警備員になってから24時間の当直勤務というものを経験しました。もともと社会的地位の低い仕事だと理解はしていましたが、当直で仕事で汗をびっしょり掻いた後でもシャワーなんて浴びる場所なんてなく、そのまま共用の布団で寝るのです。それが嫌なら洗面所でタオルを濡らして体を拭くしかありません。
当直勤務でシャワー無しはキツイ
警備員になぅってから初めての配属先は、大型商業施設でした。
そこでは当直勤務といって、24時間建物に常駐して翌朝帰る仕事です。
人が24時間過ごすという事は、食事もすれば睡眠もとります。
警備員とはいえ飲まず食わずで仕事をするのは、ブラック企業と呼ばれる警備業界でもさすがにそこまで酷くはありません。
食事を取る待機時間もありますし、短いですが仮眠時間も与えられています。
しかし、そんな待遇でも困った事が一つ、それは
「シャワーを浴びる事のできる設備がない事でした」
もともと人が夜通し仕事をする想定なかったのか、仮眠室として使える部屋はあっても、風呂とまでは行かなくてもシャワー室というものがありません。
他の現場の配属になっても、シャワー室が設置してある現場もあれば、警備員が利用できるシャワー室の無い所もあります。
これは施設が新しいか古いか、という事ではなく泊りで仕事をする人の事まで想定していない建物の作りの問題だと思います。
だからと云って警備員が当直勤務を辞めて、日勤と夜勤に分けるという事も会社的に難しいので、シャワーの無い当直勤務をするしかないのです。
洗面所で濡れタオルで体を拭く
大型商業施設勤務の時は、夏場であってもシャワーを浴びる事は出来ません。
特に大型商業施設では、毎日汗びっしょりになる仕事でしたので、それは苦労しました。
多くの他の警備員さんは、汗を吸った服装のままで仮眠室のベッドに横になっていました。
仮眠時間までになれば、昼間に汗びっしょりになった制服も多少は乾いていますが気持ち良くは無かったと思います。
そんな共用の布団で毎日寝るので、私は途中から寝袋と簡易ベッドを自分で用意して防災センター内で寝ていました。
それでも汗を吸った制服で寝るのは気が引けたので、ある年から仮眠時に制服の着替えと、洗面所で濡れタオルで体をしっかり拭き取ってから寝る様になりました。
日によっては水ですが頭もシャンプーで洗っていましたが、あれほど不遇を感じた事は無かったと思います。
これだけの事をしていたら4時間ある仮眠時間は、30分は消費する事となり横になって目が覚めるまで3時間も無かった気がします。
まあ、あの当時はまだ若かったので出来た事だと思います。
その次の現場では、警備員が利用できるシャワー室があったので、あれほど快適だった事はありませんでした。
警備員がシャワーを浴びられる、と喜んだのもつかの間、さらに次の現場ではまたシャワー室無し。
個人的な統計で云うと、警備員が当直勤務をする現場の3分の2はシャワー室が無いと思って良いでしょう。
警備員が汗臭い理由の一つ
施設警備員が当直勤務でもシャワーを浴びられない、という事は汗臭いまま仕事をしている事になります。
その日に下番できればまだ良いですが、経験上翌日も残業として仕事に入る日がよくあったので、そんな警備員さんが巡回をすれば、周りは
「あの警備員さん、何かにおう・・」
となってしまうでしょう。
実際、同僚で残業する事になった警備員さんも、その日は近くに寄ると「プ~ン」と鼻を突くような匂いがしました。
そりゃ、一度汗をびっしょり掻きそのまま乾いた状態の制服を着続けている訳ですから臭わない訳がありません。
それはその警備員さんが悪いのではなく、シャワー室を設置してくれなかった施設側の問題です。
まあ、汗の染みついた制服を着替える事をしなかった事や、仮眠前に体を拭きとっていない、など本人の問題もあるかもしれませんが、労働環境が整っていなくてはやる気に影響が出てしまうのではないでしょうかね。