これは良くある話なのですが、事務所の鍵の返却を受けた数分後に、同一人物が「部屋に忘れ物」をしたと再度事務所の鍵を借りに来る事があります。厳密にいえば台帳に記帳してもらうのが正しい対応です。しかし、稀に台帳に記帳せずに鍵だけ渡してしまう事もあったりするのです。
鍵の貸出しを記帳せずにする行為
通常、クライアントの事務所の鍵は、台帳に記帳していただいてから鍵を貸し出すようにしています。
この仕組みは、多くの施設警備の現場でも同じ様な対応をしている事と思います。
そして、クライアント側も一旦返却した鍵を「忘れ物をした」という理由で5分も経たない内に同じ人が借りに来る事も多々あります。
今まで勤務してきた現場で、この再度鍵を借りに来るパターンが無かった所はありません。
この似たような出来事は他の施設警備員の方でも体験されていると思いますが、この時に、再度記帳させずに鍵だけを貸している警備員さんはどれだけいるのでしょうか。
警備員の責任と受け取る側の責任
鍵台帳に記帳させずに鍵を貸すという事は、鍵の行方を確認する事が出来ず、万が一紛失してしまった場合に、誰が鍵を貸して、誰が鍵を借りたのかという事が一切分かりません。
その場で鍵の受け渡しをした両者は分かっていますが、もし鍵を借りた従業員が
「鍵は受け取っていません」
なんて発言でもしたら、責任は鍵を管理している警備会社ひいては鍵を貸した警備員になります。
台帳の履歴は鍵の返却以降何も記載されていないので、警備室に鍵が来たのが最後となっています。
台帳に記載させずに鍵を渡していたとしても、記録には残っていないので、警備室に鍵が返却された後に消えたという記録になるのです。
これでは警備員が鍵を紛失した、という事になりますね。
よほど鍵を借りた従業員がそんな嘘をつくとは思えませんが、責任から逃れようとすればそんな発言をする人もいるかもしれません。
以前、私は一度返却された事務所の鍵を数分もしない内に、同じ人物が忘れ物をしたという事で、鍵を借りに来た従業員へ、台帳へ記載させずに貸した事があります。
これはやってはいけない行為です。
しかし、その時に鍵を記帳させずに貸すという危険を説明して、違反行為だと理解したうえで、従業員も納得のうえ貸しました。
こんな説明をする位なら、何も言わずに台帳に記載してもらう方がどれほど楽でしょうか。
何も言わずに台帳を広げて、名前と時間を書いてもらうだけの行為を面倒がって鍵だけ貸して欲しい、という従業員は少なからずいるのです。
規則を守り守ってもらうのが一番
以前聞いた事がありますが、一度退社した状態で再度事務所へ入ると上司に叱られる、と言聞いた事があります。
鍵台帳に記帳するという事は履歴が残り、後日見た時に事務所へ入りなおしている事が分かってしまうからです。
退社時間に厳しい現場であるほどそれは顕著で、鍵の貸出し台帳を確認しに来るほどでした。
そこまで管理されると、再度事務所へ行こうなんて思わないと思いますが、時には事務所へ大事なものを忘れてしまう事もあるでしょう。
そんな時に、事務所の鍵を借りる、という行為を記録として残したくない人は警備員に泣きついて記帳無しで事務所へ入れて欲しいとお願いしてくるのです。
それが分かっていたから、万が一鍵を紛失したら責任が両者に発生する事を理解してもらったうえで、記帳させずに渡していたのです。
これはどこの現場でもやってはいけない行為です。
いくら面倒でも、記録に残したくなかったとしても、鍵の台帳に記載して盛らぅって鍵を貸すようにしなければなりません。
これは警備員自身を守る為でもあります。