施設警備に限らず警備の仕事には当たりハズレがあります。そして警備員さんにも色々な人がおり、中には人一倍正義感が強い人もいるでしょう。そんな人より特に正義感の強い人がヒマな現場へ配属すると、経験上うまく行かない気がします。現場の隊員さんとケンカになったり、その正義感を周りに強要しすぎて孤立してしまったりしてしまうのです。
正義感は誰にでもあるもの
初めに断っておきますが、ここでいう「正義感が強い」という言葉ですが、人間誰でも多少なりは正義感というものを持っていると思っています。
しかし、中にはその普通の人が持っている正義感よりも遥かに高い正義感を持った人もいると感じました。
今回お話するのは、その誰よりも正義感の強い人の事を紹介しています。
その為、正義感が強いからその現場に向いていないと説明した時
「では今その現場で働いている他の人は正義感が無いのか」
という訳ではなく、警備会社に一人いるかどうか位の正義感の強い人の事を指しているので、該当する現場で働いている人が正義感が無い、と言っているわけではない事をご了承ください。
人より正義感が強い人が向かない現場
正義感が強いから警備員の仕事がしたいんです。
面接でそう受け答えをして警備業界へ来た人も多いのではないでしょうか。
また自分は正義感が人よりも強いから警備の仕事でもしようかな、とお考えの人もいる事でしょう。
そういった考えで警備員になる事は何ら問題ありません。
「ラクそうだから警備の仕事でもするか」
という思考の人よりは、正義感を理由に警備員になりたいという動機の方がよほど信頼できますし、またどんな出来事に遭遇してもすぐに辞めてしまう様な事もないと思います。
そんな「正義感」という言葉を信条にして警備員になった方は、おそらくここでよくお話する
「ヒマな施設警備の現場」
では警備員として続かないと思います。
ヒマな現場では警備員としての業務で忙しいという事がありません。
忙しくないという事は、正義感というものを存分に発揮する機会がないからです。
ただ数時間もの間、椅子にじっと座っているだけだとか、来客が少ないので警備員が活躍できる事案もほとんど発生しません。
確かにいくらヒマな現場でも、年中通して全く何も無い訳ではないですが、全国にある施設警備の現場で、わざわざヒマな現場に配属しいつやって来るか分からない事案をじっと待つ事はありません。
ヒマな現場では、いかにして何事も起きない無い時間をサボらない様に服務する事が課題なのです。
もはや正義感を魅せて仕事をするどころではないのです。
ヒマな現場が向かない理由
正義感が強い人がヒマな現場に配属されても、続かないもう一つの理由にヒマな現場で勤務している警備員さんたちとそりが合わない事が多いのです。
これは私が過去に、ヒマな現場で勤務してきてまあまあ正義感の強い警備員さんと、そうでない警備員さんとで衝突が度々あったのを目撃してきたからです。
ヒマな現場では時間がゆっくり進んでいる錯覚に陥ります。
そんな中で、人並みな正義感を持っているいわゆる「普通の警備員」さんたちはその現場の流れに合わせて仕事をしています。
ここで注意しておきたいのは冒頭でもお話した様に、何もサボっているわけではありません。
その暇な現場の雰囲気に合わせた立ち振る舞いをしているだけなのです。
しかし、人一倍正義感の強い人がヒマな現場へ来ると、その雰囲気に馴染めない様で
「もっと気を張れ」
「もっとずっと機微人な行動を取り続けろ」
などと、まあ警備員としては間違ってはいない発言なのですが、どう考えてもそこまで気を張る必要もないのです。
例えばそう、いつでも発進出来るように常にアクセルをふかしっぱなしにしている状態でいろ、と言っているのです。
誰も来ない、何事も発生しない現場で。
まあ、何事も発生しないからだらけて居て良い、とは言いませんがその現場ではそこまで気を張り続ける必要もないのです。
この様に特に正義感の強い人は、周りの環境に合わせてた行動をするのではなく、自分の信念を周りの警備員は合わせるべきと主張するので孤立してしまうのです。
正義感が強い人が向いている現場
正義感が強い人はヒマな現場は向かないのはお分かりになったかと思いますが、ではどんな現場なら正義感を十分に発揮できるのでしょうか。
正義感が人一倍強い警備員さんは
大型商業施設などの様な忙しい現場でなら輝けると思います。
商業施設の様な現場は、事案の発生確率も高く建物や人などに気を配る必要が非常に多く、仕事に対しても厳格さを求められることが他の施設警備の現場よりも多いです。
実際、大型商業施設で勤務していた当時、先輩警備員で正義感の強い人がいましたが、一緒に仕事をしていて頼りになる存在ではありました。
規則なども従業員に対して甘くなる事もなく、警備業務も抜けが無くキチっとしていました。
まあ、業務全般に遊びが無いので人によっては窮屈に感じる事もあるでしょうが、誰もが安心して仕事を任せられました。
配属する現場を間違えると、疎ましいと思われてしまう様な人でも、適正な現場に配属されればとても頼りがいのある警備員さんとして尊敬されるのです。