商業施設に限らず、施設という物件には大抵
警備会社と設備会社、清掃会社の3つが外部委託業者として入っていることが多いです。この3つの外部業者が全て同系列の会社であることはまれで、殆どが3つとも違う会社が入っているのではないでしょうか。
仲が良いのか
基本的にクライアントから委託を受けてお仕事を貰っているので、警備、設備、清掃どこの部門が上、下はありません。3つとも同列です。
ある部署が作業を命令する事はありません、せめてお願い、依頼する形で作業をしてもらいます。
ウチの現場は警備、設備、清掃それぞれ違う業者です。
私が勝手に思っているだけかもしれませんが、それぞれの仲は今現在は特に悪くなく良好だと思います。
聞いた話ですと以前は設備と警備がやや仲が悪かったようで、原因を聞いた限りではどっちもどっちな感じでした。
今は設備業者側に当時の警備員と仲の悪かった担当者はいないようですが、警備員側には今も(厄介者として)残っています。
部署が違うので仲が悪かろうが問題なさそうな感じがしますが、実はこの3つの部署はクライアント以上に密接な繋がりがあるんです。
協力体制は?
警備と設備と清掃、この3つの部署は仕事内容は全く違いますがどれも各仕事の流れで協力が必要なことが必ず出てきます。
・警備→設備異常の報告、専門的な清掃依頼
・設備→施錠扉の開錠依頼、専門的な清掃依頼
・清掃→施錠扉の開錠依頼、設備異常の報告
お互いが自分の仕事中に遭遇し、業務を遂行するのに他部署の助けが必要になるのです。
電気が切れているので直してもらわないと、防犯上危険だ・・
落ちているゴミをその場で拾って片付けられる程余裕がない・・
施錠された部屋の中に用事がある・・
各業者は契約された自分の仕事があるので、ついでに片付けるという事がなかなかできません。
というよりも、資格がないとできない仕事もあります。もっともその為に警備、設備、清掃という様にわざわざ3つに分けられています。
その為、この3つの部署は円滑に連携が取れなければクライアントにも迷惑が掛かってしまいますね。個人の都合で仲が悪くなっている場合ではありません。
むしろ、仲が悪くなるようではクライアントに迷惑がかかるので個人間で問題があるならば、その人はその現場から外される可能性も十分にあるのです。
今まで見てきた現場では、基本的に責任者間では円滑な協力体制であった気がします。
問題はその下のメンバーたちで、個人的に仲が悪くなる人がいるのを見ました。
お互いの仕事の理解度が浅い人程、相手を軽んじる傾向にあると思います。
この3つの業種は絶対に切っても切れない仕事なので、人間関係は部署を越えても大事にしましょう。
どこも人手不足、そして高齢者が多い
世の中が人手不足でどこも大変な中、この3つの部署も例に漏れず人手不足です。
この中でも、資格というカードが一番優遇される設備はまだマシな感じがします。「マシ」というだけで十分人手不足ですが・・。
あとの警備と清掃はかなりヤバいです。どちらもそれほど厳しい資格が求められる職業ではないので、いわゆる誰でも出来る仕事という低く見られがちな仕事です。
低くみられる分、給料も低いわけでだからといって楽なわけではありません。
世の中にもそれは知られているので、「最後に行きつく業種」という様に見られています。しかし、初めから志をもって勤められている方もいるので、最後に行きつくという様な表現はちょっと悲しく思います。
そして誰でも出来る仕事という事は高齢者も多くなります。特殊な技能や常人以上の体力が必要になるわけでもないので、退職した年金受給者でも始められます。
では、高齢者であっても出来るといわれる警備や清掃業界がなぜ人手不足なのでしょうか。
人はどこに行った
理由はいろいろあるでしょうが、やはり世の中が最後に行きつく仕事とみているのが人手不足の原因だと思います。
現在は多くの団塊の世代層が退職されていますが、その後もどこかで働こうと思った時に、まずは良い環境の仕事から探していくと思います、これは当たり前といえば当たり前ですよね。
日本は少子化も進んでいるので、いわゆる普通の仕事も人手不足です。
なのでまずは高齢者といえどもまずはその普通の仕事に人が集まるので、警備や清掃などの業種はさらにそこからあふれた人が選択します。
警備や清掃の仕事は星の数ほどあるので、結果人手不足に陥るというわけです。
この流れは警備や清掃に限ったことではなく、土木関係の業種でも人手不足が深刻であるとどこかのニュースで見ました。
これらの人手不足を解消するには、人の数を埋める事で解消するのではなく技術的な分野で解決策を見出さないと、この先ずっと人手不足は終わらないのではと思います。
警備と清掃に焦点を当てましたが、もう少し細かい話をすると恐らく警備業界の方が清掃業界より人が足りないのかなと思います。
それは清掃業界の方が警備業よりも女性が進出しやすいからです。
年配の男女同数がどちらかに勤めようと考えた時に、家事の一環でもある清掃業の方がなじみもあり仕事内容も漠然とではありますが把握しやすいですよね。
という事は、女性は清掃業の方が比較的始めやすいと思います。
それに比べ、警備って何してるのか何をするのかちょっと分かり難いですからね。男性でも戸惑う人も多いでしょう。
今までいた現場でも、清掃の方が圧倒的に女性が多かったです。警備の方は2社いた現場のうち女性は一人でした。
いずれにせよ、この3つの業種はずっと人手不足が続いています。
ただでさえ人が少ないのに、いがみ合っていても自分たちが損をするだけなので仲良く、信頼して業務を遂行したいと思います。