警備員のイメージは立哨しているのと、巡回している印象があると思います。その中でも巡回というただ歩くだけという業務がありますが、別に何も考えずに歩いているわけではありません。そんな巡回の「歩き」ですが、配属先の現場によっては、10倍以上も歩く距離に差があるのです。
3万歩以上も歩くと足腰が強くなる
今まで商業施設での勤務時に、余りにも歩いている時間が長い事が気になって
「いったい1日何歩、歩いているんだろう」
と思い、数か月間計測した事がありました。
当時の現場は業務中にスマホを携帯している事が許されていたので、ポケットに入れて1日計測しました。
人生の中で、自分が1日何歩あるくのかという事を調べた事が無いので、基準になるものが分かりません。
とりあえず、1万歩も歩けば健康と言えるのかな・・という漠然とした印象で計測した覚えがあります。
24時間の当直勤務を終え、スマホを確認したところ・・
「3万歩以上歩いた事になっていました」
これがどれだけすごいのか分かりませんが、1万歩位かなと思っていた3倍歩いていた事で相当ビックリしました。
まあ確かに今まで「こんなに歩いた事はないなぁ」という感じで仕事をしていたので、結構な歩数は行くと思いましたが、まさか3万歩とは。
商業施設で勤務している間は、それまでの体力よりも確実に足腰が強くなっていた実感はありました。
電車に乗って吊革に掴まらなくても、電車の揺れでフラフラする事は一切なくなりましたし、長時間立ったままでも今までよりも足が疲れる事は無くなりました。
業務自体は過酷でしたが、体づくりに関してはとても良い仕事だと思ったものです。
2千歩以下だとデブになる
施設警備の現場だからといって、どこでも1日3万歩以上あるくわけではありません。
商業施設以外の現場を経験しましたが、そちらでは24時間の当直勤務をしても1日、1万歩も歩かない現場もありました。
歩く事で体が健康になるのは良い事なのですが、1日3万歩以上も歩くとさすがに体もヘトヘトになりますし、年を重ねれば重ねるほどきつくもなります。
当時、1日3万歩以上も歩く様な現場で65歳を超えた高齢警備員さんも数名いましたが、よくあの業務を毎回やれていたなと感心します。
果たして自分が65歳になった時、同じ様に1日3万歩も歩く様な仕事をやれるかどうか怪しいところです。
そんな3万歩も歩く現場と違って、1日5千歩もあるか無い様な施設警備の現場もあるのです。
当時は少ない時は、1日3千歩も歩かない様な時もあり、商業施設の現場と比べるとその差は何と10倍以上です。
同じ施設警備の仕事なのにこんなにも業務内容に違いがあるのにはかなり驚きました。
「これが楽な現場とキツイ現場の違いか」
と。
キツイ現場が嫌な人にとっては、この3万歩か3千歩かという違いは大きい事でしょう。
しかし、長時間歩く仕事と歩かない仕事とでは楽かキツイかという事以外にも問題があります。それは
「歩く事の少ない現場では、警備員のデブ化が進む」
です。
全ての警備員に当てはまる訳ではありませんが、歩く事の少ない現場ではみな、時間経過とともに体重が増えたと報告がありました。
周りの隊員さんを見ていても、動く事が少ないのに今までと同じ様な食生活を続けていた為に、健康診断の結果を見てショックを受けていました。
いや、そりゃ禄にカロリーも消費していないのに今までと同じように食事をしていたら太るのは当たり前です。
1日、3万歩以上あるくキツイ現場でも、痩せない警備員さんは居ましたが、これは業務がきつくて、食べる量もそれ以上にある為の結果のようです。
しかし、歩く事の少ない現場では食べる量をコントロールせずに食事を摂る警備員さんが多く、結果太るようです。
人間、食べるという行為が楽しみな人も多い中、特に警備員さんは食べる事が好きな人も多いので、こういった現場で食事をコントロールしなければならないのは中々苦痛な事なのかもしれません。
配属次第で自分では決められない
施設警備員が、1日でものすごい距離を歩く現場か、殆ど動く事の無いヒマな現場で仕事をするか、というのは警備会社次第です。
どんな現場に配属になるのかは、面接時にはっきりしているか、入社後に決まるのか様々です。
初めから〇〇の現場の求人を狙って面接へいけば、間違いないですが
「現場は入社後決まります」
なんていう所もあったり、面接後に当初とは違う現場へ回される事もあるので、思い通りの現場の配属にならない事もあるでしょう。
また、求人や面接時では、その現場が1日どれだけ歩く事になるのか、という詳細も分からない事が多いので、未経験者の場合はその見極めは難しいと思います。
少なくとも、商業施設の勤務は相当歩く現場だという事は間違いありません。
特に、大型商業施設では私が経験したように「3万歩以上」は歩くかもしれないという事を覚悟しておいた方が良いでしょう。
それでも、商業施設での施設警備員の勤務は、それ以上の経験を得る事が出来るので、毎回の事ですがオススメはしますよ。
今の現場では、1日1万歩も歩かない様な「楽な現場」の勤務ですが、食事に気を使いながら「デブ化」しない様気を付けています。