たとえ警備員でなくても相手に対して「土下座」をさせる発言、そして実際に土下座をさせる行為は「強要罪」に当たる様です。先日も理由は分かりませんが、警備員がお客様に対して土下座をしている、というニュースが話題になりました。土下座をさせるのはどうか・・という話をよく目にしましたが、現役の警備員として土下座まではいかなくても、そう言いたくなる様な情けない警備員も実際に居たりします。
土下座をするほどの事案なのか
今回、大阪万博で警備員がお客様に対して土下座をしている、というニュースがありました。
画像や人づての情報なので、お客様が警備員に対して土下座を指せたのか、警備員が自発的に土下座をしたのかわかりません。
この違いは大きく、もしお客様が警備員に土下座をさせたのであれば、状況によっては「強要罪」にあたるとも言われています。
これは過去にもコンビニの定員に対して客が土下座をさせ、それを動画にとってSNSに公開し、問題にもなりました。
確かに客に対して従業員が失敗をした時、謝罪するのは当然ですが客側が自分の気の済むまで従業員に何かをさせようとするのはやり過ぎです。
この自分の気の済むという結果が従業員に土下座をさせる、という事になるのでしょう。
そしてその土下座が、発生した問題に釣り合っているのか、また土下座をさせる行為が強要罪にあたるかもしれない、という認識があるのかという事です。
今回大阪万博で、警備員がお客様に対して土下座をしていた画像を見ましたが、これだけではお客様が土下座をさせた、とは言い難いです。
発生した問題に対して、警備員が最大限謝罪しようと思った結果の土下座の可能性もあります。
警備員が土下座をしている、という事は少なくとも万博の運営に対して何か問題があったのかもしれませんが、警備員に非があったのか運営のカスタマーサービスに問題があったのかそれは不明です。
警備員の質も実際に大きく異なる
警備員がお客様に謝罪をするという場面は、なにも今回の万博だけでなく、日ごろから警備員が勤務している現場でいくらでもある事です。
全国的に話題になっていないだけで、まわりにお客様に土下座をしている警備員がいると言われても何らおかしくはありません。
お客様への対応が上手くない警備員は別に珍しい事ではありません。
多くの警備員さんはクレームを貰う様な事も無く立派に勤務していますが、中には一生懸命やっていてもどうしても上手くいかない人も居ます。
気付きの悪い人や、相手の事を思って行動できない人など、警備員としてあまり向いていない人も居るのです。
ただでさえ警備員に対してあまり良い印象を持っていない人からすると、その様な人は格好の餌食となり、怒鳴られたり酷いと土下座をさせたりするのです。
サービスを提供する警備員全員が必ずしも、満足の行く対応が出来るとは限りません。
それは警備員として働いていると、警備員でも仕事の出来に大きな差がある者がいる事をよく知っているからこそ、何か問題が起きても「警備員の責任ではない」と言い切れない所でもあるのです。
正しいクレームの出し方
それでも、お客様側が施設やそこで働く従業員に対して納得がいかない事も有るかと思います。
その時に、その場の人間に文句を言いたい気持ちも分かりますが、その場で怒鳴り散らしていては、それを見た人によっては
「客が従業員に過度に怒鳴っていじめている」
と見られる可能性もあります。
自分は悪くないのに人によっては悪者にされる可能性もあるのです。
今回の大阪万博の件も、もしかしたら警備員に非があるのに、また警備員が勝手に土下座をしているのに、さも客側が強要しているとみられるかもしれないという事です。
これを避けるには、その場で従業員に詰め寄るのではなく、運営の問い合わせ先に苦情を入れるか、もっと大勢の関係者を呼んで話をするのが良いと思います。
1対1では状況が進まない事も多く、警備員が勝手に土下座をしたのであれば、傍から見ると客側に分が悪くなってしまいます。
その場の怒りを収めるのは中々難しいかもしれませんが、警備会社や運営基にクレームを入れるのが周りに誤解を与えずに済みます。
クレームを入れられる様な警備員も普通にいる、という事と行き過ぎた謝罪を求めるのは強要罪にあたってしまう、という事を理解しておく必要があります。