警備員の世界は広いです。色々な職業を経験してきた人と出会う事が出来ます。以前は警備業界に対してクライアントの立場にあったような職業の人も居れば、数日前までホームレス生活をしてたのではないかと思う様な人も。そんな人たちでも警備業界に来ても、優秀な人とポンコツな人に分かれるのです。
言われた事しか出来ない警備員
前職がどれだけすごい経歴でも、警備員から出禁にされてしまうホームレスの様な人でも、警備員になると仕事が出来るかどうかはっきりわかります。
警備員という仕事はブラック企業の多い職業です。
これは残念ながらよろしくない称号ですが事実です。
そんな企業の多い職場でどれだけうまく立ち回れるかは、前職の影響を受けません。
いくら有名大学を出て人がうらやむような仕事と高給を貰っていたとしても、いざ警備員になったからと言って警備員として優秀な行動が取れるとは限りません。
また、ぼろぼろの身なりで出勤してきて、近寄ると体臭が気になる様なまるで先日までホームレスだったのでは、と思わせるような人が気の利いた行動が取れるなんて事も。
警備員の仕事は前職は関係ありません。
どんな仕事でもそうですが、言われた事しかできないいわゆる「ぶら下がり社員」の様な人はどこにでもいます。
警備業界にもそういった人は少なからずおり、前職がどれだけ輝かしかったとしても、どれだけみすぼらしかったとしても、言われた事しかしない・出来ない人はあまり歓迎されません。
警備員は隊として行動する事が多いです。
一人が「その作業は言われていないので対応しませんでした」では全体の仕事の妨げになってしまうのです。
警備業界はブラックな所が多い理由に、「そんなこと言われなくてもわかるだろ」という様な責のされ方が多いです。
人の教育の仕方が悪い、というのもありますが昔からこの業界のあるあるなので、警備員になる人はこの「言われなくても行動できる」という力がある程度求められます。
良かれと思った行動がすべて裏目の理由
以前の現場で、この言われなくても行動できる、という事で空回りしていた人がいました。
言われなくても行動できるように、と頑張っている様な人でしたが誰から見ても
「やる事成す事全て裏目に出ている」
様な人でした。
言われなくても行動するのは良い事なのですが、どう見てもその行動は誰も求めていない、というものばかりで逆に隊長や周りから「余計な事はするな!」と叱られていました。
傍から見ていて、警備員としてがんばって期待に応えようとしているのは分かるのですが、彼の行動は殆ど空回りしていました。
自分で良かれと思って行動している様なのですが、それは自分自身の気が済めば良い様な行動ばかりで、警備員としてやるべき行動では無かったのです。
何をしたら役に立つのか、警備員として何を求められているのか、その事を理解していないと周りに迷惑を掛けるばかりで周りから無能呼ばわりされてしまうのです。
警備員らしい行動とは
警備業界の中にも出来る人と出来ない人とに分かれています。
しょせん警備業界、出来る人と云ってもたかが知れていますが、警備員としてやるべき事が出来ないと人の命に係わる事や、委託先の財産を失う様な大失敗をしてしまう事だってあるのです。
警備業界の下を見ればきりがありませんが、それでも自分がそんな人間にならない様にするにはどうしたら良いのでしょうか。
警備員らしい行動とは何なのでしょうか。
「どれだけそこの現場の規則を把握しているか」
これを熟知して言われる前に行動出来れば大抵失敗するような事はありません。
例えば、何かあったら勝手な行動はせず「まずは従業員に確認」という決まりがあるのに、目の前のお客様が困っているからと言って警備員の判断で対応するのは
困っているお客様の問題を待たせる事無く素早く解決した。
と一見良さそうに見えますがこれは警備員として失格です。
初めに「従業員に確認」という規則があるのにそれを無視したからです。
まあ、規則などは関係の無い一般人としてこの行動をしたのであればこの行為は褒められるものではあるのですがね。
しかし、我々は制服を着た警備員です。
決まりの守れない警備員は、雇う側からすれば「要らない警備員」なのです。
これは警備隊として見ても同じです。
隊や現場の規則を守れないといつか大問題を起こす可能性があるので、そんな人は居て欲しくはありません。
これはどこの企業でも同じですよね。団体行動が出来ない人は外されるのです。
いや、もしかしたら前職でもそういった行動が出来ないから警備業界に流れて来たのか、と思わせる人は何人も見てきました。
そういう人は、警備業界に来ても結局同じ様に団体行動や決まりが守れないので最後には問題を起こしてそこの現場を出禁にされてしまいます。
現場の規則が守れて団体行動も完璧でないにしてもある程度できれば、警備員として上手くやっていけるでしょう。
規則を守りつつ周りに気が配れれば、クライアントの従業員からも信頼され、いくらブラック企業の代表格と言われる警備員でも「頼れる警備員さん」とある程度リスペクトされると思います。
職場で尊敬されないまでも「要らない人」とならない様、行動や言動には気を使いましょう。