施設警備隊として商業施設の勤務時に、そこの副隊長が意外と血気盛んな人でした。通常、店内巡回をする時は警戒棒は装備品として身に付ける事はありません。しかし、この副隊長だけは事あるごとに警戒棒を装着して巡回へ出ていた事があったのです。後で解決しましたがその時はなぜ一人だけ相違していくのか不思議でした。
施設警備員の警戒棒の装着
施設警備員の装備品の一つに「警戒棒」があります。
これは身を守るための護身用具の一つで、施設警備員が業務中に装着して巡回する事はまずありません。
特に商業施設では、日常的に装着する事は無く、今所属している警備会社で警戒棒を装着している現場では、証券会社や銀行などの現場に入ってる警備員さんが勤務時間中に身に付けている、と聞きました。
私自身も、施設警備員として今まで勤務をしてきて、警戒棒を装着して仕事をした事はありません。
現場によってはそれほど縁の無い物でもあるのです。
しかし、商業施設の現場でも護身用具として指すまたや盾、また警戒棒は防災センター内に保管してあるのです。
いざという時に必要となる事もあるので、その様な事案の時は出番があるという事ですね。
店内巡回で警戒棒を装着する理由
そんないざという時にしか出番のない護身用具ですが、当時の現場の副隊長は店内巡回へ行く時に毎回では無いですが警戒棒を装着して巡回へ出ていました。
当時はなぜ、毎回ではなくたまに警戒棒を装着して巡回へ出ていくんだろう、と思った事もありました。
商業施設では店内巡回時に警戒棒を装備して見回る事は決まりではありません。
というよりも、用もないのに装備して巡回へ行く事の方が問題です。
当時は副隊長でもあるので、なぜ装備していくのかと聞く事も出来なければ、止める事も出来ませんでしたが、実はある特定の巡回の時だけ警戒棒を装備していくのには理由があったのです。
それは
防災センター内の防犯カメラを確認していて、ヤンチャな子供たちが来店してきたのを見つけた時に限り、警戒棒を装備して巡回へ出ていたのです。
この一連の行動を見た時に「なるほどそれでか!」と納得しました。
ヤンチャな子供が10人以上商業施設へバイクで登場した時に、カメラでそれを確認して、何かあった時の為にと護身用具を装備して店内巡回へ出ていたのです。
ヤンチャな子供たちが店内で悪さをして、警備員がそれを制止する際に「身を守る為」としての護身用具の装着なのです。
まあ、行動としては不必要な準備とはいいきれませんが、その時同じ様に店内巡回へ出ている他の警備員さんは、警戒棒は身に付けていません。
副隊長一人だけです。
やる気が空回りしてもいけない
当時の副隊長は、年齢は孫もいるほどの高齢警備員さんの部類に入る様な人でしたが、誰よりも血気盛んな人でした。
仕事は真面目で、隊員の面倒見も良い従業員とのコミュニケーションも良好な人柄です。
しかし、血気盛んな面が少々目立ちすぎており、ヤンチャな来店客に対しては積極的に煽って騒ぎを大きくする人でした。
この行動が奇跡的にクライアントに対して、良い印象を与えている様でクライアントの受けは悪くありませんでした。
そんな副隊長ですが、周りの隊員さんも様々な出来事に引っ張られる事もあり、警備隊の中でも多少、空回りしている感はありました。
ですが、私はそんな副隊長は施設警備員としては必要な人だと思っていました。
他の隊員さんは施設警備員の仕事を「仕事として」こなしている様に見えましたが、副隊長は「天職で好きでやっている」の様に見えたからです。
この副隊長の様に、警備員の仕事が自分に合っていて、好きでやっている様に見える人には彼以来出会えていません。
例え空回りしている様に見えていても、クライアントからは評価されていたし、何よりそこで働いているテナントの従業員からの受けも良いのであれば、それだけで十分だと思いました。