警備員は勝手な行動をするなと言われていますが、それは現場の状況や警備員としてのあるべき行動を把握していない人に向けての言葉です。前の職場で似たような事案を対応した事があるから、と勝手な事をする新人警備員がいますが、警備員としての行動は、前職の時と同じ行動をしても正解とは限らないのです。
警備員としての事案対応はまずは報告から
警備員としてある事案の対応をいくつか経験してきて思ったのですが、警備員以外の職業での対応と、警備員としてその事案に対応するのでは同じとは限らない、ということです。
警備以外の仕事では、その人の力量で対応できてしまう時はその場で事案が終了することもあります。
また、対応しきれなくなっても誰かに投げてしまう事もあるかもしれません。
しかし、警備員の仕事は非常に面倒でも何はともあれまずは報告です。
自分一人で対応しきれそうな簡単な事案でも、その警備員の経験が浅ければ浅いほど、勝手な行動は許されません。
いくら「これすぐに済みそうだ」と思っても警備室や防災センターへ無線を飛ばしてからどんな行動をするのかという指示を待つのです。
こんな場面はよそで経験したらか大丈夫は通用しない
先日もまだ警備員になって日の浅い隊員さんが、ある事案に遭遇し一人で対応しました。
引継ぎの時に一人で事案を対応したという報告を受け、先輩警備員からどの様な簡単な事案でもまずは報告するように、と指導を受けたようです。
事案の内容もお客様からのクレームだったようですが、その新人警備員は「前職でも似たような対応をした事がある」という事で、一人で対応しました。
というかむしろ
「私は助けもなくトラブルを解決できますよ」
と自慢げに話していたそうです。
新人警備員は功を焦りすぎるので注意
新人の警備員さんは、周りの先輩警備員さんたちに1日でも早く追いつこうと一生懸命になっています。
それは別に悪い事ではなく、周りの先輩警備員さんたちも新人警備員さんに少しでも早く仕事に慣れて欲しいと思っています。
しかし、早く役に立ちたいという思いから、時にはそれが空回りして警備員らしい行動から外れてしまう事もあるのです。
警備員の基本はまずは報告、連絡、相談です。
よほど一人で対応できてしまう警備員さんもいますが、そういう警備員さんは様々な事案を経験しており、どこまで一人で対応してよいか、という引き際もわかっているベテラン警備員です。
そんなベテラン警備員ではない新人警備員さんは、何か事案が発生した場合まずは報告です。
報告を受けることで、新人さんでも対応できそうであれば、そこで初めて対応するよう指示が出ることでしょう。
この流れが警備員としての事案対応なのです。
これが警備業以外の企業であれば、報告するという決まりは特になかったりするでしょう。
警備員という仕事はクレームが入りやすい仕事でもあるので、もし勝手に事案対応をして問題が大きくなった時に、対応をした警備員さん一人の問題ではなくなってしまいます。
クレームが下手に大きくならない様にする為にも、まずは報告し事案の大きさの程度を判断してもらう必要があるのです。
新人警備員さんはこの流れがまだ理解できていないので、とりあえず
「勝手な事はせずにまずは報告せよ」
と指導されるのです。