警備員の人手不足の波がここにも来た

警備業界は慢性的な人手不足です。この現場ではまだそれほど人手不足の影響を感じていなかったのですが、最近よその現場で大きな人手不足に陥ったおかげでウチの人員が駆り出されるようになりました。今日もその影響が・・

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人手不足の自転車操業

最近よその現場で警備員が立て続けに退職したようで、勤務が回らなくなるほど大変な事が起きた様でした。

その為によその現場から、休みの日の隊員を駆り出していたようでウチの現場の隊員も休みの日に呼ばれるようになりました。

酷い時はここの現場に入っている日でも連れていかれて、本来彼が入るべきポストに、休みであったうちの隊員が出勤しなければならなくなりました。

警備会社内の事なので人員が不足した時にはお互いが協力して、ポストを埋めるのは分かります。

しかしその穴を埋めるためによその現場の隊員が連続勤務になるほど協力しなければならないのはおかしくはないのでしょうか。

いくら人手不足とはいえそこの現場の人間だけで回らない時は、前もって警備会社側が人を用意するか緊急で求人を出して人を集めるべきだと思います。

営業所側の事情は考慮していないので、あまり偉そうな事は言えませんが現場にいる警備員から見た感じでは

「足りなくなったら各現場から回せば済むだろう・・」

と考えているようにしか見えません。

無理に人を集めてもどうせ辞めてしまうだろうし、新任教育をしても苦労するだけ・・

そのしわ寄せが各地の現場で起こっています。

人手不足の問題点

そもそもの原因はこの警備会社だけの問題ではありません。

警備業界がずっと前から抱えていた人手不足のせいです。

その人手不足というのも、低賃金や過酷な現場環境という理由の為、若手が集まらずその結果定年を迎えた老人に頼らざるを得なくなり、定年後でも雇ってもらえる職業・・または社会からはじき出された若者がどこにも行けず最後にたどり着いた仕事が警備員・・そしてそこに付け込んだ各警備会社が低賃金で雇っている現状・・という構図が私の見解です。

なんとなく間違ってはいないと思うのですがどうでしょうか。

この人手不足を一発で解消する対策があります、それは

賃金を今の1.5倍にアップする

これで大抵の警備会社の人手不足は解消できるでしょう。

求人をいれればガンガン入ってきて人を選び放題、ポンコツな人材を我慢して入社させることもなく会社の人材レベルもアップ、いい事ばかりです。

今の警備業界はお年寄りに頼り過ぎで、そのお年寄りもあと10年もすれば業界内の警備員が半数にまで落ち込むのではないかと思います。

ウチの現場も60歳以上の隊員がちょうど半数いましてこのメンバーは10年後には誰も残っていないと思います。

そんな現状を打開するには若者でも納得してもらえるほどの給料を出さないと、見向きもされないと思います。

その彼らも年をとります、10年後では遅いのです。

人手不足の行き着く先

今の日本は少子化が進んでいます。

この先10年、15年と進むうちに働き手が少なくなるのに仕事はたくさんある。

仕事は上から埋まっていき、警備業の様ないわゆる底辺の現場には誰も来ない・・

そうなると現場ではまともに人員をそろえる事が出来なくなり、廃業になる警備会社が増えてくるのではないでしょうか。

その時残れる会社はどんな事をして人員を確保してきたのか・・

人が生きていくにはお金が必要です。

そう、いかに他社よりも良い給料を出して人員を確保できたかがこの先生き残る条件になると思います。

もう近所の工事現場で警備員を立たせる事なんて出来なくなるかもしれませんね。

今の警備の求人を見ているとこのご時世でも最低時給で募集している警備会社が目立ちます。

会社も儲けを出そうと働き手に負担を強いている事が結局自分の首を絞めている事に気づかないのでしょうか。

その最低時給で応募者がガンガン来てますか?

その最低時給で応募して働こうと思いますか?

団塊の世代はもうそんなに長くは働けません。

10年、もしかしたら5年先にはいくつもの警備会社がバタバタと倒れるのを見るかもしれません・・・

 

ウチの隊員が本当なら休みの日のはずなのに、営業所から自転車操業の人員出動に巻き込まれるのを見て、ふと大仰な事を考えてしまいました。

全国55万人いる警備員のうちの、小さな一人の警備員のたわごとだと思ってください・・。

 

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