警備業界は長らく人手不足です。ここ10年見ていても解決する兆しはありません。ドローンやAI化も期待されていますが1~2年で解決するような問題ではありません。そもそもなぜ警備業界が人手不足なのかというと、その原因でさえ色々とあり過ぎて、とてもすべてを解決させる事も難しいと思います。
警備が人手不足な理由
警備業界が人手不足になる理由は挙げたらキリがありません。
その中でも、労働環境が良くない事や低水準な給料、古い業界体質などがあります。
もちろん、これ以外にもたくさんあるのですが、自分が経験した人手不足の原因で真っ先に浮かぶのがこれらです。
警備員は日勤や夜勤、当直勤務など様々な勤務体系があり、体を壊しやすい職業でもあります。
また、賃金は社会人の平均収入以下であり、現場で働く警備員さんの昇給の無い警備会社も少なくありません。
更に、高齢者の警備員さんも多く、長年在籍している人が多い現場ほど古いやり方を今でも実施しており、効率の良い新しいやり方などに移行できていなかったりします。
これだけでも新規の警備員さんが寄り付かなさそうな条件が揃っています。
高齢者が唯一の支え
高齢の警備員さんが多い現場ほど、古いやり方を今なお続けている所も多いと思いますが、だからと言って高齢の警備員さんの参入を止めるわけにはいきません。
現在の警備業界は、高齢者の人なしでは成り立たなくなっているからです。
警備員の全体の半数近くを60歳以上の人に頼っている警備業界は、今では彼らの存在なしでは仕事が出来なくなっています。
今の警備会社でも、面接に来る人の年齢が60歳近い人ばかりで若い人はほとんど来ないそうです。
これは地域にもよるでしょうが、若い人は給料の良い仕事の方へ流れてしまい、賃金の低い求人しか出せない警備会社では見向きもされない様です。
まあ、当然と言えばそうですよね。誰も給料の低い警備の仕事なんてやりたがらないでしょうし、せめて給料が安くても仕事に魅力があれば若い人でも入って来るのでしょうがね。
そういう意味では、警備業界は何かとてつもない改革でも起きない限り、高齢者の方の参入に頼るしかないでしょう。
解決するのは難しい
警備業界が人手不足なのは、様々な原因がいくつも重なっていると思われます。
そしてそのいくつもの問題は直ぐに解決できる様なものは無く、大きな出来事でも起きない限り無理な気がします。
高齢者の人の参入がパタリと止む様な事にでもなれば、変革があるかもしれませんが、あと10~20年もすれば、また人口比率の多い世代が高齢者となり警備業界へ来る事になりそうです。
いわゆる団塊の世代ジュニアの人たちです。
彼らは現在、警備以外の仕事についている人も多いと思いますが、その会社を定年退職した時に、警備業界へ流れてくるかもしれません。
しかし、丁度親世代の入れ替わりで参入してきそうなので、今現在問題になっている人手不足も含めて全ての解決にはならなさそうです。
その頃にはドローンやAI技術が進歩して今より人を必要としない警備業が出来る様になっているかもしれませんが、過大な期待は出来ませんね。
労働環境の近代化、給料の底上げ、問題は沢山ありますが今の社会構造である限り、残念ですが変わる事は無いのかもしれないと思います・・・。