扉のガラスを割った犯人は従業員だったお話し

以前、ある建物の扉のガラスが割れた事がありました。他の人が気づく前や警備員が巡回時に見つける前に本人が警備室へ申し出てくれたので、特に騒ぎになる事なく収束しました。その日は私がちょうど勤務に入っており、申し出を受けたのも私だったので、その時の従業員の方の申し訳なさそうな表情を今でも覚えています。

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建物にはたくさん出入り口がある

ここの現場は建物がたくさんあり、そして各建物から外へ出る扉もたくさんあります。

更にその各扉は自動ドアや、様々な種類の鍵で施解錠をする扉になっています。

暗証番号や、シリンダータイプの鍵やカードキーなど・・まあ、施設警備員の方なら大抵触った事のある仕組みの扉がここにはあります。

私が商業施設に居た頃には経験した事のない種類の扉がたくさんあり、とても良い経験になっています。

 

その色々ある扉ですが、ある日その一つの扉のガラスが割られた事がありました。

結論から言うとそれは不審者が侵入する為でもなく、ここの従業員が夜遅くにある事情で割ってしまったのです。

しかも自分からすぐに申し出てくれたので、他の人が「泥棒かも!」という事案に発展する前に収めることが出来ました。

扉のガラスを割ってしまった理由も恥ずかしい出来事であり、内容を聞いた限りでは「よく申し出して頂けたな・・」という事でした。

ガラス扉を割ったのは侵入者では無く従業員

その従業員の方は夜遅くに残留者として仕事をされていたようで、周りにはもう人が殆どいないような時間帯でした。

その夜も遅い時間帯に、どうやらその扉から外の空気を吸うために出たかったようです。

扉を開けたは良いが、閉まりかけた扉を足で止めようと「エイッ!」と押したようです。

ちなみにその扉は全面ガラスで出来ています。

聞いた限りでは、足を掛けた瞬間にガラスが割れた様です。

まあ、単純に考えて閉まりかけた扉に足で押し戻そうとすれば、まあまあな力がかかりガラスであれば割れるかもしれない・・という考えは誰もが思う事でしょう。

その従業員の方は、私が出入管理をしている警備室に来て

 

「すみません、扉のガラスを割ってしまいました・・」

 

と申し訳なさそうに言って来たのを覚えています。

その言葉を聞いて、初めは意味が分かりませんでしたが、場所と扉の位置を聞いて段々と状況が把握でき、巡回中の隊員さんに無線を飛ばし現場を確認してもらいました。

とりあえず写真を取り、クライアントに朝報告しました。

 

幸い、本人には何のケガもなく、真夜中に救急車騒ぎにならず良かったと思います。

うまい具合にガラスが割れた様で、万が一スリッパ履きな状態では大ケガも十分あり得ました。

ケガもなく、周りに誰も居なければ逃げてしまう事も出来たでしょうに、ちゃんと警備室に申し出てくれた事については当時も感心したものです。

黙っている事も出来たはずだが

悪さをしてその場から逃げ去る・・

という行為はよく聞く話です。

 

バレなければ・・

 

というとても許される事ではありませんが「誰も見ていない、自分だという証拠もない」・・と云う状況下でもちゃんと申し出してくれた事はさすがだと思いました。

その方は、役職のある方であったからです。

人をまとめる位置にいる方が、悪さをしてもちゃんと責任を取る・・という行動はどんな職種であっても、当然な事でもあり立派だと思います。

これがもし、役職も無い様な従業員であったら、侵入事案に発展して警察沙汰になっていたかもしれません。

夜中で扉のガラスが破壊されていたので、十分侵入事案対象ですよね。

 

どんな小さな問題でも、隠さずにちゃんと説明するという事は警備員が仕事をするにあたっても重要な行為だと思い知らされた出来事でした。

 

 

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