施設警備員の待機時間とは何か

24時間も仕事をしていると途中で休憩時間なんかがあります。食事をしたり、一息ついたり、夜中に仮眠を取ったりと。一言で休憩時間と言っていますが、実は非常に難しい問題でもあるのです。
それは、休憩時間と待機時間と呼ばれる2種類の意味があるからです。

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待機か休憩は大きな違いがある

待機時間という言葉があります。これは日常、業務に入っている時間から外れている時間、例えば食事時間や後方で休んでいる時間などを指しますが
その本来なら外れている時間帯に、仕事取り掛かる必要性が発生し勤務を命じられる状況下の休憩時間を「待機時間」と呼びます。

 

これに対し、休憩時間は皆さんご存知の休憩です。
仕事から外れて本人が自由に行動できる時間ですね。

 

この二つの何が違うか言うと、簡単に言ってしまえば

給料が発生するかしないかです。

 

待機時間は状況によっては休み時間であろうが勤務に就かなければならないので
その間は労働していることになります。

一般的な待機時間というのは休んでいるが給料が発生している、が普通です。
ただ、冒頭でもお話しした”非常に難しい問題„というのが

「今、自分が休んでいるこの時間が給料の発生しない待機時間なのか純粋な休憩時間なのか」です。

 

この警備業界、特に施設警備業務は長時間拘束される勤務が比較的多く、緊急事態が発生すると食事をしている「休憩時間」といわれるような時であっても仕事に就くよう呼ばれることがあります。
(副隊長のカップラーメンが伸びてしまったのを何度見たことか)

 

緊急事態に隊員皆で取り組む、とても良いことだと思います。

 

ただ働きはしたくない!

でも、もしこの会社が待機時間という制度のない会社であったなら大変なことになってしまうかもしれないのです。

本来、休憩時間であるならば仕事をする必要はないはずです。時間・場所に左右されないはずであるのにも関わらず

 

「給料が支払われないけど仕事してね」

 

と言われているのです。問題にならないわけがありません。
過去にいろいろ裁判などで問題になってきました。

全てがそうではありませんが他業種も含めて、休憩時間中での勤務において労働時間であるとの裁判での判決がでてその分の給料が支払われたという判例もいくつか出ています。

 

グレーではあるがバランスもとれている?

警備業界においては待機時間と休憩時間の線引きがとてもグレーであると感じています。
待機時間でも給料を支払うとするならば莫大な人件費が必要になってしまいます。

だからといってその時間を完全に休憩時間としてしまいますと契約している配置人数が不足してしまいます。

 

「現場サイドでは、人が増えれば自分の収入が減るので増やしてほしくない。」
「経営者側は人が少なければ人件費が浮く。」

というお互いのバランスでなんとなくうまく回っている感じの現場が多いのではないでしょうか。

これは私の感じている事なのですべての警備会社がそうではないと思いますが。

 

待機時間と休憩時間、同じ休みでもお給料がもらえるかそうでないかは現場で働く皆さんにとっては大きな問題ですね。

 

 

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