施設警備員は、警備業務の中にある交通警備員と並ぶ2大警備業のうちの一つです。そのうち施設警備員は主に建物に対して業務をすることが多く、基本的には屋内での業務がメインになります。そんな施設警備員ですが大きなくくりとして1号警備として見てみましょう。
施設警備の仕事は近年増える一方
施設警備員とは主に建物の防火防犯に重点を置いた警備業務です。
その施設警備ですが、1号業務と呼ばれるグループに属しています。
ちなみに外で旗を振っている警備員さんは2号業務といい、交通警備といえばわかり易いと思います。
その施設警備員ですが、ここ数年契約数は増加傾向にあります。
というのも近年、防犯面に不安を抱えるビルのオーナー様や、病院、ショッピングセンターなどが増えてきているからです。
犯罪が増えるのにつれて、防犯面を強化しようと警備会社と契約する・・その結果、施設警備員の活躍の場が増える・・という流れにあるのです。
ユーザーの需要が多い証拠に、施設警備業務を扱っている業者は交通警備業務と並んでダントツに多い業務でもあるのです。
警備業者全体で見ても、この二つの業務で7割もの業者がこの業務を請け負っているのです。
前年比でみても警備業者の総数は約2%の伸びを示しており、警備員の総数に至っては約3%も増えています。
発表はまだですが今年はさすがに下がっているかもしれません。しかしオリンピックの開催いかんでは業者数、警備員数ともに伸びる可能性はあると思います。
むしろオリンピックを考慮しなくても、防犯面の事を考えるとまだまだ成長する産業なのではないでしょうか。
施設警備員というのは、外気に晒されるような仕事もあまりなく季節や気温を気にしない環境下での仕事が多いので、年齢に関係なく始められる仕事でもあると思います。
また、業務内容も力仕事を要求される事のない職業でもあります。
肉体的な労働はあまり必要ない
2号業務でもある交通警備員の仕事は外でする事が多く、夏は暑くて冬は寒い・・という比較的つらい環境下での現場が多いです。
そのため、ある程度の体力がないとなかなか続ける事が出来ません。
その分、お給料もよいのですが体が基本になるので短期でまとまったお金が欲しい方むきな仕事になるかもしれません。
それに引き換え、施設警備員というのは勤務対象が建物になる事が多く、仕事中も建物の中にいる時間が長いので空調の効いている建物内であれば環境は良いといえます。
ですが、いくら建物内とはいえ勤務ですので忙しく動き回ることも多く、場合によっては外で働いているのかと思うほど汗をかく事も多々あります。
重いものを上げ下げする仕事はないのですが、よく動き回る現場での業務の場合歩き疲れてしまう、という肉体的な疲労はあると思ってよいでしょう。
24時間仕事を終えて帰る直前まで椅子に座ってじっとしている・・なんて現場はまずないと思っていいと思います。
10年以上警備業界に携わってきましたが、今のところそんな現場で勤務した事とは一度もありません。
中にはそんな素晴らしい現場もあるのかもしれませんが・・。
いづれにせよ、施設警備員は若い方も年配の方も年齢関係なく始められる仕事だと思います。
この先、施設警備員の高齢化は進む
国内では高齢化社会が進み退職後もお仕事をされる方が増えてきています。
近所の某ハンバーガーショップのドライブスルーに行ってもご年配の女性が受付をしているのを見る機会があります。
コンビニでも、オーナーかと見間違うような年配の店員の方がアルバイトとして働いていたりと、一昔前はアルバイトと言ったら高校生や大学生がする代名詞だった仕事が今では年配者の代名詞になりつつあるのかもしれません。
警備業界でも同様、警備員といったら稼げる代名詞であったのが今では
「高齢者の働き場」
と化している気がします。
現場によっては9割ほぼ年金受給者という所もあり
「本当に警備業務出来るの?緊急事態があっても対応できるの?」
と不安になる警備隊も傍から見ていて思う事があります。
この先、高齢化はまだまだ進み、2025年には3人に1人が65歳以上になると言われています。
2025年というともうあと5年後の話です。5年なんてあっという間です。
その時、社会はどうなっているのでしょうか。
少ない年金のために働かざるを得ない、しかし65歳を迎えて雇ってもらえる仕事は少ない、そのため数少ない警備業務に高齢者がなだれ込む。
結果、それほど体力を必要としない施設警備業務に高齢者が殺到する。
現場はお年寄りだらけに・・
こんな未来がないと言い切れるでしょうか。
今現在でも施設警備業務の現場にはお年寄りが何人も配属されています。
今勤務している現場でも約半数は65歳以上の警備員さんです。
この先、5年後を想像したとき、配属されてくる新人警備員さんがみな65歳以上だったら現場はちゃんと機能するのでしょうか。
AI化の進む中、警備業務も人がいらない警備が当たり前になった時、高齢者だけでなく私もお払い箱になるのかもしれません。
その時、必要なくなった人で街が溢れてしまうような事があるのでしょうか・・。