人に仕事を押しつける人がいます。これは警備業界内に限った事では無く、どこにでもいる人の話です。ある仕事を自分がするのが嫌で押し付けている、という事ではなく「自分は仕事をここまで頑張ってやっているのだからお前も同じ様にやれ」といった感じです。
その仕事そこまでやる必要があるのですか
先日、警備の引継ぎをしたときに、特にしなくてもよい業務を引き続きやるよう伝えてきたのです。
引継ぎ内容なので、隊長だとか普通の隊員だとかは関係ありません。
どんな内容の事でも、引継ぎ事項はあります。
しかし、今回引継ぎ内容に出てきた話は日常の業務ではしていない事だったのです。
この警備員は毎回こういった、日常的に業務としていない様な事を、ある程度警備員のやる仕事な範囲として他の人に引き継がせるのです。
警備員としての仕事かけ離れていたら
「そんな事はしなくてもいい」
と一蹴できるのですが、警備業務として成り立つ行動を自分で勝手に行い、それを他の隊員さんにもやらせようとするのです。
例えば・・
当敷地内の違反車両を日常的な業務として行っています。
これは駐車場を巡回中に、許可証が掲示されていない車を見つけた時に「違反」というチェックをする業務です。
しかし、彼の場合は
「さっき警備室前を許可証のなさそうな車が通ったから、もしかしたら違反車両として駐車場に止めているかもしれないから見ておいて」
といった具合です。
これは一見、警備員の業務としては成り立ちそうな感じがします。
しかし、違反しているかもしれない車を探すような事は仕事としてはクライアントからは受けていないのです。
もし、そういう必要があればそれはクライアントが指示を出すレベルの話です。
警備員が勝手に仕事を作って他の警備員にやらせていけません。
これは例え話として紹介しましたが、彼はこういった「なんでお前が新しい仕事を作って他の警備員にやらせるんだ」といった感じの引継ぎがよくあるのです。
自分で勝手に仕事を増やして、自分がやったのだから引き続きお前らもやれ・・といった雰囲気が他の警備員さんに伝わるのです。
自分がやっている事は正しいと思い込んでいる
この
「自分がせっかくこの作業(本来の仕事ではない)をやったのだから、お前らも引き継いでやれ」
といった感じの引継ぎは、他の警備員さんも引き継ぎとして受けているので、なんでこんな事をしなければいけないのか・・という空気になっているようです。
以前に、彼本人に「いや、そんな事までしなくていいよ」と話したことはありますが
「いや、これは警備員の仕事でしょ」
と冗談交じりに反論された事があります。
確かにやっている事は警備員の仕事の一つかもしれません。確かにそれは警備員の仕事かもしれませんが、契約としてやるべきものなのか、そしてそれを指示として出す事が出来るのは、隊長でもないましてや何の役職もない警備員でもなくクライアントにしか権限がない事を理解していません。
そのクライアントしかやらせることが出来ない仕事を、一人の警備員が勝手に作って他の警備員にもやらせようとしているのです。
ある意味、彼自身の正義感からその仕事を勝手にやっている様なのですが、契約ない事を自分たちもやらされている・・という空気を他の隊員さんも感じているので若干嫌われている状態になっています。
勘違いした正義感が嫌われていく
警備員の仕事を警備員としてやる事は当たり前な事であり、そしてその事で誰も文句は言いません。
しかし、本来契約にもないやらなくてもよい事を、さも「警備員の仕事として当然だろ」と堂々と言われると、誰もが納得させられそうになってしまいます。
しかし、契約に関して理解している人間にしてみれば「責任を取れないような事を勝手にするな」この一言に尽きます。
こういう行動を起こす人間に限って、問題が起きた時に自分で責任を取らずに
「自分は引き継いだだけで、やったのはその後の人です」
なんてことを言いだします。
これ、引き継いだ隊員さんはたまりませんよね。
やっておくよう言われて、責任は取らされるのですから。
そんな勝手な引継ぎが毎回あると、何が契約の範囲の事で、何が勝手にやらされているのかみんな分からなくなってしまう事でしょう。
そんな彼に対してだんだん不信感と嫌悪感が増えて、嫌われていきます。
みんな彼に対して表面上は事を荒立てない様、普段何気なく会話しているようですが、たまに他の隊員さんから彼に対する愚痴は上がってきます。
前にも本人には話しているのですが、彼自体が「自分は警備員としての仕事を全うしてるだけ」と思い込んでいます。
とりあえず、「引継ぎだけはしておいて契約からずれている様な内容だったら無視していい、責任は取るから」と伝えました。
仕事は出来る人なので、こういった勘違いした正義感さえなければ頼もしい人材になるのに残念です。