以前もお話した事がありますが、数年前までは、商業施設内で警備員がマスクをする事が憚れました。今ではマスクをしていないと指を差されるご時世です。しかも現場によっては色マスクをしているとクレームが入るなんて事も・・。
色マスクは不真面目な象徴
市販されているマスクには色々なカラーが用意されています。
今やマスクはファッションの一つになりつつある中、逆にそのカラーが問題になる事も。
色のついたマスクを街中で見かける事がありますが、サービス業で仕事中に色マスクをつけている人は業種にもよりますが、そう多くは無いと思います。
一昔前は、警備員がマスクをつけて店内巡回をしていると、クライアントの方から
「警備員がマスクをしていると顔が見えづらく、お客様に良い印象を与えない」
という事で、花粉症マスクをつけている警備員さんに注意が来ました。
確かに花粉症マスクは普通のマスクよりも大型で普通のマスクよりも目立ちます。
まあ、今では様々なマスクが出回っているので花粉症マスクをつけていても誰も気にしないでしょうがね。
警備員がその花粉症マスクをつけている事で、クレームの予防対策として巡回時にはつけないで、と言われるほどでした。
それが今では、マスクをつけていない事で
「警備員がマスクもつけないで店内を歩いている。お客様に移りでもしたらどうする気か」
とクレームが入るのは間違いありません。
今やマスクをつけていないと苦情が入るという、少し前の全く逆の現象が起こっているのです。
そして、さらに
「警備員が色付きのマスクをしていてる、何て不真面目なヤツだ」
という状態にもなりつつあります。
警備員は黒いマスクをつけていると威圧的に見えてけしからん、という事のようです。
まあ、言わんとする事は分かるのですが人を色で判断するのはどうかとも思いますがね。
確かに白い色というのは、人に与える印象は「清廉、清潔」という印象を与えるでしょう。
お堅い仕事をしている人で、白い色のマスクをつけているとなんとなくその人も真面目で清廉というイメージがつくかもしれません。
だからと言って黒いマスクをつけているからと言って不真面目ではないと思います。
ただ「そう見える」だけであってそれは勝手に思い込んでいるだけです。
色のついたマスクを身に着けているだけで、その人の仕事のイメージまでつけるのは行きすぎだと思います。
「花粉症のマスクをつけていると、お客様に対してイメージが悪い」
あの時に指摘していた頃と何も変わっていない、と思ったのは気のせいでしょうか。
現場では特に制限は無い
しかし色のついたマスクを警備員が身に着けていて指摘されるのはなにも全ての現場ではありません。
以前いた現場も今の現場もそうですが、クライアントから警備員が黒マスクをつける事に特に指摘されません。
実際、何人かの隊員さんが黒マスクや青いマスクを身に着けて勤務していましたが特に外して欲しい、という様な指示はきませんでした。
まあ、これが普通な事だよね・・。
警備員に限らず、従業員側も色のついたマスクを身に着けて出勤していましたし、警備員だからかダメ、なんて事はそれこそ職業に対するパワハラになるのではという認識だったのかもしれません。
人や職業に対して偏見のない企業ほど、そういった事に気を使い「警備員は黒マスク禁止」なんて事は言わないのかもしれません。
そういう事に一番敏感なのは、そこを利用するお客さんなのかもしれませんね。
色マスクはマスク無しと同じ罪
クライアントとしては、お客様から入るクレームが一番怖いと思います。
クレームに気を遣うからこそ、初めから問題になりそうな事は排除する、といった意識があるので攻撃されやすい警備員に対してクレームになりそうな黒マスク装着を禁止するのかもしれません。
少し前はマスク禁止で、今度は黒マスク禁止・・
警備員は本当に立場の弱い職業だとつくづくい思います。
今では、色のついたマスクをつける事はお客様からしたら、マスクを身に着けていないのと同じくらい罪なのかもしれません。
幸い私は現在、色のついたマスクをつけていても何もクレームの入らない現場で勤務しています。
同じ施設警備でも色のついたマスクを身に着けられない方も見える事でしょう。
クライアントがお願いする事なので、イヤだとは言えず仕方がない事かもしれません。
しかし、その更に向こうでクレームを入れるお客様がいる事を忘れずに。
ある意味クライアントもクレームを入れられる側の企業なのです。