施設警備員に限らずお客様が警備員に対して何を求めているか考えた事はあるでしょうか。施設警備員側からすると相手に対して嫌な思いをさせないように対応する、という意志はあってお客様が警備員に対してどんな事を求めているのか、まではあまり考えません。一人の利用客の立場で、警備員にどんな事を求めているのか考えてみました。
お客様が警備員に求める事
お客さが施設に来店した時、警備員に対して「こうあって欲しい」と思う事があると思います。
そして警備員側は、仕事をしている時に相手が嫌な思いをしない様な対応を心がけよう、と考えています。
お互い思っている事が一致すれば、どちらも満足するのでしょうが、恐らくお客様が希望している事と、警備員の行動が一致していない為に、警備員に対して不満に思っている人もいるのかもしれません。
一人の利用客の立場に立って、警備員に求めている事はどういったものなのか想像してみました。
・不審者がいないか見回る
・怪しい人物を捕まえる
・店内のゴミを拾う
・もっと大勢の警備員を配置して
恐らく挙げたらキリが無いと思いますが、パッと考えてみてこれだけ出てきました。
自分が利用客として警備員のいる施設へ行った時、警備員の知識が無かったらこんな事を思っていたかもしれません。
しかし、施設警備員として勤務するようになってから、この様な希望をお客様が思っていたとしても、全て叶えてあげられない事も事実なのです。
要望を叶えられない事もある
警備員に対してお客様が「あの客、さっき商品を万引きしていたから逮捕して」
と警備員に申し出てくる人がいます。
施設警備員の経験者の方ならお分かりかと思いますが、この状態では「盗んだ」という行為を直接現認していない警備員は逮捕できません。
もちろん、現場を直接見た人は逮捕する事が出来ますが、現場を直接見たわけでもない他人が、その相手に話しかけて商品を出させ、逮捕をする流れに持って行く事は不可能です。
恐らくこの時点で、「犯罪者扱いされた」と相手に訴えられる可能性があります。
しかし、警察官であれば職務執行法に基づき、職質として声を掛け商品を出させ、逮捕に至る事も出来るでしょう。
まあ、お店から出ていない時点で「購入する意思があったのに」と言われるかもしれないので、あくまでお店を出てからなら問題ありませんがね。
この様に「警備員は警察官と同じ様な権限を持っている」と思っている人も少なくなく、警備員の権限なんてその辺にいる普通の人と何ら変わりはないのです。
ただ、制服が警察官と似ている、というだけなのです。
この様に、警備員に対してなぜあの警備員はこちらの要望に堪えてくれないんだ、などと利用客からしたら不満に思う行動しかしない、と思っている人も少なくないのではないでしょうか。
要望と現実のギャップで失望する
客が要求しているのに警備員が仕事をしていない、なんて思っている利用客もいると思います。
しかし、警備員側からすると「警備員の出来る事なんて限られているんだ」
と、本当なら協力したいところ、警備業法で動く事が出来ないなんて事はよくある事です。
しかし、利用客側は警備業法なんて知りもしませんし、まさか警察官と同じ様な権利は無い、なんて思っていない人もいるのです。
この事から、警備員が提供できるサービスの範囲と、利用客が警備員に求めるサービスに違いが生じ、お客様は警備員に不満を持つ形となるのです。
もう少し「警備員の出来得る範囲」というものを理解してくれれば、利用客も警備員に対して過度な要求をすることなく、警備員に対して無茶な発言もしなくなると思うのですがね。