警備員の経験の少ない人は、警備隊というものをまだあまり理解しておらず、空回りする場合があります。それを正す事が出来れば良いのですが、自分が正しいという思いの強い人は周りから孤立し、気づけば隊の人全てを敵に回すなんて事も。そんな隊員がうちの隊の中に居ました。
仕事も出来ないのに偉そうな事を言うな
警備員になって間もない時は、先輩警備員の知識の深さに気づいていません。
まあ、出来る警備員と出来ない警備意の見分けなんて外見からは出来ないので、なんか偉そうにしやがって、と思っている新人警備員さんも多いのかもしれません。
出来る警備員さんと仮定すると、新人警備員と先輩警備員とはものすごく多きな知識と経験の差があります。
人を見た目で判断しない、という事をよく理解している普通の人は「先輩警備員の知識の多さ」と自分の無知さを理解して、余計な事は言いません。
しかし、今回問題になった後輩の新人警備員はそういった事が読めない様でした。
先輩警備員が指導しても、その場では話を聞くのですが「偉そうな態度を取りやがって」という反応をしたり、回りの隊員さんに愚痴を言ったりとしているそうです。
せっかく仕事の事で指導指摘しているのに、その隊員さんが業務の事で些細な間違いに対して
「〇〇さんのしている事、おかしくないですかね」
と指摘された事に対する仕返し?の様な発言をしてきたそうです。
まだ知識も経験の無い後輩警備員が、言われっぱなしなのが嫌なのか先輩警備員の仕事の行動のミスを指摘したのです。
その先輩警備員は
「自分は失敗ばかりで人に偉そうな事言える身でないのに、よくあんな発言をするな」
と驚きと怒りが混じったような反応でした。
まあ聞く限り、その先輩警備員さんの行動は指摘されるような事かもしれませんが、その指摘をして良いのは
「失敗ばかりで周りに愚痴や文句をすぐに言う、人から教えを受けている」
の様な、警備員として未熟な者ではないと思います。
自分が仕事が出来ないのに、それを見捨てる事無く熱心に指導しているのにもかかわらず、その人に対して偉そうに仕事のミスをつつくような事は普通は言いませんよね。
こじらせた中年警備員に多い
ここで新人警備員と言っていますが、警備業界は途中入社の警備員も全て新人警備員です。
今回問題になっている新人警備員は50歳も過ぎたおっさんです。
いい年して、人に指摘されたのが気に障ったのか、よほど言い返したかったのでしょうね。
警備員という底辺な仕事にまで落ちぶれて、仕事の事で指摘されるのがよほど嫌だったのでしょうか。
自分もその警備員になっているのに・・。
まあ、今回の例はもしかしたら意外と多いのかもしれません。
今まで、警備業界よりもはるかにホワイトで、営業で回って来る下請けの会社に対して偉そうにしていた仕事から一転して警備業界に来た時、その時の偉そうな気持が残っていると、警備隊の中では一番下っ端になり指導や指摘を受けたら逆上するのも無理な話ではありません。
「俺は過去こんなに偉かったのに」
という気持ちが警備隊の中でも偉そうな態度が出て、周りの隊員たちから総スカンをくらう。ものすごく良く分かる話です。
普通は警備員になる時に、自分より若い人間から理不尽な事を言われるかもしれませんが大丈夫ですか、などどいった面接を受けているはずなのですが、人手不足が続くとそういった質問もされず、自分よりも若い先輩警備員から指摘されると「キレる」ような人間も採用してしまっているのでしょう。
そもそも、そのような事は現場では普通にあるのですから面接のときにその事をしっかりと伝えない警備会社側も悪いのですがね。
殿様企業に勤めていた人や、中途半端にそれなりに高い役職に就いていた様な人は、警備業界へ来ると今までへこへこ頭を下げられていた時の気持ちが抜けず、偉そうな態度を取り、周りの警備員から嫌われるのです。
新人なのだから発言は控えめに
新人警備員は経験者から見ると本当に何もわかっていません。
そして、警備隊とういうのは10人程度の隊でも立派なヒエラルキーとなっていて、新人警備員はその一番下の人間です。
何も知らないのにしかも一番下っ端。
そんな人間が、偉そうな態度を取っては警備隊の中でやって行けるはずがありません。
同じ職場なのだから全員、権利も身分も一緒ではないのです。
警備業界がブラックと言われるのにこういった面があると言われますが、それは一部の勘違いした警備員が権利を振りかざしているだけで、本来この上から下へ指令が降りる組織は必要なのです。
人命を守る時にこの組織があるからこそ、人がスムーズに動けるのであって、新人の警備員が偉そうな態度を取り、上の指示を気に入らないからと聞かなかったら命令系統は破綻します。
新人はいつまでも新人ではありません。
時間が経ち、さらに新しい警備員が入ってきた時今度はその人が指導する必要があります。
それまでは、経験と知識のある先輩警備員の指導を、多少理不尽な事もあるかもしれませんが聞き入れ、その警備隊を繋げていかなければならないのです。
まあ、初めから長居する気の無い人には、そんな時間のかかる事を云っても無駄なだけですが。