施設警備員が勤務する施設内で盗難事案が発生した時に犯罪者を捕まえようとし、警備員がケガをしたというニュースを見る事があります。周りからは警備員がんばった、と見られているのかもしれませんが少なくとも私の経験した警備会社や過去の配属先の現場での指導は「反撃を食らうほど追い詰めるな」というものでした。逃げる車につかまってまで追いかけるのも非常に危険な行為だと思います。
施設警備員と対面する犯罪者
施設警備員が勤務する施設内で、盗難事案があった時、物品を盗んだと思われる人間と対峙する事があります。
もしくは対象者が分かっており、逃げる者を追いかけるという状況もあるでしょう。
たまに警備員に関係した話題で、施設内で商品を盗んだ者を追いかけて警備員がケガをしたというニュースを見かけます。
まさにその場面に遭遇して万引き犯と対峙する、という状況はそうありませんが、現場へ急行して逃げる万引き犯を追いかけるという状況は珍しい事ではありません。
相手も捕まらない様に必死で逃げているので、追いつく事は難しいかもしれません。
しかし中には犯人に追いついて捕まえる事が出来る瞬間もあるかもしれませんが、そう簡単に無暗に相手に触れて捕まえようとするのも危険です。
刃物を持った者からの反撃
最近見たニュースでは、車で逃げようとした犯人の車のドアにしがみつき、振り落とされてケガをした警備員がいたようです。
これはとても勇敢な警備員さんだと思いました。
しかし逆に「よくそこまでしたな」とも思ったものです。
これ一歩間違えば大ケガや死亡事故にもなっていたとしてもおかしくありません。
たまたま振り落とされてケガをしただけで済みましたが、こういった事案の時、少なくとも私の経験した警備会社や配属していた現場では、警備員はそこまで命を張らなくても良い、というものでした。
施設内に犯罪者がいた時、周りの人を盾になって守る努力はするが、基本は周りの人を犯罪者から遠ざける事が重要で、ましてや犯罪者に立ち向かう事まではしなくて良い、というものでした。
もしかしたら相手が刃物を持っていて、いきなり襲い掛かってくるかもしれません。
施設警備員の仕事は「犯罪者を命を張って捕まえる」というものではありません。
警備業は命を張る仕事なのか
警備員は犯罪を未然に防ぐ為の仕事、というものではないでしょうか。
ましてや車で逃げようとしている者を、車両にしがみついてまで追いかける行為は下手をすると逃げられた挙句、警備員が大けがをする事になります。
この様な場面に遭遇した時は、車両の特徴やナンバー更に、人物の特徴を控えて置き、後は警察へ通報し任せるという指導を受けてきました。
確かに勤務先の施設の商品を盗まれるという事は、未然に防げなかったという警備員の落ち度も多少はあったかもしれません。
しかし、その万引き犯を命を懸けてまで追いかける、という契約は警備会社もクライアントもしていないハズです。
犯罪者を追いかけ捕まえようとする意気込みは素晴らしいものですが、余り犯罪者を追い詰めてしまうと今度は警備員の命の危険があります。
出来る限り未然に防ぎ、それでも犯罪を犯す者がいた場合は、警備員自身の身を確保しつつ、速やかに警察へ通報し、決して自分で捕まえようと思わない様にした方が良いと思います。