出入管理で警備員が持ち場を離れた理由

先日、出入管理の業務中に持ち場を離れた警備員がいたそうです。幸い、クレームに繋がるような問題にはなりませんでしたが、警備員がその場を離れられない様な仕組みにも問題はあります。人が気持ちよく働ける現場作りを会社もしなければならないと感じた出来事でした。

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生理現象は止められない

まあ、結論から言うと見出しの通り、要するに

 

トイレに行った為に持ち場を離れてしまったのです。

 

これはどこの出入管理でもある様な話だと思います。

もしかしたら2号警備さんなど、外で交通誘導をしている警備員さんの方が大きな問題なのでしょうかね。

個人的には、一人で交通誘導をしている現場ではどのようにしてトイレの問題を解決しているか気になるところです。

 

さて、そんなトイレ問題ですが、今回は施設警備の出入管理であった出来事です。

うちの現場では、出入管理の受付場は基本一人です。

その一人というのは、交代する人がいない完全一人なのです。

ある意味、交通誘導の警備員さんと同じ境遇ですね。

その出入管理を一人でしている時に、お腹が痛くなりどうしてもトイレに行きたくなり、その場で漏らすよりはとトイレに駆け込んだようです。

 

それをふと通りかかったある従業員が出入管理の受付場を見た時に、受付場に警備員がいない事に気がついて発覚したという訳です。

これに関しては特にクライアントからお叱りを受ける事はありませんでしたが、私も仕方がない事だと、トイレに行ってしまった隊員に同情します。

 

まず、生理現象は止める事は出来ません

そして、トイレに行きたくなった時に交代してくれる警備員がいないのも問題になった一つです。

そもそも、何かあった時に交代できる警備員がいないのはとてもマズい事だと思うからです。

緊急時に対応できる仕組みが必要

出入管理の限らず、警備員が緊急時に協力して問題を解決する事は当たり前の事ですよね。

事案が発生しても協力する警備員がおらず、一人で問題を解決できるのは余程小さな現場だけです。

交代する警備員がいるような現場では、協力して問題を解決しなければ無理でしょう。

 

これが出入管理のトイレ問題にも言える事で、何かあった時に出入管理を交代してくれる隊員がいなければ、受付場を空けてトイレに行くしかありません。

 

これは隊長としてもそういった現場が円滑に回る仕組みになるようにはしていますが、そもそも交代してくれる警備員が近くに居なければ出来ない事です。

近くに交代してくれる警備員がいないというのは人員が足りない・・という事です。

 

こればかりは隊長であってもどうしようもできない事です。

契約で人件費が決まっている中で、警備会社は現場の人数と時程表を決めます。

この時に、最少人数しか配備できなければ緊急対応時には最少人数しかいないのです。

 

警備業界もそれほど好調ではありません。

人件費を潤沢に使用できる状態でなければ、交代できる余剰人員なんて確保できませんからね。

なので、交代できる仲間の隊員が居ないので受付業務をしている警備員は、トイレに行きたくなったらその場を空けた状態で行くしかありません。

これを現場を空けた警備員の責任にされては困ります。

 

その事を分かっているのかどうか知りませんが、クライアント側はそれほど問題にはされませんでした。

警備会社側も「人が確保できるほどお金をいただいていないので、何か言ってきても大丈夫」と言っています。

 

その間の現場にいる身としては、何か板挟みにあっているようで気が気でありません。

人を人と思わない警備業界

警備業界は入れ替わりの激しい職業だと思います。

お金のない人からすれば、安くても仕事しますよ!という人がいる限り人を安く雇えます。

 

しかし、稼ぎたい人からするとそういった人は非常に困ります。

また、警備員の地位を向上させたい人からすると、人を買い叩いて雇うようなやり方は、いつまで経っても向上しないからです。

 

今回の件が意外とこの問題と関係していて、警備員が人として見られていないのです。

トイレにも行けない様な時程表が作られている。

そんな過酷な環境でも文句を言わない人間を警備会社は必要としている・・となっているからです。

 

碌に交代もしてもらえない様な時程表でも、苦情を言わないのはおかしいです。

クライアント側も契約金を安くしたいから、トイレに行けないからかわいそう、とわざわざ人件費を上げるような切っ掛けのクレームを言おうとまではしないのです。

これ、誰も文句を言わないと、会社やクライアントから絶対に改善されるような事ではないですよね。

 

こう云った様な仕組みな警備業界の至る所にある問題ではないでしょうか。

仕事欲しさに安くても手を挙げる警備員や、ピンハネされて安い賃金で働く警備員など、個人ではどうしようも出来ない事が多いです。

 

少しでも、声をあげ改善していける立場の人間が主張しないと変わる事が出来ない問題です。

私でさえ隊長という立場で仕事をしていますが、役員でもなければ会社から見れば「隊長」なんて現場のまとめ役に過ぎません。

 

持ち場を離れた隊員さんをかばう事は出来ますが、逆に言うとそこまでの事しかできないのです。

警備員として働く方は、少しでも待遇の良い職場で働けるよう会社選びには気を付けましょう。

 

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