警備員の話でよく聞く中に「ベテランの警備員がいつも偉そうにしている」という話を聞きます。実はこれなるべくしてなった現象であり、確かに偉そうにしているのですが、そうなってしまった原因は業界全体の責任でもあるのです。
いつも偉そうなベテラン警備員
ベテランの人が偉そうにしているのは、何も警備員に限った事ではなくどんな仕事でもそのような人は居ます。
警備員の中にもそんな人がいる、という事なのですが実際に警備員になってから、その様な洗礼を受けた経験もあります。
職場で仕事をしていると「そんな事も知らないのか」だとか「まだこんな簡単な仕事も覚えていないのか」などキツイ当たられ方をした警備員さんも少なくないのではないでしょうか。
自分は何年も警備員の仕事をしているのだから、知っていて当たり前ですし、仕事を覚える期間も個人差があります。
自分を基準に考えているから、他の人の事を考えないセリフが出るのです。
この時、ベテランがそのセリフを言う相手は新人の警備員さんが殆どです。
新人の警備員さんは、余りにも言動の酷いベテラン警備員がいた場合、最悪辞めてしまうかもしれません。
しかし、ベテラン警備員にはそんなこと気にしません。
彼は「どうせまた直ぐに、新人が送られてくるだろう」
ぐらいにしか思っていないからです。
古参の警備員と新人の警備員
なぜベテラン警備員の中には、偉そうにしている人がいるのでしょうか。
理由の一つは現場内の環境にあるのでは、と思ったのです。
奥の警備隊の警備員の構成は、ベテランと呼ばれる10年近く在籍している数人の警備員と、3年以下の経験しかない警備員さん、という構成が多い気がします。
10年以上か3年以下か。
そう、ベテランか新人と言われる経験程度の年数しかない警備隊では、ベテラン警備員が新人警備員の仕事の出来に満足していない為に、偉そうな態度をしてしまうのです。
ベテランから新人まで満遍なく、経験している世代のいる警備隊ではモンスターの様なベテラン警備員がいる場合は珍しく、ベテランか新人しかいないとベテランがイライラして暴言を吐くのです。
まだ新人で経験も少ないので仕方が無いのですが、ベテランからすると自分と同じような仕事が出来る人が周りにいないので、ついツラく当たってしまうのです。
まあ、新人警備員さんからしたらいい迷惑ですがね。
ベテラン警備員が新人にひどい言葉を浴びせるので、新人は辞めてしまいまた新たに配属された新人警備員がベテラン警備員から・・。
という負のスパイラルに入るのです。
この様な現場では、なかなか新人警備員が育ちません。
警備業界が人手不足な為に起こる現象
警備隊の中で迷惑なベテラン警備員が新人警備員を潰してしまう原因に、警備業界の人手不足が挙げられます。
警備業界では、一応新人の参入はあるのですが、それ以上にどこの現場でも人が足りないので、人手不足は解消されません。
しかも、現場側ではベテラン警備員が「自分と同じ様に仕事が出来ない」からと新人警備員を偉そうな事を言って追い込むので、入っては辞めてを繰り返してしまっています。
現場側の意見を言うと、1日でも早く仕事を覚えてレギュラーメンバーになって欲しい、という気持ちはあります。
しかし、それを急ぐあまり相手のペースを考えない仕事の押し付けをすると、先ほどの様な「偉そうな態度のベテラン警備員」という状態になってしまうのです。
現場にやっと配属されてきた新人さんを、つい急かす事をするとたとえ悪気が無くても「迷惑なベテラン警備員」になってしまいます。
自分で面接をして、自分で現場指導するという全ての流れを経験すれば、決して現場で新人警備員さんにひどい対応をする事は無いのですが、内勤も現場サイドも誰もが自分の仕事の範囲でしかものを見ていないのが現状なのです。