施設警備員はお客様との対応をする場面が意外と多く、マナースキルが求められる仕事でもあります。しかし、実際の施設警備員さんの中には、明らかにサービス業向きでない人も警備員として働いており、それがもとでトラブルになるクレームに発展する事も意外と多いのです。
施設警備員によるお客様の対応
施設警備員は建物に来訪されるお客様の対応があります。
出入管理業務や、巡回中などその人と1対1で話す機会は毎日のようにあるのです。
受付での記入や行先の説明、また巡回中での問い合わせなど、会話を通じて相手に理解して貰える様な場面は非常に多いです。
よほど人の往来の殆ど無いヒマな施設警備の現場や、夜間など人との関わりが一切ない現場勤務などもありますが、それはごく一部です。
多くの施設警備の業務は人との関わりがあると思って良いでしょう。
そんな施設警備員という仕事なのに、その隊員さんの中には人と接するのを苦手とする警備員さんがなぜが存在します。
受付や巡回中など、お客様やクライアントから問い合わせや指示などを受けたのにそれを次の隊員さんに上手く伝えられなかったり、そもそも問い合わせを聞く際に会話が成り立たずクレームになるなんて事もありました。
人とコミュニケーションを取る事が苦手なのに、施設警備という仕事をどんな仕事をするのかという事を把握しないまま入社したのか、もしくは理解したうえで入社したのか、その様な人が一定数いるのです。
人手不足が産んだ歪んだ雇用
警備業界は人手不足です。
そして施設警備員は多くの人とコミュニケーションを求められる仕事でもあります。
そんな人手不足の業界に、人とコミュニケーションを取るのが苦手な人が入ってきてしまうのは仕方の無い事なのかもしれません。
人手不足な為に、コミュニケーション能力の高い人を選んで採用させる事ができず、取りあえず面接に来たら「欠格事由」に抵触していなければ採用、なんて事をしてきたのだと思います。
人を選んでいたら、いつまで経っても現場に人員を補充できず仕事になりません。
その為、施設警備の現場に内向的な接客業向きでない警備員さんが増えてしまうのだと思います。
まあ、実際営業所でも人が来ないからとりあえず採用している、という話を聞いた事もあります。
現場側としては、コミュニケーション能力が低くても、取りあえず新人さんを送って来てくれさえすれば何とか教育する、という気持ちでいます。
たとえどんな人だとしても、在籍している警備員さんが連続勤務で残業超過にならなければ何とかなるからです。
それでも結果的に現場にいる警備員さんたちに迷惑を掛ける事になって現場を外される警備員さんも居ましたがね。
現場を外されるほど、というのは余程の警備員さんでなければ外されません。
お客様からクレームが入り、更にクライアントからもクレームになる・・・
ここまで行く事で警備会社側は「外す」決断をします。
外すという事はまた代わりの人員を用意する必要があるので、警備会社側も出来ればしたくはないのです。
それでも外すという事は相当ヤバいとも言える事なのです。
行き場のない人の助けになる業界
警備会社が人を選んでいる余裕がないほど適性を見ていない事が分かりました。
そんな警備業界ですが、多くの人の助けになっているのも事実です。
警備業界は社会的地位の低い仕事とも言われています。
その社会的地位の低い仕事ですが、その仕事を頼りにしている人もまた存在するのです。
他の仕事をしても周りに馴染めず、またその仕事についていけず辞めた。
色々な面接をしてきたがどこも雇ってくれない。
そんな人たちが警備員という仕事に就いていたりもするのです。
警備業界は人手不足な為に、余り適性を見ていないのは良くないのかもしれませんが、そのおかげで警備員の仕事に就けたという人も少なからずいるのです。
過去の現場にも、そういった状況に該当する様な人を何人も見てきました。
確かに警備員の仕事でさえまともに出来なさそうな人ですが、そんな人でも人員枠を埋めてくれる事で助かる警備員さんが何人も居るのです。
現場では仕事が出来ず失敗ばかりで、周りから叱責の声がやみませんが、彼らがいないと自分たちが苦しい思いをする、という事にまで考えが至っていない人も居ます。
現場に出勤してきてくれるだけで有難い、という気持ちは忘れてはいけませんね。


