施設警備員の仕事を日頃から見ていて「他の人でも出来る簡単な仕事」と思う事があります。受付でも巡回、立哨など別に警備員でなくても良いのです。ジャージを着たおっさんでも、スーツを着た若い兄ちゃんでも良いのです。しかし、そこには警備員だからこそ、という無くてはならない理由がもしかしたらあるのでしょうか。
実は誰にでも出来る出入管理
警備員というのは誰にでも出来る仕事。
というフレーズはどこでもよく聞く言葉です。
誰でも簡単に就く事の出来る仕事であり、誰でも覚えられる簡単な仕事。
その為、人が最終的に行きつく仕事、という社会的に地位の低い仕事の印象となっていますね。
まあ、正直それを感じさせるような人が集まっているのを実際に目にするので、あながち間違ってはいないのかもしれません。
そんな警備業界の仕事ですが、我々のしている業務は正直、警備員でなくても出来る仕事ばかりです。
出入管理の受付や巡回など、警備員でなくてもそこの従業員でも十分可能です。
現場によっては人手が足りないだとか、無人な施設の為などという理由で、警備会社へ委託される場合もあるでしょうが、配置基準などの理由を覗いて、警備員である必要はありません。
施設によっては、用務員であったり、設備員が管理している施設もある事でしょう。
警備員でなければならない法律などを覗いて、多くの施設の現場では警備会社でなくても務まるのです。
見た目でやらされている業務ばかり
多くの施設で、警備会社へ業務を依頼するのは何故でしょうか。
受付けや巡回などは人の目に触れる場合が多いですね。
しかし、これ以外にも施設内の鍵の貸し出しや、緊急時での通報や応急処置など現場にもよりますが、警備員の業務は意外と多いです。
そんな多い業務の中でも、受付や巡回など、人目を引く仕事をする時、警備員というのは非常に都合が良いのです。
ジャージや普通のスーツなどよりも、警備員である事の方が施設にとって都合が良い事、それは
「警備員の着用している制服」
です。
多くの警備業者が採用している制服は、色もそうですが、非常に目立ちます。
日常ではあまり見かけない姿、そして警察官の制服に似たその恰好は、たとえ同等の権限がないと分かっていても、ジャージやスーツよりも威圧感があります。
そう、多くの施設で警備業者へ業務を依頼するのは、来訪者に対して目を引く効果と、不審者に対して威圧感を与えるという効果がある為です。
まあ、全ての理由がそうでないにしても、多くの人は「あ、警備員だ」と目を引く事は間違いありません。
関係者以外の人を入れない出入り口や、施設に害をなす人物に対して抑止力を与える効果のある制服は、警備員以外では中々着用することはありません。
更に、警備業者が誕生したいきさつに防火防犯や人や財産を守る、という法律が施設を管理するのにマッチングしているのも、その理由の一つでしょう。
いまや警備員は受付や巡回だけでなく、救命や災害時の対応など幅広い業務が出来るようになり、設備の人や用務員の人でも任せられる仕事の範囲を越えたジャンルにまで役に立てるようになっていると思います。
そんな中、受付や巡回などの業務しかする事の無い施設で契約している施設警備員は、一見他の誰でも出来る仕事と不安に思う事があるかもしれませんが、制服を着用する事で、周りに対して目を引く印象を与えたり、不審者に対して抑止力を与えている、という意味では決して警備員でなくてもかまわない、という訳ではないと思います。
だからこそ失敗してはいけない
警備員が他の人に任せてもかまわない、と言われない理由があるのは分かりました。
警備員でなければならない
そんな理由だからこそ、失敗は出来ないと思います。
警備員にしか務まらない、という事は逆に言えば逃げ場がないという事です。
警備員以外の業種でも務まるのであれば、委託する側は他のあらゆる企業へ変えてしまえば良いのです。
他の業種がダメであればまたほかの業種へ、と納得のいくまで変えて行けばよいですが、これが警備業でしか務まらないというと、変更する先は警備会社しかありません。
他の誰にでも出来る仕事にもかかわらず、制服を着た警備員が失敗をすると、もう他に行く所が無くなってしまいます。
設備会社は本業の設備業務で仕事がありますが、警備業者ではできません。
極端な話、制服を着ている事で仕事が成り立っていると言っても過言では無いのに、施設業務から追い出されたら行く所はありません。
施設警備員は制服を着て業務をするのがセットになっている仕事です。
制服を着ない警備はもはや警備員でない、と肝に銘じて勤務に従事して欲しいですね。