ウチの現場にはクライアントからクレームを貰いそうな警備員が何人もいます。その中でも足を悪くしてとても走れそうにない年配警備員がいるのですが、これは他の人や我々警備員から見ても「緊急時にあれでは走れないよね」という意見が出てもおかしくありません。それが今回実際にクライアントからやんわりと「あれで大丈夫なんですかね」という話が出ました。今まで会社にさんざんこの人材はマズいから早急に外すか、人手が足りないからという理由で変な人材を送り込むな、と言ってきましたが遂にクライアントからポロっとクレームが出ました。
誰から見ても頼りないと思うはず
施設警備員に限った事ではないかと思いますが、現場にいる警備員さんが一時的なもので無く、慢性的に足や腰を悪くしていて普段から足を引きずりながら巡回しているのを見た時どう思うでしょうか。
「この警備員はきっと走れないから悪さをしても追いかけては来れないはず」
と施設に対して何か企んでいる輩は思う事でしょう。
またそういった犯罪を起こさない普通の人から見ても何かしらの頼りなさはあると思います。
緊急時に頼りにされる職業の警備員、別に体に支障がある人を悪く言おうと思っているのではなく職業によっては人の財産や命を守るサービスを提供する警備業としては、委託者やそこの施設を利用する利用者からは、いざ命を預けるとなった時に不安が生じるのではないかと思うのです。
いざという時に頼りにする為に委託者は警備業者に仕事を任せています。
そんな現場に委託者が納得できる警備員を用意しないと不満が出るのは当然でしょう。
苦情が出にくい環境
委託者がこの警備員は頼りないなと感じた時、警備会社に相談します
「この警備員さん何とかなりませんか」
要するに「警備員を替えて下さい」です。
他の現場は知りませんが、商業施設では普通にクライアントからダメ出しの話があります。
商業施設ではお客様からのクレームに敏感な為、クレームの対象になりそうな問題は初めから排除する傾向があります。
とある現場では商業施設に配属になったある警備員が、初日でクライアントからダメ出しされてその現場は1日で異動になった事があるそうです。
警備員に対するクレームはお客様から施設側に来るので、そういったクレームが来るような警備員はすぐにお断りをされるのです。
私はそれが普通だと思っていました。クライアントからしたら問題のある警備員に自分のトコの施設を任せるのは不安ですし、それでクレームが来たら結局その警備員は外すしかありません。
お金を出して契約をするのなら出来の良い、優秀な人材に管理して欲しい・・といいのは当たり前な事ですよね。
商業施設の言い分は理解できます。
しかしこの現場は商業施設とは少し違っており苦情が中々こちら迄来ません。
それはここの警備室がクライアントの事務所から離れていて、警備員の動きがあまり把握できないからです。
今回出たクレームは外周巡回時などでやっと目について、上がってきた状態です。
その警備員はもう何年もこの現場にいるのに、やっと従業員からやんわりとダメ出しが来ました。
今まで溜まっていたうっぷんが出たのか、やっと気づいたのか分かりませんが私が営業所に言っていた事が現実になったのです。
ここの現場が従業員の目に留まりにくいので今まで話が出てこなかったのかもしれませんがやはり気になっていたのかもしれませんね。
営業所の方は今後どういった対応を取るか分かりませんが、何かしらの返事はしないといけないでしょう。
警備員が緊急時に求められるもの
警備員はクライアントから契約で営業をしています。
それは防犯や防火、人の財産や命を守る事です。
その仕事をするにあたって警備会社はその仕事を全うできる人材を送る必要があり、委託者はそれに対して要求(不満)する事は当然の権利があります。
「人手不足なのでこんな警備員だけど勘弁してね」
といって委託者が不満に思っている警備員をそのままその現場において納得してもらえるでしょうか。
まともな仕事が出来ない人材を現場に配属させる事は、警備会社側の業務不履行だと思います。
相手が納得していない、契約と話が違うのですから。
警備員は緊急時には現場に急行して問題を解決しなければなりません。
人が襲われているような事があれば、被害が大きくなる前に駆けつけて助けてあげなければなりません。
そんな時に現場に駆けつけて行けそうにない、現場に着いてもまともに対処も出来ないような警備員ははっきり言って要りません。
人手不足だからと言って、警備員の能力の違いで守れたかもしれないものが守れない、防げたかもしれない火事が防ぎきれない・・そんな警備員では安心して任せられませんよね。
クライアントの言っている事は普通の事だと思います。
ボランティアでやっている事ではないので最低限の要求をするのは自然の事です。
このクレームでこの現場やこの警備会社の人材のあり方に、少しでも変化が起これば良いなという思いです。