一人一人が上番や下番の報告を義務付けられている所もあります。
まとめて報告してくれた方が管制側も楽だと思うのですが社の方針ならば仕方ありませんね。
またその報告の仕方も会社によって色々なパターンがあります。
私が見てきた中では
電話
FAX
メール
などがありました。
これはすべて別々の警備会社です。まずは電話ですが、一番確実で管制に伝わるも早いです。FAXやメールが主流の警備会社でも電話を併用している隊員もいました。
しかし電話は他の隊員の上番の報告が集中して、話し中になる事が多いので報告が完了するまでに時間がかかる事があります。
次にFAXですが、これは現場でまとめて上下番報告する際に使用していました。
全員分の名前が入った書式をFAXを使用して一括して送る仕組みです。
これは現場の個人の隊員としてはいつの間にか報告されているので非常に楽でした。
最後はメールです。
個人のスマホや携帯から管制宛てのアドレスに、会社で決められた定型文の上下番のメールを送るだけです。
お金も掛からず電話の一斉報告で話し中にもならないので、これが一番スムーズだと思います。
ただし、メールを入れ忘れると欠勤したと思われて管制から電話が掛かって来て会社に迷惑が掛かってしまうので注意が必要です。
現場の出勤状態を知るための報告
警備員は大抵、欠勤するなら誰かがその穴埋めをしなければなりません。
仕方なく穴が開くのが分かったら、会社側は直ちに代わりの隊員を手配しなければならないのです。
その為に上番というシステムは需要です。
警備会社にとってクライアントに迷惑をかける事が一番やってはいけない事です。
お金を払って警備業務を委託しているのに、警備員が仕事に出てこない、または遅刻するなんて事は大問題です。
普通の会社と違って一人でも欠勤できないため勤怠管理は他の会社よりも厳しいものになっています。
上番報告は自分だけの為ではないという事を十分理解したうえで報告するようにしましょう。