警備員の仕事は誰にでもできる仕事、と求人に掲載されていたりしますが、現役の警備員から見て、また過去の新人の警備員さんを見てきて、施設警備員に限っての話ですが、物覚えの悪い人は残念ですがこの仕事は向いていないかもしれません。まあ、物覚えの悪い人と一言でいっても個人差があるので、どの程度のもの覚えの悪さかという基準は難しいかと思うので過去の例を見てみました。
施設警備は覚える事が多い
警備員の仕事は警備以外の仕事と比べて比較的単純だと思います。
求人の文面にも「誰にでも出来る簡単な仕事」などと掲載されていたりします。
しかし、実際に働いてみると施設警備の現場は労働自体は楽な方ですが、そこへ至るまでの覚える事が多い印象があります。
交通誘導業務の覚えるべき内容は分かりませんが、施設警備業務としては巡回路を覚えたり、施設内の重役クラスのかたの顔を覚える、または鍵を借りていく人の顔を覚えたりと、記憶しておくべき事柄が多く、挙げたらキリがありません。
警備の仕事はラクに覚えられる、という印象を抱いて入社した人にとって、このギャップのせいで1週間で辞めてしまう人も多いのかもしれません。
また、簡単な仕事と聞いて入って来た物覚えの悪い人にとっても
「覚える事だらけで話が違う」
と長く続けられないのかもしれませんね。
物覚えの悪いという基準はどこにある
もともと物覚えが悪い人が、警備の仕事は簡単で誰にでもできる仕事、と聞いて入って来た人も多いと思います。
物覚えが悪い為に色々な仕事が長続きせず、やっと警備の仕事ならと思って入ってみたはいいが、施設警備の仕事は覚える事だらけでとても続けられない、という人もいるでしょう。
今まで新人の警備員さんに研修として指導して来た時、多くの新人さんが
「覚える事が多くて辛いです」
という声を聞きました。
中には自分には覚えきれない、と1週間で辞めてしまった人もいますし、覚える事が多くても何とか辞めずに食らいついて続けた人もいました。
また、新人ではなく元からいた警備員さんで物覚えの悪い警備員さんも何人も見てきています。
物覚えが悪いという基準は現場や人によって変わるので「これ」というものは判断しずらいですが
・巡回路を1か月経っても覚えられない
・出入管理業務の対応を何度も間違える
・何度指導されても同じミスを繰り返す
パッと思い出すだけでこれだけ出てきますが、実際はもっとたくさんあります。
周りの隊員さんと比較して「ああ、普通の人が覚えるスピードより劣るな」と感じたり「他の人ではやらかさない様なミスをする」様な事もあります。
他の人がやらかさないミスというのは、他の人は1度の指導だけで失敗しない所を、物覚えの悪い人は1回の説明では頭に記憶できない様で、周りの人も
「そんな事で失敗したの!?」と驚く様な事でした。
警備の仕事はラクな仕事というのは間違いではないのですが、それはあくまでほかの仕事と比べてラクな方である、という事でもあり覚えるべき事は覚えなければならないという事でもあるのです。
現場によって覚える量が異なる
施設警備業務は覚える事が多い、といいますが全ての施設警備の現場が同じとは限りません。
現場によっては、他の施設の現場よりも覚える量が1/10で済んでしまう様な所も少なくありません。
物覚えの悪い人が、1週間で音を上げてしまう様な現場でも、覚える量の少ない現場であれば、辞める事も無かったかもしれません。
覚える量の少ない現場は、比較的ヒマな現場に多い印象があります。
覚える量も少ない、そして業務も忙しくなくのんびり仕事ができる。
そういった施設の現場は、物覚えの悪い人だけでなく、多くの施設警備員さんが羨む現場でもあるかもしれませんね。
しかし、初めにそういった現場に配属してしまうと、その人の中に施設警備の現場の基準が出来てしまい、もし別の現場へ異動するよういわれると、その異動先の業務量に面食らって辞めてしまうかもしれません。
初めからぬるま湯な環境で仕事をすると、他の現場では使い物にならない警備員が誕生してしまうのです。
物覚えの悪い人が長続きしない施設警備の現場は、配属先によっては長続きするかもしれないが、その現場以外では全く役に立たない警備員になってしまう恐れもあるという事です。