今の現場では仕事上やりにくい高齢の警備員さんは居ません。まあ、居たとしても高齢に限定されない範囲でいるといえばいますが・・。そんな高齢警備員さんですが、結構仕事をするうえで面倒な事になる事が多かったですね。
年下に言い負かされたくない
今の現場では私よりも年齢が上の方は何人もいます。
しかし、業務に関してみな素直に聞き入れ、実行し日常の業務に差し支えるような事はありません。
いや、普通はそれが当たり前なんですが、以前の現場では高齢者の警備員の内数名が、非常に厄介な態度を取っていて隊長の業務をはじめ、他の隊員さんたちの仕事にも支障が出るような状況でした。
会社側にそれを伝えても「決定的な業務違反をしている訳でないから」といい余り本腰を入れてはくれませんでした。
まあ、恐らくそれ以外に外した後の人員の確保が容易でないのも理由の一つだったと思います。
おかげで彼らと一緒に勤務した数年間は、仕事が警備隊の内に向いた状態で、本来の対象施設に全力を注げていなかったように感じます。
そもそもなぜ彼ら高齢警備員はそこまで反抗的だったのでしょうか。
高齢警備員というのは彼ら以外にも何名か在籍していましたが、彼らほど態度も悪くありません。
まあ、なんとなく原因は分かっているのですが、もともと自分たちよりも年が下の者であるという事と、自分たちの方がこの現場での勤務が長い、という事だと思います。
「自分たちの方が前からここにいるので後から来た若造が偉そうな事を言うな」
という事なのです。
そんな気持ちで我々を見ているので、何か仕事の事で指示や指摘をされると陰で言い訳や屁理屈を言っていたそうです。
何か言われて素直に聞く事が出来なかったのでしょう。
明らかに業務的にこちらの方が正しくても、何かにつけて反論したいみたいでした。
後半はもうそんな態度に見切りをつけて、放置していた分仕事に専念は出来ました。
それでも相変わらず、他の隊員さんに賛同を得ようと陰でこそこそ文句は言い続けていたそうです。
彼らの周りには、もう彼らを信用する人物もいなかったので誰も聞き入れようとはしていませんでしたが。
そんな変なプライドだけで偉そうな事を言っていては、誰も信用はしませんよね。
仕事が出来ないくせに主張は一人前
そんな変なプライド以前に、彼らには警備員としての仕事の在りようが理解できていなかったのもみなが離れた原因の一つです。
後から資格を取得した人間が配属されるようになり、偉そうにしていた化けの皮がはがれ、ただプライドの高い高齢な警備員というのが知れたのです。
私を始め他の資格を持った警備員は、明らかに業上で間違った事は言っていないので、一見厳しい事を言っているかもしれませんが正論です。
それに気づいた周りが正しい物の見方が出来るようになったのです。
仕事は出来ないくせに「自分は隊長よりも前からここにいたんだ」と偉ぶっても所詮それ異常な事は出来ないのです。
そう、知識が無いのでそれ以上何もできないのは当たり前です。
ただ10年も同じ事をしていたから、その先も同じ事だけならできる、しかし施設警備員としての何か高度な知識または対応が出来るかと云えば出来ない。
これでは何の向上もなければ、他の現場では絶対に使い物にならない。
実はそれは本人も分かっているので、絶対のその現場から離れようとしないし、会社から違う職場の斡旋が来ても何も出来ない人間だという事がバレるので絶対に受けない。
もうそういった事が殆どの人に見透かされているので、彼の周りには彼に似た人間しか残っていませんでした。
しかも10年以上も在籍しているので、会社に対しては偉そうな態度を取ったりもしていました。
自分はロクにまともな仕事もできないのに、事務手続きの事で営業所側のちょっとした手違いにも「そんな小さなミスなのにどんだけ低い沸点で怒っているんだ」という様な出来事もありました。
まさに怒れる老人の代表格かと思うほどです。
自分の仕事ぶりに対してよくあそこまで他の人に強く言えるな、と。
今となって彼には本当に「反面教師」として新人の警備員さんたちのお手本になっていただき感謝をしています。
中にはしっかりした人も居る
こんな警備員は全国どこの警備会社にも普通にいるのかもしれません。
特に高齢者の警備員は今や当たり前の様に在籍しているので、年齢からくる短気な所は生理学上仕方のない事だと思います。
しかし、高齢警備員の人全てがこんなどうしようもない高齢警備員ではありません。
私の現場にもいましたが、中には年齢の割にしっかりした警備員さんもいるのです。
何年在籍していても腰の低い警備員さんや、知識も経験もレベルが高く、人に教えるにしても偉ぶる事なくそんな高齢警備員さんもいます。
以前商業施設で勤務していた時にもそんな人は数名いました。
しかし、現実的にそういった高齢警備員さんは本当に少ないです。
今まで出会って来た高齢警備員さんの10人に1人居るかどうかだと思います。
こんな優秀な警備員さんが少ないのは、どうしようもない高齢警備員たちと一緒に仕事をして、自分も同じ様な見られ方をするのが嫌になって警備業界から抜けてしまうのも原因の一つなのではないでしょうか。
そんな優秀な高齢警備員さんが抜けてしまわない様、周りがしっかりサポートしてあげて欲しいと思います。