一人現場が楽だというウソ

ウチの警備隊の中に、以前一人の現場からこちらへ配属されてきた隊員がいます。いろいろな事情があってここに居るのですが、やはり一人の現場というのは、余程警備業に精通していないと務まらないのだと彼を見て確信しました。楽そうだ、という情報も出回っている様ですが、決してそうではないと思います。

スポンサーリンク

それでも一人現場が良いと思うかい

一人の施設警備の現場は、他に警備員がおらず自分一人だけという職場です。

警備員の配置が一人なので、他の警備隊の業務とは違い、比較的業務も楽な方だと思います。

 

そして、一人現場というのもどこもみな同じというわけではなく、現場によって内容も全く違います。

ネットなどの情報で

 

「施設警備の一人減は楽だ」

 

という話をたまに見ますが、それはその人がたまたまそう思える現場で勤務しただけであって、全ての一人現場が楽だという事ではありません。

警備隊の現場でさえ、厳しく忙しい現場があれば、私の勤務地の様な楽でヒマな現場もあり、建物の数だけ忙しさが異なると思って良いでしょう。

 

一人の現場は、他の警備員仲間がいないので、人付き合いが苦手な人でも出来ると思いがちですが、それは警備員仲間がいないだけであって、勤務している建物にクライアントや従業員の方の対応はあります。

お客様の対応をする意味では、誰にも会わずに1日を終える、なんて言う職場はまずないと思ってよいでしょう。

 

誰も仲間がいないという事は、何かあっても頼る人がいない、という事です。

何かトラブルが発生しても、自分一人で解決できますか

協力出来ないという事は自分の責任

警備隊の人間関係は意外と大変です。

中には皆仲良く仕事が出来る所もあるでしょうが、あらゆる世代の人間が集まっている職場では、ジェネレーションギャップのせいで警備員同士、上手く行かない事もあるでしょう。

 

その点、一人現場では警備員は自分一人です。

小うるさい高齢警備員や、人生経験の浅い態度の悪い若い警備員もいません。

自分の業務のやり方にいちいち文句を言う人は居ないのです。

それだけ聞くと、一人の現場は仕事がやり易そうで良いと思います。

 

しかし、警備員が自分一人しかいないという事は、万が一何か問題を起こして誰も助けてくれない、という事でもあるのです。

警備隊は大勢の仲間がおり、自分が仕事のミスをしたとしても、他の隊員がフォローやヘルプをしてくれる事があります。

協力してくれる人がいない、という事は

 

「仕事のミスはすべて自分の責任」

 

になるという事です。

警備員になって日もまだ浅い人が、警備員のノウハウも知らずに一人現場の仕事をするのは、余りにも無謀過ぎる事なのです。

警備員としての成長も見込めない

警備員は時間をかけて仕事を覚えます。

色々な事案があり、様々な対応の仕方があります。

お客様によって対応の仕方はバラバラで、経験なしでは成長はありません。

 

そんな経験が必要な警備員の現場が、一人しかいなかったら何も学べないでしょう。

教えてくれる先輩もいなければ、情報を共有し合える仲間もいません。

自分の対応した事案が、それで正解であったのかそれさえも分かりません。

 

一人の現場では、警備員としての成長がとても遅いか、全く学べないかのどちらかです。

今回一人現場からここへ来た隊員は、明らかに何も学べていないポンコツぶりで、ここに配属されてきても「自分は一人現場で立派に仕事をしてきた」という何の根拠もない自信のせいで孤立しています。

 

警備隊で勤務してきた隊員さんたちから見ると、とてもまともな経験を積んでいない中途半端な警備員です。

しかも、初めての警備員の仕事がそういった現場だと、施設警備がその程度のモノと勘違いしそうですね。

 

一人現場は、余程経験のある警備員さん配属するべきだと思います。

どんな事案が発生するのか分かりませんし、経験が無いと対応もできません。

周りにもし一人現場の勤務があるようでしたら、自分が配置についてもやって行けるかどうか会社と相談した方が良いと思います。

 

警備のしごとのトップページ

スポンサーリンク